魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

タナゴ類のこと

2019年10月29日 18時54分05秒 | 環境問題


最近このようなニュースがあった。

ヤリタナゴに深刻な遺伝的攪乱

簡単にいえば、ヤリタナゴには7つの地域的なグループがあるといううが、関東地方(荒川や利根川・霞ヶ浦水系など)のヤリタナゴについては近畿や東海からの移植であったというもの。

ヤリタナゴは準絶滅危惧で懸念は低いとされるが、いくつかの地域では特に河川改修により絶滅が心配される事態となっている。そして減ったから、といってヤリタナゴをペットショップなどで購入して放流すれば残っていた地域的なグループが交雑し、最悪消滅してしまうおそれがある。

アクアリストの間ではタナゴ類を放流する人のことを「放流大好きおじさん」などと呼んでいる。こういうおじさんは自分の住む地域にきれいなタナゴがいることを望むのであるが、基本的にタナゴの類は本州から九州であればほとんどどこでもその地域に在来のタナゴが生息しているからそれを楽しめばよいのである。

タナゴ類をふやしたいのであればタナゴ類そのものや産卵母貝となる二枚貝を放流するのではなく、河川の状態やその地域のタナゴ類を釣ったりして楽しむべきである。そして河川改修反対運動(とくにタナゴ類の産卵に必要な二枚貝の死滅を招く)への参加、オークションなどで販売するための乱獲を非難(タナゴだけでなく二枚貝も)、コイの放流反対運動(二枚貝を含む川底の生き物を捕食し、成長すればするほど吸引力が増す)に参加するなどの活動をするべきである。そうすればいつまでもタナゴ類が河川で待ってくれるはずである。

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フエヤッコダイ

2019年10月21日 00時25分01秒 | 魚紹介

もうしわけありません。また更新の間隔があいてきてしまいました。本業・副業いろいろありいろいろ忙しいです。ニートだっていろいろあるんだよ!

さて、この間食した魚をご紹介。チョウチョウウオ科のフエヤッコダイ。フエヤッコダイはチョウチョウウオ科の魚でサンゴ礁を代表する魚と言っていいだろう。黄色い体と長い吻は、ツノダシと並びいかにも「南国の魚!」という印象だ。

フエヤッコダイは日本からインドー太平洋の広い範囲に生息する。太平洋では西―中央太平洋だけでなく、アメリカ西海岸にまで分布している。日本には琉球列島のほか、九州から相模湾にまで出没するものの、本州では数は多くなく、私はこれまで高知でペアを見ただけである。

さて、日本産フエヤッコダイ属魚類には実は2種いる。フエヤッコダイとオオフエヤッコダイだ。この2種は間違えられやすいが、よく見たら簡単に見分けられるという。しかし残念ながらオオフエヤッコダイは見たことがない。

まずフエヤッコダイは背鰭棘数が多く通常は12であり、11のオオフエヤッコダイと見分けられる。またオオフエヤッコダイには胸鰭の前方に黒色の小斑点が散らばるのも特徴だ。ただし個体そのものがあるなら背鰭棘数を見るのが一番手っ取り早いだろう。なお、フエヤッコダイ属はフエヤッコダイとオオフエヤッコダイの2種とされていたが、もう1種インドネシアからチェンデラワシロングノーズバタフライフィッシュという種が2012年に新種記載されている。

チョウチョウウオの仲間は観賞魚としてのイメージが強く、あまり食用にはしないように思われるが、沖縄や海外では食用になるし、ハタタテダイなどは本州でも食べられかなり美味しいということで今回はフエヤッコダイも食べてはみたのだが・・・。

とまあ「終わりよければ・・・」ということは残念ながらならなかったのですが、この貴重なフエヤッコダイは荒武成寿さんよりいただきました。ありがとうございました。

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