魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

磯採集

2019年07月29日 18時24分47秒 | 魚介類採集(海水)

7/29は平日ですが磯採集、場所は千葉県の某所。コーラルフリークス(CF)誌の磯採集企画であった。Youtuberの鰐さん主催の企画のようで、お会いするのは初めて。ただしCF誌の磯採集企画は2013年の夜磯、トビハゼ、ダンゴウオ、三浦秋磯、そして今回で5回目。

トゲチョウチョウウオ

チョウチョウウオはチョウチョウウオ(通称ナミチョウ)のほか、トゲチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオを発見。トゲチョウチョウウオを採集したのは何気に初だったりするので興奮。他にチョウハンとアケボノチョウチョウウオを採集していた方も。アケボノチョウチョウウオは初めて見せてもらいました。

海藻とキヌバリ

今回潜った場所は海藻がびっしり。四国では7~8月になると海藻が殆どなくなるがさすがは千葉。褐藻類が夏でもよく見られる。高知県ではほとんど見られないキヌバリも海藻の合間からひょっこりと。今回の詳細は次号のCF誌29号(9月発売)に掲載される予定とのこと。楽しみです。現地でお会いした皆様、ありがとうございました。

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オオシタビラメ

2019年07月18日 02時19分07秒 | 魚紹介

久しぶりに新しい魚との出会いがあった。カレイ目・ウシノシタ科のオオシタビラメである。

オオシタビラメは名前に「オオ」とあるが、日本近海に生息しているウシノシタの仲間では最大種というわけではないようである。全長は40cmほどであるが、イヌノシタなども40cmを超えるくらいにまで育つ。一方カラアカシタビラメという種は70cmくらいにまで育つらしいが、これは東シナ海や黄海、渤海の産であり、以西底曳網漁業でなければまず入手できないような種類といえるだろう。

 

 

 

本種の特徴は無眼側に有孔側線があるというものなのだが、体側のものは確認できたものの、頭部のものの方はうまく見えなかった。これがそうなのかな、というくらいのレベルであった。

分布域は三浦半島以南の太平洋岸、広島県尾道、福岡県津屋崎、東シナ海。~インド‐西太平洋域であり、やや南方系のウシノシタ科魚類といえる。生息場所は水深120m以浅の海底で、定置網などでよく漁獲され、底曳網漁業で漁獲されたのを見たことがないということを考えると、浅瀬を好む種類といえるかもしれない。

なお、本種の属については魚類検索ではオオシタビラメ属とされているが、Fishbaseではイヌノシタ属に含めている。ただしいくつかの形質は本種をイヌノシタ属とは異なる属とすべきともされている。ただし確実なことはいえず、さらなる標本の確保が必要である。

今回はムニエルにして食した。今回の個体は全長488mm(体長455mm)もあり、4人家族みな身を多く食べることができた。今回も鹿児島県の田中水産 田中 積さんにお世話になりました。ありがとうございました。

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シマアオダイとヤンバルシマアオダイ

2019年07月12日 20時35分08秒 | 魚の見分け方

今日(7/12)、鹿児島の田中水産さんからシマアオダイが届いた。シマアオダイはスズキ目・フエダイ科・アオダイ属の魚で、やや深海性の魚である。このぶろぐでは2013年の6月と9月にそれぞれ1回だけ紹介してきた。およそ6年ぶりに食することになる。身の色はほのかなピンク色で、脂もほどよくのり美味であった。田中水産 田中積さん、ありがとうございました。

シマアオダイといえば、鹿児島県以南の海に「そっくりさん」がいる。それがヤンバルシマアオダイである。

ヤンバルシマアオダイという名前の通り、沖縄諸島以南に生息するとされたが、最近は薩南諸島からも記録されたし、標本はないものの、高知県宿毛湾でも獲れている。分布域は狭く、薩南諸島からサモア、オーストラリアまでの西太平洋である。ヤンバルシマアオダイはなかなか入手できず私にとっては幻の魚であったが、ついに今年の6月、那覇の泊いゆまちでゲット。

シマアオダイ頭部

シマアオダイとヤンバルシマアオダイの確実な見分け方は頭部にある。シマアオダイは眼の上、頭部の輪郭が直線的なのである。また主上顎骨に鱗があることも特徴である。また老成すると後頭部が膨らみ出る。

ヤンバルシマアオダイの頭部

一方、ヤンバルシマアオダイは頭部、とくに眼の上の輪郭は丸みを帯びている。また主上顎骨には鱗がない。体形もシマアオダイと比べて丸っこいが、これは同定に使えるかどうかはわからない。

今回のシマアオダイは尾鰭の後方、上端と下端が白っぽかった。一方ヤンバルシマアオダイは尾鰭後方上端は白っぽかったものの、下端は白っぽくはなかった。ただしこれで種を見分けられるかというと難しそうである。最後にシマアオダイとヤンバルシマアオダイをもう一度見比べてみたい。

シマアオダイ

ヤンバルシマアオダイ

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キスジアカボウ

2019年07月07日 20時14分21秒 | 魚紹介

今回は我が家にやってきたすごいベラをご紹介。ベラ科のキスジアカボウである。

キスジアカボウはベラ科・タキベラ亜科・タキベラ属に含まれるベラの仲間...ではなく、キスジアカボウ属という別属のものとされている。日本における分布域は小笠原諸島と沖縄本島である。海外では中央太平洋、ハワイ諸島(タイプ産地)、などにすむが分布は島嶼域に限られ局所的なようだ。なお、キスジアカボウ属は2種からなり、もう一種イーストパシフィックホグフィッシュ、またはブリーディングラスPolylepion cruentumはその名の通り東太平洋産で、コスタリカなどに分布する。

やや深海性で水深100~300mにすむとされ、なかなかお目に罹れないベラなのだが、今回、ついに我が家にやってきたのであった。

写真ではわかりにくいのであるが頭部や体には黄色の蛍光線が入る。もしかしたら暗い深海でも何らかの光を受け仲間とのコミュニケーションに使っているのかもしれない。近縁種のズナガアカボウの場合は体をクッキングペーパーで包むと黄色がペーパーにうつるのだが、このキスジアカボウではそのようなことはなかった。

今回は残念ながら食したところは撮影できなかったのだが、煮つけで美味しくいただいた。今回のキスジアカボウは東京都父島の川辺勝俊さんより送っていただいた。ありがとうございました。

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オニソコホウボウ

2019年07月03日 22時50分52秒 | 魚紹介

もう7月になりました。先月20日のことですが、長崎から珍しい魚がやってきました。

ホウボウ科ソコホウボウ属のオニソコホウボウという種類である。熊野灘から琉球列島、東シナ海に分布し、海外では台湾、中国、西太平洋に分布する。

オニソコホウボウもホウボウ科の魚で、胸鰭が大きい。胸鰭の色彩は暗い緑色で、胸鰭内側の下方は白っぽいのが特徴だ。ハナナガソコホウボウだと、胸鰭の内面に縞模様があるらしい。

上の写真のものとはまた別の個体。体の背面および体側上方には黄色に縁どられた暗緑色の斑点があり、ソコホウボウにもよく似ているのだが、ソコホウボウとは黒色斑の様子が異なっている。またソコホウボウは胸鰭内面に白い斑点があるが、本種にはない。またソコホウボウの吻棘はあまり伸びていないが、本種ではよく伸びている。吻棘がやはり長く伸びるハナナガソコホウボウとは、先述のように胸鰭の内側の模様や上膊棘の長さ(ハナナガソコホウボウは短く、オニソコホウボウでは長い)でも区別できるようだ。胸鰭の模様が見られないようなときにはこの特徴で見分けるとよいだろう。日本産でもう1種本種によく似たPterygotrigra cajoraroriは吻棘がかなり肥大している。この種については学名はあるものの、標準和名はいまだについていない。南日本の太平洋岸から西太平洋に分布しているようで、高知県のほか、遠州灘でも獲れている。

今回のオニソコホウボウは刺身にして食べた。きれいな白身である。味は薄いが、臭みもない。味が薄いためポン酢などで食べるととても美味しい。これは3匹分、1匹だけではこれの1/3となる。東海大学出版会の「東シナ海・黄海の魚類誌」では「漁業資源としての価値はない」などとぶった切られているが、これだけ美味しいものを価値がないとはなんたることか。昨今は特定の魚種に漁獲圧がかかっているのだから、様々な魚を食べて分散させることが正しいのだ。

今回は「印束商店」石田拓治さんより。いつもありがとうございます。

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