魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ミンサーフエフキ

2019年06月20日 13時56分37秒 | 魚紹介

沖縄では市場「泊いゆまち」で魚を購入したりもした。写真の魚はミンサーフエフキ。標準和名に沖縄の織物「ミンサー」の名前が入ったフエフキダイ科魚類である。

ミンサーフエフキの歴史はそれほど古いものではない。2003年にニューカレドニア産の個体などをもとに新種記載され、標準和名がついたのは2006年のことだ。ただ生息地では昔からアミフエフキの変異個体とされていたらしい。

見分け方としては体側の大きな斑紋の有無、頭部の形状だという。ミンサーフエフキの頭部背縁のカーブは、アミフエフキとは明らかに異なっている。斑紋については、アミフエフキの中にも出現しない個体があるということで注意が必要だ。鰓蓋のところが若干赤くなっているが、ホオアカクチビとは異なるように思える。

一瞬、イトフエフキのようにも見えるが背鰭の棘条はどれも極端に長くは伸びない。胸鰭腋部にはイトフエフキとは異なり、鱗がない。本種のように胸鰭腋部に鱗がないフエフキダイの仲間には、アミフエフキ、ヨコシマフエフキ、ヤエヤマフエフキ、ホオアカクチビなどが知られている。

ミンサーフエフキもほかのフエフキダイ科魚類同様に食用になっている。今回は刺身で食べたが絶品。ほかにマース煮や焼き物などでも美味しく食べられるに違いない。基本的にサンゴ礁に多くみられる魚で、釣りや追い込み網で漁獲されるようだ。

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ルリスズメダイ

2019年06月14日 07時29分15秒 | 魚紹介

今回の旅ではルリスズメダイを釣ることができた。沖縄や喜界島などの浅い潮だまりや漁港ではほとんど毎度見る魚ではあったのだが、釣って写真を残したのは初めてであった。

ルリスズメダイといえば、体全体が青く染まる非常に美しいスズメダイである。和歌山や高知県などでも確認はされているものの、主な分布域は鹿児島県以南、琉球列島。海外では西太平洋に限定分布し、インド洋や大西洋でも青いスズメダイは確認されているものの、それは本種ではない。

このようなスズメダイを釣るのには「赤虫針」が役に立つ。針の先端にオキアミの殻をむいたものをつければ、このような小型のスズメダイが釣りあげられる確率が高くなる。一方サヨリ針を使うと赤虫針ほどは釣りにくくなるが、それよりも大きなベラの仲間やイスズミの仲間などがかかっても(ある程度は)対応することができる。

しかし、今回の釣りはほかのスズメダイとの戦いであった。餌をめがけてヤノリボンスズメダイが、ロクセンスズメダイが、クラカオスズメダイが群がってくる。沖縄では魚の種類が多いのだが、狙ったら必ず釣れる、とは限らないのだ。そんな中で唯一釣りあげたこの1尾は、自身にとって価値ある1尾となった。しかし写真をよく見てみたら背鰭、臀鰭の軟条部がうまく広がっていない。また挑戦するしかない。なおこの個体は雌である。雌は尾鰭が透明なのだ。一方雄の個体は尾鰭も鮮やかな青色になる。

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ヤノリボンスズメダイ

2019年06月10日 15時17分46秒 | 魚紹介

久しぶりのぶろぐ更新です。先週(5/31~6/2)に沖縄へ行ってきました。到着してすぐ「泊いゆまち」の偵察、その後は本島中部で釣りをしていたが、変わった魚が釣れた。ヤノリボンスズメダイという魚である。

ヤノリボンスズメダイはスズキ目・スズメダイ科・リボンスズメダイ属の魚である。魚類検索の第二版ではリボンスズメダイ・クロリボンスズメダイ・スミレスズメダイの3種しか掲載されていなかったのだがその後新たに日本から2種が記録された。そのうちの1種がこのヤノリボンスズメダイである。

英語ではシルバードゥモワゼルと呼ばれるが、釣りあげるとシルバーというよりはブルーメタリックの体が美しいものであった。また鰓蓋の後方にある暗色斑や「ネコ目」も特徴といえるだろう。鰭は黄色っぽくなく、コーラルドゥモワゼルという種と区別できるようだ。オキナワスズメダイというのにもよく似ているが、こちらは全くの別属である。

私は「大変珍しいスズメダイを釣った」と小躍りしたのだが、その後も同じ場所で何匹も釣れたのが意外であった。底のほうにいる別のスズメダイを釣ろうとしても本種、クラカオスズメダイ、ロクセンスズメダイがガンガン餌をとっていく。この場所は比較的釣りやすく、また沖縄本島を訪れた際には釣りたいポイントである。

このヤノリボンスズメダイは無事生かして持ち帰ることができた。無理言ってパッキングしていただいた観賞魚店の女性スタッフに感謝。分布域は西太平洋で、日本では宮古諸島や八重山諸島にすむとされていたが、沖縄本島でもダイバーにより確認されたようだ。さらに幼魚は「魚類写真資料データベース」によれば伊豆半島でも確認されているとのこと。生息場所はサンゴ礁や内湾で、リボンスズメダイと異なり汽水域では見られないようだ。

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