魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

原色日本大型甲殻類図鑑

2018年01月28日 21時57分23秒 | 書籍

最近よく読む本といえばこれ。この本で大型甲殻類(エビ・カニ)のお勉強。1980年代の古い本なのですが、なかなか甲殻類はよい本が少ないのです。まだ昆虫や貝のほうがよいものがそろいそうな感じがします。

淡水魚水槽の方は水が妙に匂うな、とおもっていたらタニシがお亡くなりになっていました。あと数週間で我が家に来てから1周年だったので残念。

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チカメエチオピアふたたび

2018年01月24日 10時01分22秒 | 魚紹介

昨年の今頃にシマガツオ科のチカメエチオピアという魚に初めて出会うことができたのだが、この間再び出会うことができた。前回も述べたようにチカメエチオピアは南方系の魚であるが、この時期には日本海でよく見られるようだ。この時期の日本海では本種のほかにもシマガツオやらツルギエチオピアなどもよく漁獲され、リュウグウノヒメなども獲れたりする。リュウグウノヒメは10年間も見ていない幻の魚。

前回は京都府で獲れたものであったが、今回はお隣の福井県産。福井県では以前オニテングハギも漁獲されたりするなど、意外と熱帯性の大型魚があがる「穴場」といえそうである。

何にしても美味しいが、刺身は程よく脂がのっておりかなり美味なもの。

煮つけ。これもかなり美味しい。

煮つけにするときに採集した、「鯛の鯛」ならぬ「チカメエチオピアのチカメエチオピア」。肩甲骨と烏口骨。今回のチカメエチオピアはTwitterのフォロワーさんからのいただきもの。ありがとうございました。最近はFacebook絡みの人から魚をいただいたり購入するよりもTwitterのフォロワーの方から魚をいただいたり購入することが多いように思える。

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ヤマトシビレエイ改めツキミシビレエイ

2018年01月19日 11時37分17秒 | 魚紹介

以前このぶろぐで「ヤマトシビレエイ」という記事を書いた。ヤマトシビレエイはやや深場に生息するシビレエイの仲間。

しかしこの写真の個体はどうやらヤマトシビレエイとは別種であることがわかった。ヤマトシビレエイに近縁のツキミシビレエイTetronarce formosa (Haas and Ebert, 2006)のようである。ツキミシビレエイは学名種小名にformosaとあるように台湾産の個体をもとに新種記載された種で、台湾固有とされていたが、最近の論文で南日本の太平洋岸に広く分布していることがわかった。

ツキミシビレエイの尾

体盤が楕円形であること、背面が紫がかった暗色であること、尾鰭後縁が湾入しないことにより、それぞれ円形、黒褐色、湾入するヤマトシビレエイと見分けられる。その論文にはヤマトシビレエイの写真も掲載されていたが、確かに円形の体盤と、三日月状の尾鰭が独特である。

また分類タクソンの標準和名や一部学名も変更された。従来ヤマトシビレエイ属の属学名はTorpedoとされたが、従来はTorpedoの亜属であったTetronarceが属に昇格しており、ヤマトシビレエイ属の属標準和名がTetronarceがあてられる。ヤマトシビレエイ属の魚はヤマトシビレエイ、ツキミシビレエイのほか、ゴマフシビレエイの計3種が日本に分布する。世界では太平洋、東インド洋、大西洋に分布しおよそ12種が知られる。Torpedo属は東大西洋と西インド洋にのみ分布しており、計11種が知られている。

またシビレエイ目そのものの分類体系も変更されていて、魚類検索第三版では日本産シビレエイ目をすべて1科(シビレエイ科)にまとめていたが、タイワンシビレエイ科、シビレエイ科、ヤマトシビレエイ科の3科に分けられ、新しい標準和名がついた。タイワンシビレエイ科やヤマトシビレエイ科は確か「日本の海水魚」でもそうされていたが、今回の新しい論文により新称がつくまでは「勝手につけていた」ということなのだろうか。

文献

萬代あゆみ・松沼端樹・本村浩之.  2017.  日本初記録のヤマトシビレエイ科魚類ツキミシビレエイ (新称) Tetronarce formosaと本種の標徴に関する新知見, および近縁種との形態比較. 魚類学雑誌, 64:157-170.

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久々にマコガレイを食す

2018年01月18日 12時30分38秒 | 魚紹介

今年初めてスーパーで購入した魚はこのマコガレイであった。全長40cm近くの大型個体。マコガレイという名前であるが「真子」はなかった。宮城県産。分布域は北海道~九州西岸。九州東岸のうち大分県日出で獲れるものは「城下ガレイ」として有名だがそれよりも下、宮崎県まで下ると会えなくなる。

マコガレイは2013年以来、4年半ぶりくらいに食べる。近縁種であるクロガシラガレイは2015年にも食した。思えば昨年はカレイ科の魚を1回しか食べなかった。しかも年初のツノガレイである。

カレイの調理方法はワンパターンになりがち。唐揚げにして食べたが今回のはえらい肉厚の個体。刺身にして食べてもよかったかもしれない。小ぶりの個体は大体唐揚げで食する。2年前のウロコメガレイ、コガネガレイ、スナガレイなどは美味しかった。大きめのものは煮つけが美味しい。イシガレイやメイタガレイ、ヌマガレイなどは煮つけが一番うまい。

 

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ツマジロがやってきた

2018年01月13日 22時48分43秒 | 魚紹介

今週は我が家に魚が色々届きました。まずはこちら。

メジロザメ目・メジロザメ科・メジロザメ属のツマジロ。

ツマジロはメジロザメ科のサメで、全長3mにもなる大型種。日本沿岸にもメジロザメの仲間は多くの種が生息しているが、このツマジロは暖かい海を好むためか、日本においての生息域は主に琉球列島のサンゴ礁域に限られるようだ。海外では東アフリカ~中央太平洋の熱帯海域に分布する。

メジロザメ属なので鋭くて強い歯をもち、大きいものは潜在的な危険性があるため注意が必要、とされているが、近づきすぎなければ危険はないようだ。本種はダイバーにもお馴染みのサメだというが、なかなか日本ではお目に罹れないのではなかろうか。「魚類写真資料データベース」にも掲載されていない。今回の個体は喜界島産で、全長1mもない幼魚。釣りにより漁獲されたものを「がほー」さんに送っていただいた。ありがとうございました。

ツマジロの特徴は背鰭などの鰭の先端や縁が白くなること。よく似た名前のツマグロは英語でBlacktip reef sharkなどと呼ばれており、観賞魚の世界でもこの名前で呼ばれ、標準和名で呼ばれることは多くない。ツマグロは日本では稀な種であることも一因だろうか。ツマグロはBlacktipだから、ツマジロはWhitetipなのだろう...と思ってしまいがちだが、Whitetipは主にネムリブカのことを指し、本種は英語名ではSilvertipという。「シルバーチップ」というと、昔むかし、熱帯魚にはまっていたときに飼育していたカラシンの一種ハセマニアのことを思い出す。ハセマニアもツマジロ同様に鰭の先端が白っぽくなるのが特徴だ。

メジロザメの仲間はフライなどの料理やかまぼこの原料としても利用されるのだが、残念なことにこの個体は若干鮮度が落ちてしまっており、食用にはできない。現在冷凍しており、どこへ送ろうか思案中である。ツマジロはそれほど同定は難しくないのだが、メジロザメの仲間などの大型サメ類は標本がないと同定が難しいことが多い。同定のためにはどうしても個体を残しておく必要があるのだ。そのため標本をのこして、同定に必要な部位がチェックできるようにしてほしい。とくに小ぶりのものは標本として残しておくことを強く勧めたい。

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