魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

結局開催「キンギョの放流」

2016年07月30日 22時44分29秒 | 環境問題

生態系に影響と批判も・・・金魚の放流イベントを「通常」開催(関西テレビ)

結局河川にキンギョを放流するというとんでもないイベントが強硬開催されてしまった。今回は下流に網を設置して対策する旨述べていたが、結局キンギョが逃げさえしなければ問題ないということらしい。キンギョには雑菌や寄生虫の問題もあるし、外来生物(キンギョは中国原産のフナを改良し日本のものとは異なる)を簡単に野に放つということはとんでもなく恐ろしいことなのである。

「生態系に影響はない」と主張している人もいるが、そういう方はぜひ生物の調査をしてほしい。おそらく、短期間であれば目に見えて問題とわかるような結果はでない。しかしそのあと寄生虫や病気など、大きな問題が発生するかもしれない。

「川遊びは楽しいしキンギョを捕まえるのも楽しい」という方は、川で遊び、キンギョではなくその地域在来の魚を採集して楽しんでほしいものである。もしキンギョを放流して掬うイベントを開催したいのであればこういう河川ではなく、大きなプールのような場所でやればよいだろう。(中和した)水道水を流して水も河川ではなく下水道にながせば、影響はほとんどないだろう。

ちなみに今回のイベントを批判したら「共産党」だの「シーシェパード」などと言われた。今後は「鯨肉を食べるシーシェパードメンバー」を名乗ることにしたい。

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ヘビギンポ

2016年07月24日 15時50分32秒 | 魚紹介

5月に喜界島で採集してきた魚。この魚はスズキ目・ヘビギンポ科・ヘビギンポ属のヘビギンポという魚である。

魚の背鰭は1基、または2基のものが多い。しかし世の中にはミズウオダマシのように背鰭のない魚もいれば、逆にタラの仲間のように背鰭が3基ある魚もいる。

マダラ

ヘビギンポの仲間もタラ科と同じく、3基の背鰭を持っている。一方タラ科の魚は臀鰭もふたつに分かれているのに対し、ヘビギンポの仲間は基底が長い1つの臀鰭を有する。さらに大きさも全く異なり、タラ科の魚は50cmくらいなのにたいしてヘビギンポの仲間は大きいものでも20cm弱、日本では10cmを超えるものもいないのだ。ヘビギンポ科魚類の生息地はごく浅いタイドプールから深海にまで達するが、サンゴ礁の浅い場所に種類が多い。

潮だまりに生息するのはヘビギンポなど一部の種である。今回のヘビギンポは喜界島で採集したものであるが、青森県深浦以南の日本海岸、千葉県~九州までの太平洋岸、東シナ海、琉球列島と広域に分布しているのだ。しかしヘビギンポと呼ばれていても、地域によっては若干模様などが異なっており、将来は複数種に分かれる可能性がある。

2009年に高知県で採集したヘビギンポ

茶色っぽい体に複数の横帯と派手な色彩ではないが、雄の婚姻色は体が真っ黒になり、白い帯が目立って出てくるので面白い種ではある。写真は2009年に高知県で採集したものなのだが、フラッシュがかなり強くたけてしまい、背景が飛んでしまっている。古い写真で、あまりよい写真とはいえない。

ヘビギンポは磯採集でみつかることもあるが、あまり派手ではなく、目立たないので多くは無視される。しかしミヤケヘビギンポのように婚姻色の出た雄は派手なオレンジ色が出てくるのもあって面白い。水槽で飼育するのに持ち帰られることもある。しかし、ここで大きな問題が起こることがある。どうもヘビギンポというのは弱ったりすると、毒なのか、寄生虫か、病原菌か、もしくは水を悪くするような物質を出すことがあるらしいのだ。あくまでも「らしい」としているのは、まだ科学的に解明されていないからである。「ヘビギンポ 毒」で検索をかけてみても、それらしきものは出てこない。しかし、いくつかの可能性が考えられている。

1.今年の5月にバケツにこの種を入れていたら、翌日何種かの魚が死亡しているということに気が付いた。ヘビギンポの仲間が死亡し、ほかの魚も相次いで亡くなった。死亡した魚の鰓などは赤く鰓付近に寄生虫の確認もできなかった。唯一シマギンポの体に薄い膜がはっていたが、それ以外の魚には特に何もなかった。

2.2013年にこの仲間を飼育したら、何匹かほかの魚が死亡するということがあった。イトマンクロユリハゼや、イソギンポなどが死んでしまった。カクレクマノミに白点が少しついていたが、それ以外には何も病気は見当たらなかった。なおこの水槽では当時殺菌灯はつけていなかったが、以前はつけていなくても何も出てこなかったか、白点病が出た魚はそのうち白点が消えてしまっていた。

さて、いったいなぜ?

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ホシセミホウボウ

2016年07月20日 10時01分52秒 | 魚紹介

最近は魚の飼育ネタや昆虫ネタが多くなってきていた。だから魚を紹介するのは久しぶりになる。

この魚はホシセミホウボウという魚。スズキ目セミホウボウ科の魚種。「セミホウボウ」という名前から考えるとホウボウに近いのではないかと思われがち。

非常に大きな胸鰭を持っているところはホウボウに似ているが、ホウボウの仲間とは全く違うグループのよう。

セミホウボウとホシセミホウボウの違いは背鰭の様子。後頭部にある遊離棘と背鰭棘条部の間に小さな遊離棘があるのがセミホウボウとオキセミホウボウ。ないのがホシセミホウボウというが写真だけでは見分けがつかないことが多い。ホシセミホウボウの吻は短くややとがらないことで、本種に似ているトンガリセミホウボウと区別することができる。

また臀鰭には黒色斑も見られない。これも特徴であろうか。セミホウボウは臀鰭に目立つ黒色斑があるのが特徴。ただしこの黒色斑は薄くて消えやすいようだ。なおこの写真では臀鰭が薄らと黒くなっているがこれは背景のせいであろう。

臀鰭に黒色斑がないものにはもう1種、オキセミホウボウというのもいるが、吻は本種よりもさらに短いよう。ただしキチンと見分けたいというときは背鰭の様子も見るべきであろう。オキセミホウボウは先ほど述べたように後頭部にある遊離棘と臀鰭軟条部の間に小さな遊離棘がある。

魚類検索ではホシセミホウボウはホシセミホウボウ属となっているが、最近はセミホウボウ属にまとめられることが多い。確かに別属にするほどの違いもないように見える。セミホウボウ科はホシセミホウボウ属とセミホウボウ属のほかに、ニシセミホウボウ属という大西洋にのみ生息するものがあるが、現状この属はニシセミホウボウのみが有効とされている。この標本は確か神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能 宏博士のもとに送っている。この個体は2013年9月に鹿児島県沖で採集されたもの。(有)昭和水産のみなさまより。ありがとうございました。

なおセミホウボウの仲間は底曳網漁業だけでなく、釣りや定置網でも漁獲されている。定置網ではかわいい、小さな幼魚が採集される。観賞魚として人気があるが、あまり流通は多いとは言えない。

★おまけ

講談社さまから献本がありました(左の本)。

株式会社童夢の細居さま、橋谷さま、ありがとうございました。

このぶろぐの中のオオヒシマトウダイ、シキシマハナダイ、そしてアカドンコの写真を使っていただいております。魚を送っていただいた二階堂由美さま、潮崎友泰さま、シーフーズ大谷さま、ありがとうございます。私の「推し」ページはこじはr...ではなく146頁の共生ハゼのところ。子供向けですが、大人も楽しめる内容になっております。

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ゴマダラカミキリ

2016年07月17日 21時11分33秒 | 昆虫・クモ

 


我が家の庭の前に来ていた昆虫。ゴマダラカミキリです。


ピントがあっていませんが、かつて図鑑で見ていたシロスジカミキリ同様のおもしろい顔をしています。都市近郊にも生息する、お馴染みのカミキリムシ。

撮影が終わり外へ逃がそうとしましたが、その前に自ら飛び立っていったのでした。

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ジュウモンジサラサハゼ

2016年07月12日 16時16分18秒 | 魚介類飼育(海水)

この間購入した魚はシールズカーディナルフィッシュのほかにもう1種。

B-Boxアクアリウム(松戸)で購入したハゼ科の魚。サラサハゼ属のジュウモンジサラサハゼである。

サラサハゼ属はFishbaseによれば14種が有効とされている。このほかFishbaseでは別属扱いされているキンセンハゼの仲間2種を含めると計16種が知られている。このうち日本に分布しているのはキンセンハゼ、サラサハゼ、スフィンクスサラサハゼ、ワカケサラサハゼ、ホホベニサラサハゼ、エサキサラサハゼ、そしてこのジュウモンジサラサハゼの計7種で、他に未記載種と思われるものが知られている。ジュウモンジサラサハゼは日本では八重山諸島にのみ分布する種で、海外では西太平洋と東インド洋に分布している。生息環境はサンゴ礁域というよりは内湾の砂地に多いようだ。

サラサハゼ属の魚は砂の上をホバリングし、餌を捕食する際には口に砂ごと含み、鰓から砂だけを捨てるという食性をもつ種である。同じような食性をもつものはオトメハゼ属に代表されるクロイトハゼ属の魚や、カニハゼなどが知られている。このような食性のものはサンゴの上に砂をかけてしまうなどサンゴ水槽では入れにくい種もいるが、今回のジュウモンジサラサハゼは小型であるため、今のところはあまり影響はない。

ジュウモンジサラサハゼによく似たものにはホホベニサラサハゼやエサキサラサハゼなどがいるが、本種は尾部に薄い赤色斑があるのに対し、ほかの2種にはないこと、体側には橙色の縦線があるほか薄い横線もあるなどの特徴により見分けることができる。サラサハゼの仲間でも、本種のような薄い縦線が数本あるグループには未記載種もいるなど、まだまだ分類学的にはホットなグループであるといえよう。性格は温和だがタフ。シールズカーディナルフィッシュに脅かされても動じない。現在は一般のサンゴ水槽で飼育しているのだが海藻や海草を入れた水槽で飼育してみたいところだ。そうすれば餌となる微生物がわきやすいため飼いやすくなるだろう。ただ砂を掘るため海藻はいいかもしれないが、海草には影響があるかもしれない。

レインフォーズゴビー

サラサハゼ属の魚は観賞魚店に入荷することはすくない。サラサハゼやキンセンハゼ、キンセンハゼの近縁種であるレインフォーズゴビーはよく入るのだが、ほかの種はほとんどみない。ただしフィリピンの浅い砂地ではスフィンクスサラサハゼやブアンゴビーは多数いるようなので、ただ無視されているだけだろう。浅い砂地のハゼはほとんど来ない。この間のシールズカージナルフィッシュと同じく混じりものを探す「珍カラ」狙いと同じような楽しみがある、ともいえるだろうか。

魚はこの2種を購入したが、ライブコーラルも1種だけ購入している。それはまたいずれ。

 

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