魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

キンメヒメダイ

2014年03月28日 22時35分32秒 | 魚紹介

 
長崎のお友達 石田拓治さんからすごい美しい魚が届きました。フエダイ科・ヒメダイ属のキンメヒメダイPristipomoides flavipinnis Shinohara, 1963です。

キンメヒメダイはヒメダイ属(日本産は8種)の中でも、舌上には歯がなく、側線有孔鱗数は60前後、体側には目立つ斑紋がないという特徴により、オオヒメと非常によく似ております。

 
オオヒメPristipomoides filamentosus (Valenciennes, 1830)。長崎県産 
 
オオヒメは琉球列島のほか、伊豆・小笠原諸島、南日本の太平洋側 (神奈川県三崎以南) に広く分布する種類で、この間は高知県のすくも湾中央市場でもその姿を見ることが出来ました。一方、キンメヒメダイは沖縄県、小笠原諸島、吐噶喇列島などにみられる種類です。この2種は幼魚が非常によく似ており、もしかしたら神奈川や三重などでも採集されているかもしれません。ただしヒメダイ属魚類の幼魚の分類についてはまだまだ研究が必要でしょう。今回アップする見分け方は基本成魚の見分け方になります。
 
 
 
以後、上はキンメヒメダイ 下がオオヒメ、で統一します。キンメヒメダイの眼(虹彩)は鮮やかな黄金色であるのに対し、オオヒメはベージュというか、薄い黄色っぽい色になっています。ある程度差はありますが、同定のキーとして使用することができる形質とされています。
また、これらの写真にはもう一つ、同定のキーがうつっています。キンメヒメダイの後鼻孔は眼に近寄るのに対しオオヒメではやや離れております。これも魚類検索では別の言い方をしていますが、眼と後鼻孔の位置の関係は、同定キーの一つとなっています。
 
 
 
頭部背面。諸事情により、若干写真サイズが異なりますが、これも同定に使う形質のひとつ。これが一番わかりやすい形質でしょうか。キンメヒメダイの頭部背面には目立つ黄色い虫食い模様があるのに対し、オオヒメでは小さな斑点が多数あるのが特徴です。
 
最後に尾鰭。キンメヒメダイは尾鰭の後方が黄色っぽくなるのに対し、オオヒメでは赤みをおびております。ただしオオヒメでも幼魚の場合は黄色っぽいようです。
 
●食べよう~
 
 
お刺身。写真はやや薄目に切ったもの。これと厚めに切ったものの二つがありましたが、後者の方が美味でした。噛むと味が染み出るでしょうか。
 
 
白身の魚で色々な料理に使うことができます。洋風の刺身、カルパッチョ、などでもいけます。このほかカマの部分を焼いたのですが、これも美味でした。
 
石田さん、ありがとうございました!!
コメント (6)
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セトミノカサゴ

2014年03月25日 18時51分12秒 | 魚紹介

 

 
ぼろぼろですが、変わった魚。
 
先月トウジンや、ユウダチタカノハと一緒にはいっておりました、フサカサゴ科のセトミノカサゴParapterois heterura (Bleeker, 1856)です。

セトミノカサゴは和名の中に「ミノカサゴ」とあるように、フサカサゴ科・ミノカサゴ亜科に含められていますが、胸鰭に分岐する軟条があることから、胸鰭軟条が分岐しないミノカサゴ属の魚と区別することができます。背鰭棘はミノカサゴ同様細長く、それには毒があるとも言われておりますので、素手で触るときは注意が必要です。

 
眼の下(涙骨の下)に大きな皮弁があるのが特徴です。これは葉状になるようですが、残念ながら広げていないまま写真を撮影してしまいました。前鰓蓋付近からその前方に小さな棘が密集しているのが特徴的です。また頭頂骨には烏帽子状の隆起がなく、エボシカサゴとも区別できます。
 
 
胸鰭には青い斑点があり綺麗です。腹鰭は暗色で青い斑点があり、ホウボウ類の胸鰭を思わせます。古い本では「セトミノカサゴ属は本種のみが知られている」とありますが、現在は2種となってるようで、さらにセトミノカサゴとされてるものの中にも何種かいるようです。
 
大きい個体は20cmになるようですがこの個体は幼魚のようで、体長53mmでした。
 
 
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スポッテッドナイフフィッシュ

2014年03月19日 20時20分33秒 | 魚紹介

 
ご無沙汰していました
 
アロワナ目(オステオグロッスム目、コツゼツ目とも)・ナギナタナマズ科のスポッテッドナイフフィッシュChitala ornata (Gray, 1831)です。

スポッテッドナイフフィッシュは、同じ目にふくまれるアロワナやピラルクなどほどではないのですが大型になる魚で、原産地の東南アジアでは全長1m近くになるといわれております。ただ狭い水槽ではそれほど大きくはならないようです。体は非常に薄っぺらい感じです。

 
 
体側には大きな斑紋がありますが、その数や大きさ、形状などは個体や、大きさによって差があります。チタラ属は5種ほどが分布しますが日本の観賞魚業界では主に本種、ロイヤル・ナイフと呼ばれる種、そしてチタラ・ロピスの3種が流通しておりますが、斑紋の様子は3種で大きく異なっています。ロイヤルナイフは小さなスポットが広い範囲に入り、チタラ・ロピスは鈍い光を放つ黒っぽい色彩。
 
 
アロワナ目は「コツゼツ目」とよばれ、これは「骨舌」のこと。「オステオグロッスム」というのも、同様の意味のようです。アロワナの場合は舌に細かい歯がたくさんあり、やすりのようになっていましたが、スポッテッドナイフフィッシュの舌には、鋭い歯がまばらにありました。食性は肉食で、アロワナなどと同様小魚を捕食しますが、他の大型魚と一緒に飼育することもできるようです。
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ひと月以上も放置してすみません

2014年03月16日 23時35分38秒 | お知らせ
 
このブログを見ていただいているみなさん、ブログをひと月も放置しておりまして、もうしわけありません。最近は書くことがほとんどなくて、ブログもおろそかになっておりました。
 
さて、このブログは、プロパイダの運営するブログ・サービスのテンプレートを使用してきましたが、今度このブログ・サービスを終了するというのがアナウンスされており、ブログのデータを移植させる必要があります。問題は容量、このブログは2006年からやっておりまして、103.6MBもありました。これだけのサイズの容量でも大丈夫でさらに記事を追加することができる、しかもできれば無料がいい(広告などはあってもよい)、そうなると、うーん。どこに移転すべきか考えさせられます。
 
 
コメント (2)
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