最近はAIに関連する話題が多い。やれどこどこのAIがいいとか、生成AIのどこどこがすばらしいとか、そんな話題であふれている。しかし私は生成AIの跋扈により、人間の国語力とか、絵を描く能力とか、そのようなものが低くなってしまうことも懸念している。それに生成AIによりつくられた文章や、Youtube動画(の歌)など見てみたり読んでみたり、きいてみたりしていたが、中毒性があったりおもしろさというのは若干感じられたものの、その後につながる感動などが何もなかった。やはりAIというのはまだまだそんなものなのだろう。逆に安心した。
最近は飼育サイトであったり、あるいは釣り情報サイト、生物サイトにAIが多様されるケースも見られるが、やはりその内容というのは酷い、低俗なことばでいえば「ごみサイト」ばかりである。
最近存在が明らかになったAIサイトとして、「ZTMT」というサイトがある。気になった方はZTMTにドットネットとつけて検索してみてほしい。このサイトは「保護が必要な絶滅危惧種についての情報を提供し、生物多様性の保全の重要性を伝えています」と立派なことがトップページに記されているものの、その内容というのは酷い。文章は完全にAIによるものであり、琉球列島にのみ生息する魚について日本各地に分布するとか、怪しいものである。
写真の出どころについてもひどい。どの写真を見てもオリジナルのものが全くないのはこの手のサイトの常ではあるが、このサイトの写真についてはその出どころすら定かではなく、筆者のトウカイコガタスジシマドジョウの写真をふくめありとあらゆる生物が出どころすらあきらかにされぬまま掲載されている。
何の関係もない生物や、モデルさんの写真、さらには工業製品であるハサミなど生物ですらないものまで含まれている。もちろん生物の同定についてもがばがばであり、筆者の先述のトウカイコガタスジシマドジョウはなんとサンヨウコガタスジシマドジョウとして掲載されているのだ。これはこのトウカイコガタスジシマドジョウの写真を掲載している某魚類データベースが亜種の表記をやめて、サンヨウコガタスジシマドジョウもサンインコガタスジジマドジョウもヨドコガタスジシマドジョウもビワコガタスジシマドジョウも、そして我らがトウカイコガタスジシマドジョウもすべて「Cobitis minamorii」として掲載されているからなのである。しかしながらほかにも誤同定が散見され、昆虫類はとくに酷いというが、筆者は昆虫のひとではないので、それについてはわからない。
そんなオリジナル要素が乏しい、大量生成された内容で、申し訳ないが価値が高いとは言えないサイトであるものの、その目的は何かというと、筆者は広告収入であると考えられる。上記のような状態なので当然ながらGoogleのアドセンスには合格などできないであろうが、なぜかアマゾンアフィリエイトには合格しており、「このサイトについて」の中にその旨の情報が出ている。しかし「このサイトについて」の中身はこれだけである。あまりにも乏しく悲しいものだ。というかほかのサイトの画像をパクってそれでお金儲けをするというサイトやSNSが増えてきた。Facebookページの「美渚ちゃんの釣り日和」は相変わらずであるし「釣り日々」というページも台湾・香港人が運営しているが相変わらず他者からのパクリコンテンツで構成されオリジナルのものが何一つない。今後生成AIのサイトはさらにたくさん出てくることが予測されるが、AIはほかのサイトをまとめて書くだけなので、オリジナル情報サイトからのパクリがさらに増えれば、オリジナル情報サイト運営者はそれに嫌気がさし、オリジナル情報のサイトはどんどん減っていくことになるだろう。そうなればウェブサイトやウェブログは(とくにパーソナルなサイトは)絶滅していく可能性がある。AIが個人サイト&ウェブログ文化を滅ぼそうとしている。