魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

18年間の移り変わり

2024年05月28日 23時43分49秒 | 魚介類採集(海水)

5月28日である。ちょうどこのぶろぐが華々しくデビューを飾って(華々しくはないのだが)、18周年ということになる。つまりひとが、オギャーと産まれてから、成人するまでと同じ時間、椎名さんはこのぶろぐを書いてきたことになる。これまでに様々な魚がこのぶろぐに掲載されてきた。その中でも各年ごとに印象深い魚がいるものである。

このぶろぐを書きはじめた2006年はコスジイシモチと、キンセンイシモチが強く思い出に残ったといえる。前者は夕暮れの防波堤で、後者は昼間の磯で出会うことができたテンジクダイの仲間であるが、福岡ではほとんど見られないテンジクダイ科魚類が四国の沿岸では普通に見られるのが驚きであった。近場で竿を出せば、メジナの猛攻とおもいきやメジナはそれほど多くはおらず、夕暮れ時はネンブツダイやらクロホシイシモチが多く餌をとり、コスジイシモチまで見られるとは、すごいところだなと思ったものである。一方高知まで足を延ばせば黄色い線が美しいキンセンイシモチやら、コスジイシモチよりも縦帯の少ないオオスジイシモチやらが見られ、テンジクダイ類のパラダイスみたいなものだとも思ったものだ。

今では種類もかわり、四国南西部の浅場ではネンブツダイどころかクロホシイシモチさえも少なくなり、代わりにより南方性のカスリイシモチやら、バンダイシモチやらが見られるようになったが、まさかナミダテンジクダイ属の魚が四国で釣れるようになるなんて思わなかったものである。さらに2006年に採集したオグロテンジクダイに至っては、それ以降一度も見ていないし、スダレヤライイシモチも2021年を最後に見ていない。ここ何年かで、魚の種類が少しづつ以前と変わっているような気がする。

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四国採集2023

2023年11月14日 01時56分35秒 | 魚介類採集(海水)

先月末になりますが毎年恒例の四国遠征に。天候は3日間とも好天に恵まれ採集日和となりました。

いつもの潮だまり。タネギンポ、カエルウオ、シマギンポ、スジクモハゼなどの「いつメン」がお出迎えでした。潮だまりの「王」ことネズスズメダイやイチモンスズメダイもいましたが2種とも今回は採集して網に収めたりすることはかなわず。チョウチョウウオ科などの種類はもうある程度大きくなってこのプールからは巣立っていったみたいです。その後付近の潮だまりに大きなサンゴ岩を発見。そしてサンゴ岩の周辺に見覚えのある3本の白色線が見え・・・。

今年も出会えました、サザナミヤッコ。ただしサザナミヤッコの飼育は簡単ではなく、サンゴを食べられる可能性もあるのでお持ち帰りは断念。サザナミヤッコの奥に写っている魚はシマギンポ。このシマギンポは丈夫で飼いやすいのでお持ち帰り。

その後は近隣の漁港へ。漁港でぷかぷか浮いているところを採集しました。クロウミウマと思いきや、FacebookにアップしたところHirayama Sho氏よりオオウミウマではないか、とのこと。ありがとうございます。尾で物につかんだり、頭を掻いたりという様子を見て楽しんだ後リリース。この仲間を採集して飼育する、もしくはリリースするならば水から極力出さないように注意したい。そうしないと空気を吸って沈めなくなってしまうことがある。

その後も漁港やその近くの河川で釣りを堪能。小さな河川に大きな鱗のニシキゴイ、まさかこの河川にも入っていたか、と残念に思ったがよく見てみるとその正体はなんとヒブダイであった。ウナギ類などをのぞくとこれほどのサイズの魚をこの河川で発見したことがなく驚いた。ヒブダイは河川に数分とどまった後、海へと帰って行った。ただよく見たら痩せている。寄生虫でもついていてそれを落としにやってきたのだろうか?

このポイントではフエダイ科の魚やフグの仲間、ハゼの仲間などが見られる。河川では大量にボラ類が見られ小さなメジナがそれに混ざっている。小さな湾内ではヒメツバメウオなども年によりみられるが今年は見られず、そのかわりにかわいいカサゴが1匹だけ釣れた。泥底にすむからだろうか、カサゴの色彩は磯のもの(赤みがつよい)と比較して明らかに地味な褐色である。このポイントではほかにフグの仲間(セルフリリース)、そしてフエダイの仲間が見られたが、フエダイの方はまた後日改めてご紹介したい。

二日目と三日目は磯でガチ潜り&釣り。

この間このぶろぐでもご紹介したオニベラの子。コガシラベラなどと一緒にいたところを採集。

テンジクダイの仲間は潜っていても見る種数は少ない。例年少なくなっているように思う。キンセンイシモチとミスジテンジクダイが優先的で、たまにクロホシイシモチ。スダレヤライイシモチはいったいどこへ消えたのだろうか。ソラスズメダイも写ってはいるが、数は昨年と比べると明らかに少なく、毎年見るような「青いカーテン」と呼べるようなものではなかった。

岩の下をのぞけばキリンミノが。キリンミノは大きいのから小さいのまでたくさん見られた。ほかには昨年まではあまり見かけなかった小さなアカハタや、ヌノサラシもいた。ソラスズメダイはきっとこの魚たちの美味しい餌になったのだろう。

釣りの方ではいくつか美味しい魚を釣ることができた。ハタ科のオオモンハタは30~40cmサイズが何匹か釣れた。刺身にいいサイズである。ジグサビキの先端にキビナゴをつけて落とし込むという方法で色々ハタ類が釣れるが、大きく刺身でいけそうなのはこの種だけ。アカハタやヤミハタもつれたが、お持ち帰りはしていない。オオモンハタは持ち帰ってしゃぶしゃぶにして食べたがかなり美味であった。夜釣りでは面白い魚が釣れたので飼育用にお持ち帰り。この魚についてはまた後日紹介したい。帰りは宇和島市に用事があり、市内で一泊。翌日帰路に。

生かしてお持ち帰りした魚は無事に到着した。先述の面白そうな魚は写真にうつっているが、また今後改めてご紹介の予定である。

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高知遠征

2022年10月15日 10時21分14秒 | 魚介類採集(海水)

ほぼ毎年の恒例行事となっている、高知県への遠征へ。

到着してすぐの磯遊び。まずはいつものぞくタイドプールのチェックから。昨年はわんさかとネズスズメダイやイチモンスズメダイの稚魚が見られたプールでも、今年はこれらのスズメダイの数が少ない。ネズスズメダイがかろうじて数匹見られた程度。

ロウソクギンポは多数発見。関東沿岸で見られるナベカは、高知県の磯ではなかなか見たことがない。ここではナベカの代わりにその生態的地位に入っているのではないかとも思われる。岩の穴の中や、ヘビガイの仲間の殻に巣をつくる様子は、関東近辺のナベカそのもの。また、ロウソクギンポはカエルウオ族であるようだが、この族の魚はカエルウオやヤエヤマギンポなど、アルジーイーターが多いのに対し、ロウソクギンポはほとんどコケを食べてくれない。

2日目は潜っての採集。浅場ではツマジロオコゼや、初採集種のクラカケモンガラを捕獲する。網でモンガラカワハギの仲間を採集するのは、これがはじめて。かわいいのでお持ち帰りしようと思ったが、結局お持ち帰りせずリリース。ツマジロオコゼも肉食性で、飼育する際には生餌が必要と、めんどくさいのでリリース。潜っていると、驚きの出会いがあり、これで今日の素潜り採集はとりあえず終了。その後は釣りを楽しみ、現地の採集家「ばなんさん」さんとご対面。昨年もご一緒していただいており、一緒に採集するのは2回目。成果はそれなりにあり、シマハギやハクセンスズメダイ、ニセカンランハギなど様々な魚を採集しておられたが、残念ながらチョウチョウウオの姿はなかった。海でもトゲチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、チョウハン、トノサマダイ、そしてチョウチョウウオの5種は見られたのだが、数はいつもより少なかった。

ネズスズメダイは見られたのだが、ばなんさんさんによれば、「今年は出現が早かった」とのこと。あまりに早く来すぎて縄張り争いをしているうちに淘汰されてしまったのかもしれない。とりあえず、ネズスズメダイを掬うことができて満足。ただ、結構大きいサイズ。小さいサイズは2匹しか見られなかった。

ハクセンスズメダイは実質的には初採集。荒磯に生息する種で、穏やかな波の場所には少ないかもしれない。これは後日詳しくご紹介。

シマハギは今年は食したり採集したりと当たり年かもしれない。生かしてお持ち帰り。

3日目も潜っての採集。この日は魚は昨日ほどではなかったが、それでも様々な魚を採集することができた。潜っていて珍しいシコクスズメダイや、オビテンスモドキも見かけたのだが、これらの魚は入網させることはできなかった。

オトメベラは網で採集するのは久しぶりとなる。リリース。

ソラスズメダイ。飼育は極めてしやすいのだが水槽内では黒っぽくなりやすい。それだけならまだしも、争いやすく混泳もしにくいのでリリース。ほか、キンセンイシモチや、初採集種となるブチススキベラの稚魚を発見。ブチススキベラは小さいので、カエルウオ水槽で飼育することに。写真はまた後程ご紹介したい。

その後は釣りを楽しむが、雨が降ってきたので撤収。テリエビスなどを釣り、宿へと戻る。

最終日は朝は持ち帰る魚たちのために水汲み。きれいな水にかえて、良好な状態で魚を家まで運ぶのがミッション。防波堤で魚を撮影しようとしたのだが、残念ながら強風のためそれはほとんどできなかった。その後はお土産を購入したり、お世話になった高校へ行ったり、翌日早朝に帰宅。ほとんどの魚を無事に持ち帰ることができた。今年は昨年の遠征ほど天候には恵まれなかったものの、魚には恵まれた。「ばなんさん」さんからのお土産もあり、とても楽しい遠征となった。ありがとうございました。

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喜界島で魚釣り

2022年05月07日 21時56分46秒 | 魚介類採集(海水)

喜界島には早朝4時30分くらいに到着したと思う。現地で「がほー」さんと再会。まずは大きな港にて釣り。

ソウシハギ。私ではなく、同行のあららさんに釣れたもの。ソウシハギはよく知られているように、生時には非常にカラフルな模様が入る。残念ながら今回はリリース。南方で食用になるカワハギは本種かウスバハギが多い。

私は何も釣れなかったため、サビキ仕掛けに変更。すると・・・

チョウチョウウオが釣れる。

場所移動すると、今度はなんとトゲチョウチョウウオ。喜界島ではチョウチョウウオはあまりスレていないのかもしれない。このほかにナガニザが釣れるが、隆起サンゴ礁のせいで糸が擦れて切れてしまい仕掛け消失。しかたがないので磯遊びするもめぼしい収穫はなし。キオビスズメダイやレモンスズメダイといった初見の魚がいくつか見られたのは収穫といえるだろうけれど。

その後はいくつかのポイントを回った後夕方に宿へ。その後深夜に再び磯へ繰り出す。いわゆる「いざり」である。大きなシマハギに遭遇するも逃げられる。しかしここではテンジクダイの仲間やロクセンスズメダイに出会えるなど、いくつか収穫はあった。

2日目には島の北方へ。途中でヤギさんの大群と遭遇。

相変わらず釣果はあまり芳しくない。

オジロスズメダイ

サビキ釣りの仕掛けではなかなか難しいため、ウキ釣りに変更するも、あまりよいものはなく、タナゴ仕掛け。すると…

メガネスズメダイ

幼魚は見分けやすいが成魚ではどうも見分けが難しいのである。ほかセダカスズメダイが釣れるも、私にはこれらの魚だけ。ほかの人はミナミイスズミやミツボシキュウセンなどが釣れていた。

その後は島の数か所をめぐり竿を出す。ナガニザ、オジサン、カンモンハタが釣れるも写真には撮っておらず。

夕方宿のそばの防波堤で釣り糸をたらすとユカタイシモチ。この島では定番の魚だ。ほか奄美大島、石垣島でも釣っている。

 

3日目は昼、干潮時を狙って磯へ。

喜界島の磯はこのように隆起サンゴ礁。魚は逃げ場所・隠れ場所が豊富でなかなか採集が難しい。

サンゴは採集してはいけないのだが、その生息環境を知ることは、サンゴ飼育のヒントにもなるに違いない。ちなみにこのサンゴはハナガササンゴ。しかしウミキノコ類は減退が激しくちょっと心配になる。

初採集魚が2種類。そのうちの一種、オレンジ色のヒバシヨウジは美しいが、こんなの飼育できるはずもなく、即リリース。夕ご飯は島唯一の回転寿司屋さんでヤギの刺身と寿司を堪能。

4日目は最終日。島の北部で釣り。相変わらずオジロスズメダイが釣れる。カンモンハタが釣れる。ロクセンスズメダイが表層を舞う。この場所はこの3種の天下なのだろうか?そして足元を見ると巨大なウツボが悠々と泳いでいるが、釣れなかった。結局4日目は収穫もほとんどなく、船にのって喜界島を去ることになった。魚は渋かったが、それでも楽しい4日間であった。あららさん、がほーさん、いつもありがとうございます。

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フウライチョウチョウウオ

2021年11月18日 11時07分25秒 | 魚介類採集(海水)

この間の四国遠征で採集してきたフウライチョウチョウウオ。大きさは1円玉よりちょっと大きなサイズ。浅瀬には数多く見られ7月には採集しやすいが、8月を過ぎるとそれなりに大きくなってしまうため採集が難しくなる。この個体は10月に採集したものだが、あまり大きくなく、うまく採集することができた。

背鰭に黒い模様があるためトゲチョウチョウウオと間違えやすいが、フウライチョウチョウウオは体側後方が黄色いがその前方に暗色域があるのが特徴。またトゲチョウチョウウオとは黄色の色合いや、腹鰭の色彩も違うように見える。餌は積極的に摂餌するが、口が小さいせいかつねにものをつついていて、その後痩せて死んでしまうことが多いなど幼魚はチョウチョウウオの仲間としてはおとなしめなのでやや飼育しにくいように思える。餌をよく食うポリプ専食チョウチョウウオのほうが飼いやすいという疑惑も。ある程度育てば丈夫でほかのチョウチョウウオを追い回すようなこともあるという。どうもとらえるのが難しい性格をしているのだ。

我が家の水槽ではほかに大きな魚もいるし、サンゴ水槽もあるので飼育することができない。したがってリリースするしかない。

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