魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

深海魚18.チゴダラ

2009年05月31日 20時34分50秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

タラ目チゴダラ科の深海魚、チゴダラPhysiculus japonicus   Hilgendorfの紹介です。

チゴダラの仲間は日本から18種類が知られていますが、水産資源上重要な魚種は少なく、このチゴダラや浅い海に見られるエゾイソアイナメくらいのものです。

本種はエゾイソアイナメのシノニム(異名同種)として扱われることがありますが、眼の大きさと吻長の比などで区別します。

本種は150~650mの深さに多く見られる深海性の種です。本種は悪食な種であり、甲殻類や魚類などを大量に捕食します。

底曳網や深海釣りではよく見られるもので、重要な食用魚です。北方ではエゾイソアイナメはドンコと呼ばれて親しまれます。

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深海魚17.トガリツノザメ

2009年05月30日 17時38分27秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

今回紹介するのは深海性のツノザメ科魚類トガリツノザメSqualus japonicus Ishikawaです。トガリツノザメは水深100~300mくらいに多く生息します。

ツノザメ目魚類の分類には諸説あります。

1.ツノザメ科のみとする考え(中坊徹二編(2000)など)
2.ツノザメ目の中に、アイザメ目・ヨロイザメ目を含める考え(Fishbasなど)

ここでは1.の説に基本的に従っています。

ツノザメ科は日本で2属8種、世界で2属28種が知られています。ツノザメの仲間は成魚でも全長180cm以下と小型の種が多く、人を襲うことはないようですが、2つの背鰭の前に大きな毒棘があり、危険なサメのグループといえます。

ツノザメ属Squalusはリンネにより1758年に提唱されました。最も古くからある魚類の属名の一つといえます。このうちの1種のアブラツノザメはほぼ全世界の海域に分布し、ヨーロッパでも馴染みのあるサメだったといえます(日本にも分布)。しかし乱獲が進み、絶滅の危機に瀕しているものとされます。

本種の資源状況は不明ですが、ツノザメ類は妊娠期間が長いものが多いため、資源量には注意する必要があるといえます。

トガリツノザメはその名の通り吻が長く、体は一様に灰褐色であることで他のツノザメ属魚類と区別できます。底曳網で漁獲され、練り製品の原料になります。

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深海魚16.カゴマトウダイ

2009年05月29日 19時07分01秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

深海性の魚であるカゴマトウダイCyttopsis rosea   (Lowe)です。

日本産のマトウダイ目魚類は12種類が報告されており、そのうちトロール漁業では深さによっても異なりますがだいたい5~6種類が確認できます。

その中には重要食用魚であるマトウダイ(通称モンダイ)も含まれますが、あとは小型種で、漁獲されても普通は棄てられてしまいます。

このカゴマトウダイもそんな魚種です。本種はマトウダイ科に含まれ、マトウダイと同様、伸縮性に富む口の形状ですが、色彩は赤っぽく、背鰭棘は長く伸張しません。全長は凡そ20cmと小型種です。利用はされないか、されても練り製品の原料となる程度です。私はまだ食してないので、味についての言及は出来ませんが、来月中には食べてみたいと思います。

深海性のマトウダイ目魚類には形状がユニークなものが多く、また近々このブログでも紹介してみたいと思います。

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5月28日は・・・

2009年05月28日 16時26分52秒 | 魚介類採集(海水)

2009年5月28日でこのブログは3周年を迎えました♪これからもお付き合いよろしく願います。

写真は今日から水槽に仲間入りとなったオトヒメエビです。色彩も赤と白で「おめでたい」感じもばっちりというエビです。

本日は深海魚特集、お休みです。まだまだたくさん紹介する魚がありますので、明日をお楽しみに!!

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深海魚15.ギス

2009年05月27日 15時25分28秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

今回登場していただく深海の魚は、ギスPterothrissus gissu   Hilgendorfです(キスとは違います)。この個体は水深270mから採集されました。

ギスは、ソトイワシ目ギス科に属する魚です。ソトイワシは四国では殆どなじみがないですが、琉球列島では浅瀬からの投げ釣りでつれるそうです。

種数はわが国から知られるギス科魚類は本種1種のみ(世界でも2種)、ソトイワシ目全種含めてもわが国には3種(世界でも10種)しかいないという、小さなグループです。

英名はLongfin bonefish、長い鰭のソトイワシ、という意味です。ギスの背鰭はソトイワシよりも長く、軟条数も多くなります。Fishbase(※)による英名はJapanese gissu、「これはそのまま日本のギス」という意味です。

本種では葉形仔魚期を経て変態して成長するという特徴があります。これはソトイワシ目全体にあてはまるようで、他にカライワシ目魚類やウナギ目魚類も同じように変態し成長します。四国ではアナゴ類の葉形仔魚を「のれそれ」と呼び、生で食べます(美味しい)

ギスの成魚は高級練り製品の原料として使われています。

※Fishbaseではギスをソトイワシ科に含めていますが、ここでは日本産魚類検索に基き、独立の科として扱います。

 

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