魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ホシカイワリ

2020年06月29日 13時09分08秒 | 魚紹介

もう6月も終わってしまいそうなので更新します。

これは最近我が家にやってきたアジ科の一種、ホシカイワリ。名前に「カイワリ」とあるがヨロイアジ属の魚である。体側に斑点が入り、以前にこのぶろぐでご紹介したことがあるアンダマンアジに似ているが頭部の形状がやや異なっている。斑点もアンダマンアジの黒色よりは黄色っぽい感じがする。大きさは50cmほど、大きいのは90cmくらいにまでなるようである。今回は刺身にして美味であった。

先ほど冒頭で「ヨロイアジ属の魚」としたが、この属についてはいろいろと問題がある。ようはヨロイアジ属というのは大変大きなグループではあるのだが、いくつかの属に細分化されそうなのである。これによれば本種はアンダマンアジやマルヒラアジとともにホシカイワリ属を形成するとのことであるが、分子分類も確実ということはないので、本当にこのように分かれるのかは微妙なところである。しかしながらカイワリやイトヒラアジ、テンジクアジ、インドカイワリといった種がヨロイアジ属に含められるものではなさそうと思っていた(カイワリやテンジクアジなどは日本では別属扱い、海外ではヨロイアジ属に含めていることが多いが別属であるべきだろう)。そのため実際にそのようになっていて納得。カイワリはやはりシマアジに近い、イトヒラアジ属はイトヒラアジ・テンジクアジともう1種を含み、インドカイワリは独立属とされた(ヒシカイワリに近縁だと思っていた)。今回のホシカイワリは鹿児島県の田中水産さんより。いつもありがとうございます。

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ナガブダイ

2020年06月06日 11時29分31秒 | 魚紹介

2回連続でブダイネタである。今回はブダイ科・アオブダイ属のナガブダイという魚をご紹介したい。

ナガブダイは前回のオニハゲブダイほどは珍しくはなく、琉球列島沿岸のほか、四国沿岸でもごくまれに漁獲されている。しあkしナガブダイを実際に見るのはこれが初めてである。雄はほかのブダイの仲間と同じようにブルーグリーンの体ではあるのだが、雌は赤みを帯びている。

アオブダイ属の雌の同定なんて恐怖に思う方も多いだろう。特にスジブダイ、ダイダイブダイなど、何種かの雌は非常に同定が難しい。しかしこのナガブダイは非常に同定しやすいといえる。

まずはこの体の細長さである。とくに、大型の個体はこの特徴が顕著だ。次に体の色彩。これは海中で見たときに顕著な特徴で、体が二つの色に塗り分けられているように見える。ただしこの写真からは微妙である。

そして鱗も1枚1枚に細い線というか、点のような模様が入っている。この特徴は写真でも顕著なので見分けやすいといえるだろう。一方「赤みを帯びた体のブダイ」ということでは「アカブダイ」というブダイが真っ先に思いつくのだが、アカブダイの雌はその名の通り体が真っ赤なのでナガブダイとは見分けやすいといえる。

ナガブダイはほかのブダイ科魚類の多くの種同様にサンゴ礁に生息しており、その分布域はかなり広い。海外では南アフリカのダーバンからメキシコ西岸のカリフォルニア湾周辺にまでおよぶ。また同じように広く分布するヒブダイとは異なりハワイ諸島にも生息している。ハワイ諸島には7種のブダイ科魚類が生息しているが、そのうちの3種がハワイ諸島やその近辺のジョンストン、ミッドウェイ近海の産である。

ブダイの仲間は沖縄では重要な食用魚である。市場ではナンヨウブダイやヒブダイなどをのぞき多くは「いらぶちゃー」と呼称される。今回は長崎魚市場に水揚げされた個体を購入したもので、伝票も「ナガブダイ」であった。ブダイはやわらかい身が特徴で刺身などにしてたべると美味しい魚だが、揚げ物や煮つけなどでも美味しい魚である。石田拓治さん、ありがとうございました。

最近は環境大臣が「生物多様性のことを学ぶ」などと報道されているのだが、正直「いまさらかよ」と思った。やはり大臣なのであればその分野に対しての「学」をもっていなければならないだろう。そしてほかの人からもやはり同様な声がきかれてしまった。さらに「脱炭素社会」と称し、再生可能エネルギーを生み出すものを建設する上でどんどん生物多様性の再生は不可能になっていっているのが現状だ。それに早く気が付かなければならない。

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