魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

アカハタ

2024年01月31日 08時26分33秒 | 水中写真

こんにちは。明日から2月です。

高知県でよく釣れるハタ科の魚、といえばオオモンハタやヤミハタ、そしてこのアカハタ属の、属標準和名の由来にもなっているアカハタ。アカハタは高知県ではふつうにみられるのだが、2023年にはものすごくたくさんの個体が見られた。釣りではオオモンハタのほうが多いのだが、浅いところではアカハタとヤミハタのお祭りであった。潜っていても例年にないほど多数みられたが、それに伴い、2022年に底を埋め尽くすような勢いだったソラスズメダイは昨年はだいぶ数が少なくなっていた。

こちらは2022年に撮影した、大きなごろた石の下にいたアカハタ。後ろにはカサゴ、手前にはキリンミノの鰭が見られる。このポイントではソラスズメダイが多かったが、だいぶこれらの魚の餌になったのだろう。

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ロクセンスズメダイ

2024年01月30日 09時09分09秒 | 水中写真

忙しいので、水中写真でゴマかすことに。

さて、ロクセンスズメダイであるが、これはこの間テンジクスズメダイの幼魚が見られた内湾である。ロクセンスズメダイは清浄なサンゴ礁域の魚というイメージがあるが、濁った湾にも生息している。尾鰭の「シザーステイル」と、背中が黄色くないことで遠くからでもオヤビッチャではないことはすぐにわかるというもの。なお中央にいるのはソラスズメダイの幼魚である。これはどこでもいるが、この浅場にはソラスズメダイ属は本種しかいない。ナガサキスズメダイは、もう少し深い場所に多くいる。

高知だとあちらこちらで本種とオヤビッチャが群れている。この2種はほんとに、どこでも見られるが一部の防波堤ではロクセンスズメダイはテンジクスズメダイに置き換わる。またロクセンスズメダイも幼魚はロープやブイについているが、オヤビッチャと比べると数は多くない。これらの魚の前にオキアミとサヨリ針を落とすとすぐに食いついてくる。

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カッポレ

2024年01月29日 08時16分09秒 | 魚紹介

ついに手に入った魚。アジ科・ギンガメアジ属のカッポレである。これまで何年も探してきた魚であり、とてもうれしい。

この魚は突き漁で漁獲されたもので、体側に大きな傷がついているが、これは耳石を壊さないようあえてこの部分を狙っていただいたものであり、心遣いがうれしい。また事情により獲ってからどうしても日数がかかってしまうということで、内臓も抜いてくれていた。漁獲していただいた方に感謝です!

分布域は三大洋に及ぶが、とくに海洋島の周辺に多いようである。日本では伊豆-小笠原諸島、琉球列島でそのほかではまれである。大西洋ではサンゴ礁域の深場でもそこそこ見られるらしい。ポイが記載していることからもわかるように、タイプ産地は大西洋のキューバである。おそらく一生を海域で過ごし、ギンガメアジやロウニンアジのように河川に入るようなことはないと思われるものの、幼魚の個体が得られていないらしく、どのような一生を送るのかわかっていないところもある。成魚はほかのギンガメアジ属とは高い鰭、黒い稜鱗(ぜんご、ぜいご)、などによって容易に識別できるだろう。しかし幼魚はどんなものかわかっておらず、したがってギンガメアジ属のほかの種との識別は容易ではない。

かつてカッポレによく似たものに、クロヒラアジCaranx ishikawai Wakiya, 1924というのがいた。これは現在ではカッポレのシノニムとみなされている。背鰭と臀鰭前部葉状部が長く、尾鰭上・下葉が長く、またカッポレと比べると歯が大きいとされている。歯の写真を撮ってみたが、クロヒラアジの原記載文献にアクセスできていないので、違いは分からない。なお、再びこの種が有効種とされても、この魚に「クロヒラアジ」という標準和名をつけることはできない。クロヒラアジという種標準和名は、別の種のアジの標準和名となっているためである。

伊豆・小笠原諸島、琉球列島などでは食用になり市場に出るものの、九州以北での流通はほとんどなく長いこと入手することはできていなかったものであった。今回のカッポレの身はご覧の通りで、よく脂がのっていた。刺身とカルパッチョにして食べたが、どちらも美味しかった。

なお、このカッポレを入手したことにより、日本産のギンガメアジ属をすべて入手、すべて食したことになった。しかしながらイトウオニヒラアジ、オニヒラアジ、カッポレの3種の幼魚は入手できておらず(そもそもカッポレの幼魚がどのようなものなのかもわかっていない)、逆にカスミアジの青い斑点が多数入る成魚は入手出来ていない。まだまだギンガメアジ属をめぐる旅は続きそうである。

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カスミアジ

2024年01月28日 11時26分35秒 | 魚紹介

まだまだ寒いですねー。

ということで(どういうことだ?)、今日は南国のアジ科魚類のご紹介。スズキ目・アジ科・ギンガメアジ属のカスミアジ。カスミアジは以前入手していたし、ぶろぐにもアップしていたのだが、個別記事がなかったので今日アップ。トップ画像の個体は若魚である。

カスミアジの特徴としては体中に青黒い斑点が散らばることであるが、これは成魚で出ることが多いものの、このような若魚ではまだ見ることができない(ただこの個体では数個の黒色斑が数個ちらばっている)。また背鰭・臀鰭・尾鰭が鮮やかなブルーになることも特徴であるが、写真の若魚ではまだこれらの鰭は青い、というより黒っぽい。しかし写真からは背鰭軟条部基部に鮮やかな青い線が入るのがわかるだろう。ギンガメアジやオニヒラアジよりも鮮やかな種といえる。なおFishbaseのコモンネームBluefin trevallyはこの鰭の色彩に由来する。

胸鰭は黄色みをおびる。これは成魚だけでなく、若魚や幼魚でも顕著な特徴である。ギンガメアジの幼魚とはこの点で見分けることが多い。また体側にもギンガメアジなどの幼魚に見られる横帯は見られない。本州~九州に見られるギンガメアジ属の幼魚では最も識別が容易な種といえそうである。また、ギンガメアジとは稜鱗(ぜんご、ぜいご)は明瞭に黒くならないことで区別することができる。

カスミアジは熱帯海域ではシガテラ毒を有することがあるとされているが、日本では沖縄では食用魚として重要である。またルアーフィッシングでの対象魚であり、大きいものであってもサンゴ礁の浅い場所でもルアーをよく追う。九州以北ではそのくらいの大きさのものは釣れないが、浜辺から小型のルアーを追いかけてくる。またサビキ釣りで釣れてくることもある。幼魚はほかのギンガメアジ属同様「めっき」と呼ばれる。日本では関東近辺の太平洋岸~琉球列島に分布し、海外では紅海・南ア~メキシコ西岸までのインドー汎太平洋に分布している。

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フチドリスズメダイ

2024年01月27日 20時40分01秒 | 魚介類飼育(海水)

今日は飼育しているスズメダイの仲間のご紹介。スズメダイ科・クロソラスズメダイ属のフチドリスズメダイ。フチドリスズメダイは八丈島にもいるようだが、一般的な分布域は琉球列島以南。全長10cmにもなる種である。今年4月に南の島の潮だまりで採集した個体。

基本的にクロソラスズメダイ属はサンゴ礁域の浅いところに生息し、主に付着藻類を捕食している。このフチドリスズメダイの幼魚もそうである。この個体を採集した場所は水深50cmほどのタイドプールで、網を二つ構えて追い詰めるようにして採集した。浅い潮だまりであってもちょこまかと動くので、なかなか採集が難しい。この場所ではフチドリスズメダイのほか、アイスズメダイもいるのだが、アイスズメダイの幼魚は全身が黄色であるためフチドリスズメダイとの見分けは容易。セダカスズメダイという種にもよく似ているが、セダカスズメダイは背鰭の縁辺に黄色斑がなく、胸鰭基部の大きな暗色斑がないので見分けることができる。

これほど小さいのが4月にもう出現しているというのは驚かされる。ほかには黄色い体に青い線のミヤコキセンスズメダイなども見られるのだが、ミヤコキセンスズメダイは幼魚カラーであってもある程度大きくなっていたのに対し、この個体は小ぶりで、生後数か月程度と思われた。そうなると早春から産卵しているのではないかとも考えられるのであるが。ただ、同属のクロソラスズメダイも同様に極小サイズの個体が2010年4月末に出現していたのを採集したことがある。なお、フチドリスズメダイはクロソラスズメダイと同じ場所では採集したことはない。フチドリスズメダイは主に荒磯のタイドプールに多いのに対し、クロソラスズメダイは内湾の枝サンゴ域に見られることが多い。なおクロソラスズメダイは「Farmerfish」とも呼ばれ、死サンゴについた藻類を育てることが知られているが、本種はどうであろうか。

飼育については別にどうということはない。しかしスズメダイ科の幼魚というのは混泳には注意が必要である。スズメダイ類は性格がきつく、他の小型の魚を攻撃することもあるからである。その一方でほかの魚に攻撃されると弱いのもまたスズメダイ科の幼魚の多くの特徴である。クロソラスズメダイの幼魚は丈夫な気もするが、意外にも弱い性格であった。餌は藻類食魚向けの万能フードである「海藻70」だけでなく、「メガバイトレッドS」や「シグマグロウ」なども与えている。なおバックの海藻はサボテングサの一種で、年末館林のアクアリウム店「チャーム」で購入したもの。昨年4月に訪れた南の島ではミドリイシやカメノコキクメイシだけでなく、かなりの数のサボテングサが見られた。それを再現したものである。

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