魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

オイランヤドカリ近縁種

2023年07月28日 18時38分50秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

殺人的に忙しかったが今日はお休み。ということで久しぶりに甲殻類のご紹介。オイランヤドカリ近縁種Dardanus sanguinolentus(種和名なし)とのこと。この写真は2008年9月に磯で採集したもので、このぶろぐでもご紹介したと思っていたのだが、残念ながらそうではなかったらしい。

この種は種の和名がないが、新しく見つかったわけではないようである。従来オイランヤドカリとされていたものだが、赤い模様があるのはやっぱり別種ということになるようだ。したがって学名はあるがまだ種標準和名がないので(学名だと長いし)、ここでは「名無しさん」とさせていただく。ゴメン。早く名前がつくといいね!

南紀以南の太平洋岸に生息するというが、関東当たりでも見つかっているらしい。生息場所は特に深くはなく、水深1mくらいの場所で何回も採集している。ただし、春から夏はオイランヤドカリは採集できたが、夏~秋だとこの「名無しさん」ばかりになってしまうようである。この2種は同じような環境にいるものの、同時には見たことがない。水温がこの2種との出会いを妨げているのかもしれない。

オイランヤドカリ

またこの「名無しさん」もオイランヤドカリも、最近は採集しても持ち帰っていない。結構大きくなる貝に入るので、レイアウトを破壊しやすいのである。この種だけでなく、ヤドカリの仲間全般に言えることだが、サンゴ水槽でヤドカリを飼育するなら、サンゴの土台は専用の接着剤でライブロックやサンゴ岩に固定してあげたほうがよい。そうでないとすぐひっくり返ってしまい、とくにハードコーラルが弱ってしまう。もう一つ飼育しない理由は、なぜか長生きしないこと。最初はごそごそ、状態よくはい回っていてもやがて水槽から貝殻を残して姿を消すということが多い。餌が足りないのか、栄養素がたりないのか、魚が多いと意外とストレスを感じるのか。これらについてはまだわからないことばかりである。オイランヤドカリは一般的な巻貝よりイモガイやマガキガイなどの貝殻を好むようである。同じようにこの仲間を好むのにはイモガイヨコバサミや、ベニワモンヤドカリなどの種がいる。

今回のオイランヤドカリの仲間についてはHirayama Shoさんより情報提供していただいた。また1.023Worldの解説などを参考にさせていただいた。みなさん、ありがとうございます。

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アナエビの仲間

2022年12月24日 20時25分50秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

あまりにもネタがないので、甲殻類ネタもボチボチ上げていきます。以前「ヘンテコ深海魚便」の中に入っていた甲殻類の一種。最初はテッポウエビの仲間かと思われましたが、FacebookでHirayama Shoさんに見て頂きますとアナエビ科のAcanthaxius属の一種だそうです。Hirayama Shoさん、ありがとうございます。なお、この属は日本には5種いるとのことだが、どの種かは不明のよう。

 

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ナミクダヒゲエビ

2022年12月19日 21時57分36秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

昨日我が家にやってきたエビ。エビ目・クダヒゲエビ科のナミクダヒゲエビである。全身が赤みを帯びるエビでやや深海性。この個体も鹿児島県錦江湾の深海から底曳網漁業により漁獲されたものである。

クダヒゲエビの第1触角が独特な形をしている。ただ本を読んだものの、この仲間がすべてこのようなヒゲをしているわけではないかもしれない。タラバエビなどモエビの仲間に似ているが、亜目の段階でまったく違うグループらしい。もっとも、甲殻類については私はほとんどわからないのだが。

アマエビことホッコクアカエビのように刺身でも美味しいのだが、個人的にはエビは焼いて食べるのが好きなので、今回も焼いて食べた。軽く塩をかけて焼くだけでとても美味しい。

錦江湾ではこのナミクダヒゲエビは専門に狙うエビだそう。ほかにもキュウシュウヒゲやアカカサゴ?、マルヒウチダイなど独特の魚が漁獲される。今回のナミクダヒゲエビも鹿児島市の丸万 田中水産社長 田中積さんより。いつもありがとうございます。

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ベニツケガニ

2022年11月03日 15時01分52秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

今日は忙しいので手短に。磯で発見したワタリガニ科のベニツケガニ。イシガニみたいなものであるがやや南方性。四国南西岸の岩の下には多く見られるが、逆にガザミなどは見たことがない。美しいがほかの魚を食べてしまうこともあるので他の生き物とは飼わないほうがよいだろう。

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ヒライソガニ

2022年06月17日 21時36分14秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

先月千葉県の潮だまりで採集した小型のカニ。おそらくイワガニ科のヒライソガニと思われる種類。ヒライソガニはイワガニやイソガニに似ているが、その名前の通りで扁平な体をしている。色彩は変異が非常に多く、写真のような色彩から、白黒のまだら模様の個体まで色々と見られた。

上の写真の個体よりは色彩が明瞭な個体。イワガニ科のカニは潮だまりではイソガニ、イワガニなど、本来はもっといろいろ見られるのだが、なぜかここではヒライソガニのみが見られた(このほかにはオウギガニ類などが見られたが、お持ち帰りはしていない)。この個体は持ち帰らなかったが、もう少し小さいのを何個体かお持ち帰りし、クモウツボに与えた。

なおクモウツボを含む、アラシウツボ属の魚はカニの仲間が大好物である。シマアラシウツボの胃の中からもカニが出てきたりする。アラシウツボ属の魚は歯が粒状になっている(いちぶ大型個体では鋭く鋸歯縁をもつものがいる)ものが多く、これもカニをメインに食するための生存戦略だろうか。そのため飼育下でもカニを与えるとよいのだが、オウギガニの仲間は毒化することも多く、餌には適していない。

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