魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

難解なヒゲ

2014年05月27日 14時28分43秒 | 魚紹介


先週の金曜日、静岡県焼津港「長兼丸」の長谷川さんの船に乗せていただく機会があったのでしたが、その際に採集されたソコダラ科のトウジンの仲間(トウジン属)。トウジン属は以前に「トウジン」の記事でも書いたのですが、どうしても似た種類ばかりで難しいものです。この種類は体側に薄いバンドがあり、ミヤコヒゲやムスジソコダラの仲間だと思います。

トウジンの仲間は同定が大変難しい。その理由は体側の斑紋だけでなく、鱗の様子や、果ては手触りまでが同定のキーになるから。

トウジンの仲間のうち、とげとげした鱗をもち、体側の後半に太い横帯を有する種は3種いるようで、これらは頭頂部の鱗の形状により区別できる、と魚類検索。

これが頭頂部。頭頂の鱗は両眼のちょうど中央あたりの鱗。拡大していってもどうも隆起線が1本多いように見える。ということはミヤコヒゲであろう。ミヤコヒゲは水深360~760mに生息し、その分布域は房総半島から沖縄舟状海盆とかなり広域におよび、駿河湾ももちろん分布域に入る。

対してほかのズナガソコダラ・ムスジソコダラは九州-パラオ海嶺にのみ分布とある。これらのうち、どちらか忘れてしまったが、たしかムスジソコダラのほうは以前に駿河湾の海底にいるのを見たような気もする。もしかしたらムスジソコダラも駿河湾にいるのかもしれない。念のためもう一度確認したい。

いずれにせよ大事なのは、本種の肉は白身でありとてもおいしい種類ということである。そのため標本の確保が難しい。もしかなうのであればもう一度標本を入手したいのだが。

 

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購入した洋書が届きました。

2014年05月22日 22時01分31秒 | 書籍
以前購入した洋書が届きました。
本の名前は「COASTAL FISHES OF SOUTH-EASTERN AUSTRALIA」
オーストラリア南・東海岸の魚の本です。
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二日続けて・・・その2

2014年05月18日 19時02分34秒 | 魚紹介

 
昨日の続き。5月17日・土曜日にやってきたのは、この魚!ソコアマダイモドキOwstonia grammodon (Fowler, 1934)です。
 
ソコアマダイモドキは、「アマダイ」という名前がついていますが、アマダイ科ではなく、アカタチ科に属します。
 
 
アカタチ科魚類といえば、写真のインドアカタチAcanthocepola indica (Day, 1888)のように赤色の帯のような姿が特徴的ですが、ソコアマダイモドキを含む、ソコアマダイ属は、尾は長いものの普通の魚のようなスタイルをしています。いずれの属もやや深い海底に生息し、アカタチ属の魚は海底に穴をほってすむようですが、ソコアマダイモドキはどうでしょうか。
 
そういえば「~アマダイ」と名前がつく魚は海底に穴を掘ってすむのが多いですね・・・。アカアマダイも海底の穴に潜むのは有名ですし、アゴアマダイは巣穴を作りそこに潜みます。キツネアマダイ科のサンゴアマダイも水槽内ではサンゴ岩の下に穴を掘って、危険が迫るとそこにかくれたりします。
 
 
 
●ソコアマダイモドキとソコアマダイ
 
ソコアマダイ属は日本に3種が分布します。このうちソコアマダイモドキとソコアマダイの2種は、背鰭や臀鰭の鰭条数が一部は重なるなどよく似ています。この2種類を区別するには、頭部を見るとよいでしょう。
 
 
ソコアマダイモドキOwstonia grammodon (Fowler, 1934)は頭部の頬の部分に鱗があります。また側線は鰓蓋上端付近で下降しており、左右の側線はつながりません。
 
 
 
一方でソコアマダイOwstonia totomiensis Tanaka, 1908は頬の部分に鱗が殆どありません。これは古い写真でよく写せませんでしたが、左右の側線は背鰭前方付近で連続するという特徴があります。これは背鰭付近を背面から写真に写すとわかりやすいでしょうか。
 
大きさは昨年に出た「日本産魚類検索 第三版」によるとソコアマダイ標準体長(以下SL)34cm、ソコアマダイモドキ23cm SLとなっていますが、この書籍で示されている大きさは最大あるいは標準的なもの、とされております。私が見た限りではソコアマダイの最大は37.2cm SL、そして今回のソコアマダイモドキは41.5cm SL、56.3cm TL,というもので、魚体重は1166gもありました。
 
ソコアマダイモドキは相模湾~土佐湾の太平洋岸、東シナ海。海外ではフィリピンや、インドネシア・スラウェシ島近辺(基産地?)に分布するようです。長崎で水揚げされたのは、東シナ海の個体でしょうか。いずれにせよ長崎の石田さん・久保さんにはすごくよい魚を送っていただきました。ありがとうございました。
 
 
絶対行くけんね! 待っててね!
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二日続けて・・・その1

2014年05月17日 22時07分26秒 | 魚紹介

 

今週は二日続けて、面白い魚に出会うことが出来ました。それらの記事第1回目は、フエダイ科・ヒメダイ属のやや深い海を好む種類であるシマチビキPristipomoides zonatus (Valenciennes, 1830)です。

シマチビキの色彩で凄いのは、赤色の体で、背部に黄色い斜帯が入ること。他にも赤い地色に黄色い帯が入るスナッパーは居ますが、このシマチビキはその中でもものすごくきれいなものでしょう。

 
 
シマチビキはヒメダイ属の仲間ですが、体長と体高の比率から、特にハナフエダイに近いようです。ハナフエダイの色彩はピンク、黄色、青、赤、白ととてもカラフルな種類。水深200mの深海に生息するものとは思えないほど派手な魚です。この種類については、以前記事に書いていたはず。上がシマチビキ、下がハナフエダイPristipomoides argyrogrammicus (Valenciennes, 1832)
 
シマチビキは2008年に奄美大島で出会ってから (この時に帰りに使用していた船がこの間韓国で沈没してしまった・・・残念) 、いつか手にしたかった魚の一つでした。はじめて出会ってから5年以上の歳月を経てようやく「再開」を果たした種です。今回の個体は小笠原諸島産。お友達の料理研究家・宮内さんから頂きました。ありがとうございます。
 
本種は日本では小笠原と琉球列島から報告されています。ハワイではやや深い海底からよく釣りで漁獲されているようです。東はインド洋の南東アフリカにあるデラゴア湾まで。タイプ標本はモーリシャスから得られているそうで、分布はかなり広いよう。
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ゼブラハゼ

2014年05月15日 20時15分45秒 | 魚介類飼育(海水)
 
水槽は最近引越ししてサイズアップ、サンゴのうちウスコモンサンゴはそれによるストレスで落としてしまいましたが後は概ね問題なさそう、大きなハナガタはよくふくらみ、ウミアザミは最近増殖しつつあります。ムラサキハナヅタも増えてきていますが、共肉の部分が紫の方はベージュ色のものほど早くは増殖しないと聞いており、たしかに増えているものの、聞くほど増殖の勢いがないような感じがします。
 
 
ゼブラハゼは2012年から飼育していたのは昨年の夏にお亡くなりになってしまいました。この個体は2代目です。クロユリハゼ属の魚は基本的に丈夫で飼いやすいものです。
 
 
同一個体。暗い緑色の体に、赤褐色の横帯が多数入ります。常に元気いっぱい、餌もよく食べます。
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