魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

宇和島へ戻ったことと、クロボウズギス?のこと

2010年12月31日 22時47分27秒 | 魚類耳石関連

23日から約1週間ほど、耳石の件で宇和島に戻っていました。

宇和島は寒く、数日は、雪も降っていました。朝、土は真っ白だったこともありました。今冬も去年同様、厳冬になるのでしょうか。

さて、今回の宇和島では変わったものをいろいろ見ることができました。

トラザメ科のナヌカザメCephaloscyllium umbratile Jordan and Fowlerの仲間です。しかし斑紋が少なく、某所で、研究中であるようなことを聞いております。どうなるか楽しみな魚です。

2.深海魚

上(ap.):ヒガシホウライエソChauliodus macouni Bean
下(lo.):ホウライエソChauliodus sloani Bloch and Schneider

運よく、なかなかお目にかかれないような、中-深層の魚なども見ることができました。この2種は牙状の歯をもち、その長さや、発光器の形状などで区別できます。

3.珍魚

今回も、私が同定困難な魚種と遭遇することができました。

この魚です。マグロの胃の中から出てきました。

魚類検索の科の同定では「スズキ目 クロボウズギス科」に行きました。この仲間はアジ科やサバ科などを除き、スズキ目としては珍しい?中深層遊泳性の魚です。

発光組織があります。このことから、この種はおそらくクロボウズギス属に当たると思われるのです。

しかし、ここからが難しい。

吻端にくぼみがあり、「ウロコクロボウズギスPseudoscopelus scutatus Krefft」で確定!と思いきや、第1背鰭両側の、骨質板列がありません。一体、この種は何物?どなたか、お教えください。

今年ものこり1時間弱となりました。来年も、私や皆様が多数のお魚とめぐりあえますように。

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今年度総括

2010年12月30日 16時10分28秒 | シーズン総括

2010年もあと二日。ここで今年の総括をいたしましょう。

●海況

今年海ではみなさん色々な魚を採集されていますが、私はあまり多くの魚種にめぐり合うことはできませんでした。しかも9月以降はろくに海に行かず・・・こんな年は初めてです。

5月のゴールデン・ウィークには喜界島オフで魚を多種採集しました。イレズミハゼ、ホソスジナミダテンジクダイ、トビギンポ、オニダルマオコゼなど初魚種も多かったです。また、みなさんとオフでお会いするのがたのしみです。

一方高知での採集はいまいち・・・しかし魚種という面でははつの採集となる、ナメラベラなどを採集することもできました。

11月には天草オフにも参加。カエルアンコウ・キジハタを初めて釣り、イソギンポ科のホシギンポなども採集することができました。

●新場所開拓

新規開拓ポイントとしては、高知県土佐清水市方面にもいいポイントを発見、2か所ほど開拓しました。また喜界島でも網を入れたら面白そうな場所が多数あり、来年はいくつかピンポイントで攻めたいとも思います。

●引越し

これがなければもっと多くの魚を採集できたとおもうと残念です。

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ハタタテハゼ

2010年12月22日 14時31分00秒 | 魚介類飼育(海水)

我が家の水槽にはハタタテハゼNemateleotris magnifica Fowlerがいます。

ハタタテハゼは色彩が美しく、飼育しやすいため、観賞魚店でもよく販売されていますが、意外と争うので、単独かペアもしくは、大量に飼育しないと、喧嘩で悲劇が起こることもあります。

この個体は飼育中の個体を購入した日に、観賞魚店での死亡個体を譲っていただきました。

鰭を広げてみたのですが、やはりぼろぼろ。。。おとなしいように見えて、結構喧嘩するのです。

水中ではこの背鰭をぴんっ、とはり、ふわふわとホバーリングしていることが多いですが、物音を察知しますと、すぐ岩の下などの隠れ家に籠ってしまいます。

腹鰭は吸盤状になっていません。遊泳に特化したハゼということがいえるでしょう。この仲間は従来はオオメワラスボ科クロユリハゼ亜科としていましたが、現在ではクロユリハゼ亜科はクロユリハゼ科という、独自の科にしていることが多いです。

日本からは4属21種が正式に報告されていましたが、近年新たにクジャクハゼや、モモイロカグヤハゼなどが新種として報告され(後者は新属で、カグヤハゼ属という属名も提唱された)、さらに水中写真でしか報告されていない種もおり、今後も種数は増えていくものと思われます。

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柳橋中央市場へ

2010年12月18日 12時55分49秒 | 魚市場

 

今朝は柳橋中央市場へ行ってまいりました。仲買さんが、たくさんのお店を出しておられ、一般の方も自由に生鮮食品(乾物もありますが・・・)を購入することができます。(月~土、営業)

 

朝7時29分。取扱品目は看板をみればお分かり、魚・野菜。他精肉、花。

柳橋・・・といえば、博多の柳橋市場がYahoo!の検索で上位にきますが、名古屋にもあるのです。

こちらは活気に満ちた市場内の様子。このあと、携帯電話を忘れ、取りに車に戻ることに。

ネズッポ科2種

上:ヤリヌメリRepomucenus huguenini (Bleeker)

下:ネズミゴチRepomucenus curvicornis (Valenciennes)

愛知県の三河湾で行われる、小型底曳網漁業の産物です。愛媛では、ホロヌメリとヨメゴチしか見られなかったので、眼を養うにはよさそうです。

クロソイSebastes schlegelii  Hilgendorf

北海道産。フサカサゴの仲間は他にもいろいろと有りましたが、北方産種は少ないです。

スケトウダラTheragra chalcogramma (Pallas)

北海道産。マダラは市場でもよくみて、大型のものがどーんと、ならんでいますが、この種はやや小型でした。知床沖の釣りで獲れたもので、口の中に釣り針がありました。

ケムシカジカHemitripterus villosus (Pallas)

カジカ科はみたところ市場にはほとんどなく、1つの店だけにあり、そこではこのケムシカジカと、活けのギスカジカとおもわれるものを扱っていました。棘数が多く、皮膚の感じも、まるでギスカジカなどとは違うような。

シラウオSalangichthys microdon Bleeker

これは青森産だそうです。前に京都の錦市場や、同じく中央卸売市場では、淡水魚を扱うお店もありましたが、ここでは海水魚を扱うお店にも、フナや、モロコが置いてありました。

マダラGadus macrocephalus  Tilesiusの白子

これが一番高く、2500円なり。今回使用金額は、樋口さんおひとりでほぼすみましたので、半分近くを占める計算になります。

●中央市場

中央市場といえば、「一般客を相手の商売はしない」ようなイメージを持つ方も多いかもしれませんが※、そんなことはなく、この柳橋中央市場では、私のような一般客相手にも、非常に親切な対応をしていただきました。市場内には、おじさん、おばさんだけでなく、若いヒールをはいた女の子もおりましたし、学生のような方もいました。日本の魚食文化を後世に残していくためには、このような若い客層をターゲットにしないといけません。

※ちなみに京都の中央卸売市場では仲買さんのブースにも、「小売りは致しておりません」と、でかい垂れ幕がかかっていました。こんなのでは、いけないのです。

●魚の種類

しかし、魚の扱いの幅は、私が想像したほどには広くなく、養殖物のブリやマダイ、それからマグロが多くの場所で取り扱われていました。また、タラや、アンコウ、メバルなど・・・どこでも同じような種ばかりで(まあ、年末も近いし、冬だから鍋物も食べたいし、というのはわかりますけどね)ちょっとイマイチ、という感じはしました。

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Dormitator lebretonis (Steindachner)

2010年12月14日 23時11分08秒 | 魚介類飼育(淡水)

前回と同じ、カワアナゴの仲間のDormitator lebretonis (Steindachner)と思われる個体です。

インターネットでこの仲間の南米産種を検索しましたところ、どうやらこの写真からは大きく変わるようです。来たときは灰色だったのに、落ち着いたらこのようなヨシノボリ風な模様が現れ、とてもきれいです。

背鰭や臀鰭の斑紋も、だんだん濃くなってきているような。日本のカワアナゴよりも派手な種類です。ハゼの仲間のうち、淡水性のものは入荷が少なく、観賞魚のルートでは(食用でもないし)めったに流通しません。水槽飼育で新しい発見や新知見も出てくるかもしれません。

日本のカワアナゴは見た目は地味なのですが、よくなつき、ペット感覚で飼える魚です。ただ飼育水は汽水がいいようで、酸性に傾くとあまりよくないようです。

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