魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ヌマガエル

2023年08月30日 23時13分28秒 | 両生・爬虫類

久しぶりに両生類を。これはヌマガエル。カエルの仲間はこのあたりではニホンアマガエル、ウシガエル(国外外来)、ヒキガエル類(同定できない)しかみないので貴重、ただしヌマガエルは国内外来生物で、本来は西日本のカエルということである。この個体を撮影した数日前に大雨が降ったのでその影響があるのかもしれない。今回のヌマガエルもXでdaichan.さんに見て頂いたもの。ありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギンカガミ

2023年08月28日 19時28分34秒 | 魚紹介

ついに8月も最終盤です。今回は以前少しこのぶろぐでも紹介した魚。ギンカガミ科・ギンカガミ属のギンカガミ。

ギンカガミは体が銀色で体はとても側扁している。体側の上方には小さな黒色斑がある。前回の個体は幼魚だったので一様に銀色、体側に斑紋はほとんどなかった。

腹鰭は5軟条からなり、最初の2本の軟条は癒合して細長くのびるのが特徴である。この仲間はアジ科に近縁なものとされている。しかしながらアジ科の特徴である、遊離した2つの棘は見られない。もちろん稜鱗(ぜんご、ぜいご)も持っていない。それどころか、体全体に鱗はない。奇妙な魚である。なお、口は大きく伸ばすことが可能である。

分布域は広く、日本では青森県以南の日本海岸、茨城県以南の太平洋岸に生息しているが、基本的には黒潮当たる太平洋岸の南部に多い魚である。海外では韓国や台湾、中国、インドー西太平洋域に生息しており、とくに東南アジアでは多く見られる魚である。底曳網や釣り、日本においては定置網などで漁獲されていて、食用にもなる。前回は愛媛県西海の定置網で漁獲されたものをいただいたのであるが、その時は標本にしたため食することはできなかった。ということで今回は初めて食すことに。アジ科だと刺身が美味しいのだが、ギンカガミは本当に薄っぺらいので、刺身にしたら食べる場所がなくなってしまいそうである。

ということで唐揚げ。事前に醤油たれに少し漬け込んでおいた。身は美味しい。風味はアジの仲間によく似ていて、やはりアジに近い仲間なんだなあ、と実感した。東南アジアでは日本よりも数が多いため重要な食用魚とされているようである。焼いて食べたり、野菜と一緒に揚げたり、蒸したりして食べられている。

今回のギンカガミは鹿児島県の田中水産 社長 田中積さんより。いつもありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サビウツボに手を咬まれる

2023年08月22日 23時12分40秒 | 魚介類飼育(海水)

忙しくてぶろぐを更新できていませんでした。ごめんなさい。

さて先日大変なことがあった。サビウツボに餌を与えていた際、指をウツボが咬んだのである。この指を咬んだサビウツボ氏いわく「甘噛み」だというが、非常に痛く出血もした。サビウツボはウツボの中では小型であるが鋭い歯をもち、小魚やタコ、甲殻類などを捕食するが、ヒトの指から流血させることも容易である。ドクウツボやニセゴイシウツボなどの大型種に咬まれると病院送りになるかもしれない。

さて、そんな私の指を咬んだサビウツボさんであるが今年の春に病気にかかってしまった。体の一部が色が薄くなってしまっている。粘液が剥がれ落ちてしまったようだ。上の写真、水槽の下に沈んでいるのが剥がれ落ちた粘液で、これにより水槽が一気に白濁してしまう。もちろん餌も食べていなかった。しかし3日に一度水を全部換えることで、今では餌も再びよく食べるようになった。そして咬まれるに至ったわけである。何はともあれ、元気が一番。

今日ではアクアリウム専用のピンセットも普通に売られている。素材はステンレスのもの,木のもの、プラスチックや樹脂でできたものなどがあるが、ウツボの餌やりには樹脂製のものが一番よいであろう。ステンレスや木のものは場合によっては錆びたり腐ったりするからである。咬まれたくないならそういうものもしっかり使用していきたい。もちろん水槽にフタをすることもお忘れなく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガンテンメギス

2023年08月13日 20時05分26秒 | 魚紹介

非常に忙しくぶろぐの更新をさぼっていました。すみません、シーズン中だというのに。でも、台風が来ていますので結局海には出れそうにない。

さて、今回ご紹介するのは2021年に報告されたメギス科・メギス属のガンテンメギスという魚。この種は新種ではなく、従来メギスのシノニム(同物異名)とされたものが復活したというものである。メギス属の魚は日本においては従来はメギス1種とされたが、これで2種目である。

ガンテンメギス

イニシャルフェイズ(IP)は全身が真っ黒で体側に赤色斑が入っている。いっぽうターミナルフェイズ(TP)では、赤い体が特徴であるが、いずれの個体も小さい斑点が体側に並んでいる。これに対してメギスのそれはIPでもTPでも体の上半分に限られることで見分けられる。なお、私のガンテンメギスの写真はいずれもIPに基いているものである。こちらは上記の個体よりもより小さな個体。

メギス

私は採集・入手した魚のほとんどを写真に撮影しているのだが、メギスは石垣島でも喜界島でも釣れていたのだが、ガンテンメギスの方は沖縄県石垣島でしか確認していない。しかしながらメギスは琉球列島の広い範囲に見られ、ガンテンメギスも沖縄県のほか徳之島、与論島にはいるようなので出てもおかしくはなさそうである。ただメギスは琉球列島のほか、鹿児島県の薩南諸島やトカラ列島、さらに高知県でも採集されており、ガンテンメギスのほうがより南方性という可能性はあろう。

私の釣ったメギスの写真はこれだけ。出来がよろしくない。今年の遠征でもメギス属の魚を釣っていたのだが、写真撮影用の道具がなく、結局逃がしてしまった。

メギス属はメギス科としては大型になるものを含む。この属も近年のPseudochromis属の解体などもあり、属がかなり増えている。もちろん属だけでなく、種も以前よりはだいぶ増えた。色がきれいな魚ではあるが、アクアリウムでの人気は案外低い。理由はこの仲間は動物食性で気性も激しい。したがってほかの魚と一緒に飼育するのは難しいところがあるのだ。もっと小さいクレナイニセスズメやバイカラードティバックなども観賞魚としてよく販売されているが、これらの種もなかなか激しい性格をしているので、小型のハゼの仲間などと一緒に飼育するのには向いていないので、初心者マリンアクアリストの方は注意されたし。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イトヒラアジ

2023年08月03日 19時15分21秒 | 魚紹介

以前入手したものの、紹介できていなかった魚をご紹介。アジ科・イトヒラアジ属のイトヒラアジ。

従来この魚はCarangoides属とされたが、Carangoides属は単系統ではなく、現在は細分化されている。本種は現在イトヒラアジ属Carangichthysとされているが、海外ではいまなおCarangoides属としている文献も多いので注意を要する。なおCarangoides属にはヨロイアジ属という属の標準和名がついていたが、ヨロイアジはクボアジ属とされ、Carangoides属の日本産種はおらず、海外で採集された個体の標準和名もついていない。もっとも分布域はフィリピン、インドネシア、ベトナムなど東南アジア海域なので、日本でもいつか見つかるかもしれない。

現在イトヒラアジ属は3種が知られている。日本産は2種いるものの、よく似たテンジクアジはまだ1回しか見ていない。イトヒラアジの特徴としては第2背鰭基部に黒い斑点の列があるが(写真)、これはテンジクアジには見られない。また尾鰭の色彩もかなり違うように見える。日本に分布しないもう1種のCarangichthys humerosusは英語名でDuskyshoulder trevallyまたはEpaulette trevallyと呼ばれているように、肩部に大きな暗色斑がある。この種はインドネシアやパプアニューギニア、オーストラリアに分布しているが、いつか日本にも出現するだろうか。ちなみにイトヒラアジは英語名Shadow trevallyと呼ばれている。イトヒラアジは成魚では60cmを超えるサイズにまでなるが、その個体は体にアンダマンアジなどを彷彿とさせる細かい黒い斑点が現れ、胸鰭や腹鰭などが黒いスミを塗ったような色彩になる。これが英語名の由来であろうか。

このような個体は沖縄などでもごくまれに市場に出るようだが、まだ見ていない。ぜひともテンジクアジとともに手に入れたいアジである。イトヒラアジやテンジクアジの幼魚と思われるものは、幼魚のうち大型のクラゲなどについていることもあり、九州以北の太平洋岸、新潟県、兵庫県、山口県日本海岸などに出現するが、越冬はできていないようである。たまにインドネシアなどから輸入され観賞魚店で販売されることもあるが、アジ科の魚はよほど大型の水槽でない限り、家庭ではうまく飼えないことが多い。むしろ食用として重要であり、刺身や塩焼きなどに向き美味である。幼魚については今後同定ポイントを再調査するべきであるように思う。

この個体は鹿児島県の笠沙産。伊東正英さんからのいただきものである。いつもありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする