魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

夢がかなった採集

2024年04月11日 18時29分59秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

ついに長年の夢をかなえることができた。HN「ふじさん」さんに栃木県某所のフィールドに釣れていってもらったのであるが、ここで色々な淡水魚に出会うことができたのであった。

タナゴ

コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属。通称「マタナゴ」と呼ばれる関東の特産種であるが、この標準和名はウミタナゴ科の魚である、ウミタナゴのいち亜種の標準和名として使用されているため、本種を「マタナゴ」と呼ぶのはあまり正しいといえない(ただし、口頭では「マタナゴ」と言ってしまうことがある)。私が採集した個体は体が青緑色に輝き吻部が白いという、婚姻色と目立つ追星のでた雄の個体である。しかしこの腹部の黒い様子も見てほしい!日本国内のタナゴ属の魚はタビラ(5亜種をふくむ)・ゼニタナゴ・イチモンジタナゴ・カネヒラが知られているのだが、カネヒラ以外はこれまで採集してこれなかった。これはカネヒラ以外は絶滅危惧種であり場所も限定的、九州歴が長かったのでカネヒラ以外のタナゴ属には縁がなかったのである(セボシタビラ・イチモンジタナゴは採集経験なし)。今回はこの雄のほか雌も見られたが、採集出来たのはこの個体だけであった。

ギバチ

こちらも初採集種のギギ科の淡水魚。九州でアリアケギバチを採集していたのだが、それ以外に採集した経験がなかったギバチ。今回はついに出会うことができた。多数入ったが3個体のみお持ち帰り。私も2匹採集できてうれしい。写真は家に帰ってから撮影したもの。九州のものよりもずんぐりした感じで、採集時は茶色が強く、あまり黄色斑がないように感じた。アリアケギバチとは完全に別物であるのだが、従来は同種とされていた。

カワムツ

今回タナゴ以外で唯一採集できたコイの仲間。オイカワが一切見られなかったのは驚きだった。東日本ということで「はや」といえばアブラハヤなのだが、そのアブラハヤさえ1匹も見ることはできなかった。このアブラハヤも私にはなかなか縁がなかった魚で、静岡県に引っ越すまで採集することはできなかった。なおアブラハヤの飼育はいまだに経験がない。このカワムツは外来魚でありそれによりアブラハヤのニッチに侵入、アブラハヤの生存を脅かすなんてことがなければよいのだが。もともとは餌用にお持ち帰りしたのだが、残念ながら食べてくれなかった。

魚の種類は多くはなかった(もともと東日本の純淡水魚の種類はあまり多くはない)が、東日本らしい魚類が色々と採集することができて喜ばしい。とくにギバチは関東地方以北の河川に産するもので、2005年にアリアケギバチを初めて採集して以降、本種を採集することは長年の夢・目標であったのだが、今回ついにかなった。この夢をかなえさせてもらったHN「ふじさん」さん、ありがとうございました。

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プレ学会

2023年09月05日 19時12分11秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

2013年の宮崎大会以来、日本魚類学会の年会に参加してきました。

8月30日、昼前に福岡に到着。博多駅でレンタカーを借りて、一路県南へ。福岡や佐賀、熊本といった地域は、日本産淡水魚の聖地としてよく知られている。豪雨被害による「国土強靭化」の計画による河川改修などもあったが、それでも筑後川に代表される河川流域の湿地は淡水魚の宝庫といえるのだ。

しかし今や河川の魚たちは数を減らしている。理由は上記の河川改修を種とし、オオクチバスやコイなどの外来生物によるものや、いわゆる「トリコ」による乱獲である。そのため今回の採集場所も残念ながら公表できない。悪しからず。あまり天気はよくないものの、太陽が顔をのぞかせており、非常にアツいものの、まあ、採集日和であった。

もっとも数が多い魚は、コイ科のオイカワである。ハス属とされたり、独自のオイカワ属Zaccoとされたりすることもある。いずれにせよ遊泳性の強い「ハヤ」である。大きい個体から小さい個体まで見られたが、この河川では大きめのカワムツも見られたので、おそらく小さな個体のなかにはカワムツも混ざっているのだと思われる。

野性的なシュッっとした見た目、銀色の体と青白い線、そして婚姻色など、とても美しい魚で観賞魚としての価値も高いのだが、残念ながらどこにでもいるので価値が低いとみなされやすい。また、非常に遊泳性が強く、スレなどに弱いなどの特徴もあり運搬が難しいというところもある。そのため今回はお持ち帰りしない。でも好きな魚ではある(重要)。その後は何か所かのポイントをまわり採集を行った。

採集後は福岡県の筑後川周辺の主要都市柳川市を訪問。柳川市はまあ、有名ですよね。5年ぶりである。暑さで滅びたのか、セミなどもほとんど姿を見せまず。これは川下りの船で、5年前にはできなかった川下りを楽しむ…というのではなく、ただ見るだけ。まあ柳川についたのは夕方であった。

その後は国道35号、国道202号、西彼杵道を経由し、一路長崎へ。下道のみを走ったためガソリン代以外はかかっていないのだが、国道206号のカーブは強烈であった。また針尾島という島も走ることになった。しかし採集した魚はみな無事。魚についてはまた後日詳しくご紹介したい。日付が変わってすぐに長崎市内某所に到着となった。夕食は途中のトライアルで購入した鶏の刺身。

続く。

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アリアケスジシマドジョウ

2018年06月18日 07時01分51秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

今回の九州では淡水魚採集も楽しむことができた。

残念なことに採集したときの写真、採集中に出会った生物たちの写真を載せることはできない。相棒のμ720SWが逝ってしまったのだ。おそらく液晶からおかしくなったのだと思う。久しぶりに見つけたニホンカナヘビさんや、珍しい昆虫の写真をアップすることもできないのだ。

九州にしかいない淡水魚は多い。セボシタビラ、アリアケギバチ、カワバタモロコ九州産、カゼトゲタナゴなど。ドジョウの仲間も九州特産のものが多く、山口県にも分布するヤマトシマドジョウを含めば5種、もしくは亜種が九州特産なのである。

このアリアケスジシマドジョウも九州特産のシマドジョウ属。九州産のシマドジョウ種群は3種が知られている。オンガスジシマドジョウ、ハカタスジシマドジョウ、そしてこのアリアケスジシマドジョウがである。前二者はナミスジシマドジョウの亜種であるが、このアリアケスジシマドジョウは独立種である。

太く短い体と、「スジシマドジョウ」らしい太い縦線が特徴的。尾鰭の模様も弧を描いており、美しい魚である。筑後平野では少なくはないようであるが、開発により生息場所は確実に少なくなっているよう。埋め立てとソーラーパネルは脅威である。

こちらはアリアケスジシマドジョウの雌と思われる個体。雄は斑点状の模様をもち、体側の縦線がない。尾柄には二つの黒色斑があるが上は明瞭、下は不明瞭である。今回採集を行った場所では大型の年越し個体もよく見られたが、小さい個体も数多くみられることも重要とされる。小型個体も見られたので、それほど危険な状態ではないと思われるが、埋め立てや開発は脅威だ(開発をやめない環境省の存在も脅威だ)。自然下では短命であるが、チュウガタスジシマドジョウを10年も飼育している方もいる。水槽下での繁殖も成功すれば、スジシマドジョウ類の減少を食い止めることもできるのかもしれない。もっともそれはスジシマドジョウ類を繁殖させて放流を行うような「放流おじさん」が出現する可能性もあり、注意するべきである。

こちらはヤマトシマドジョウ。10年前に近場の河川で採集した個体。尾柄部にある黒色斑は上・下ともに明瞭で、尾鰭の模様もアリアケスジシマドジョウとは異なる。

この間の総選挙では簡単に予想できたことでもあったのだが、やはり名古屋地盤のSKE党が強い。松井珠理奈と須田亜香里の1-2フィニッシュであった。須田さんはカワイイし、応援のし甲斐があったというもの。ただ、いずれにせよもう選挙の開票場がナゴヤドームと決まってからこの結果は想像できたことで、みこってぃのネクストガールズ入り、まちゃりんも入ってめでたしめでたし...と言いたいものの、中井りかの発言は常にいらいらさせられる。人をいらだたせる天才といえる。

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年の瀬採集

2017年12月30日 10時58分17秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

こんなしょーもないぶろぐを見て頂きありがとうございます。お久しぶりの更新。

もう12月も終わり(というか1年も終わり)ですが、Twitterのフォローワーさんと採集に行くことができた。関東地方の某県で淡水魚採集。冬ではありますが比較的暖かい日差しが河川を照らしてくれていた。なお、魚は色々な種が獲れた。

ムサシノジュズカケハゼ(たぶん)

ムサシノジュズカケハゼと思われる個体。「日本産魚類検索第三版」で新称がつけられたもの。それ以前は「日本のハゼ」のなかで「ウキゴリ属の1種」とされていて、魚類学雑誌Vol.57 No.2では「ジュズカケハゼ関東固有種」とされている。関東地方の固有種で動物食性の強いオヤニラミやオオクチバスといった魚から食害を受けやすいのでこれらの対策が重要とされている。

カマツカG3

従来日本に広く分布するとされていたカマツカも、近年は3つの群に分けられるようになった。私が過去採集したことがあるのは本州中部、四国、九州に広く分布し、俗に「G1」とされるグループのみであったが、今回はじめてG3に出会うことができた。

G3は東日本に多くすむ種。顔つきなどもなんともいえないが、G1とは違うように感じる。やや大きく、関東で採集をされている方によれば弱いのだという。飼育はしやすくなさそうだ。そのためリリース。なお関東地方ではカマツカG3が分布するとされるが、G1が放流されたところもあり雑種がでてくるおそれがある。放流するようなことはあってはならないのだ。

アブラハヤ

意外とアブラハヤはこれまであまり見たことがなかった。実は茨城県で採集したことがなかったのである。最近の河川採集は主に下流で行っているのが理由かもしれない。長らく九州で採集しており、タカハヤはたくさん見てきたが、アブラハヤは2013年にはじめて採集した。

今回採集した場所は流れがややある細めの河川。やや影響が足りてないのかほっそりスリム。遊泳性が強い魚なので今回はリリース。

ほかにも様々な魚が獲れていた。ミナミメダカ、カジカ、クロダハゼ、オイカワ、タモロコ、コイ(移入)などの魚が網に入った。周辺は田んぼが広がるなど楽しい場所であったが近隣では開発の手が迫っているなどよくない噂も聞く。

今回一緒に採集させていただいたねんじんさん、どんこさん、ずーなまさん、みなさんありがとうございました!

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憧れのドジョウ

2017年09月02日 13時55分01秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

大阪で行われたシンポジウムのあと、Twitterのフォロワーの方と滋賀県へと魚採集に連れて行っていただいた。奈良県から大阪、京都府を超えて琵琶湖へ。途中道に迷って朝鮮学校へあわや強行突入というハプニングもあった。

オオガタスジシマドジョウ

砂底を砂ごと網ですくうと、こんなのが採集できた。これは夢にまでみたオオガタスジシマドジョウではないか!体側に斑点列がなく、縦縞があるスジシマドジョウ類のなかで、これほど巨大なものは初めて見たのであった。他にタモロコやヨシノボリ属の未同定種(おそらくオウミヨシノボリの幼魚)、フナ類も採集でき、10年以上ぶりの出会いとなるスナヤツメ種群のアンモシーテス幼生も採集できたが、これにばかり気をとられて撮影できなかった。

ニシシマドジョウ琵琶湖産

 

琵琶湖産のニシシマドジョウ。これも2匹入った。最初はオオシマドジョウと思われたが、このような円形の斑が連なる様子は琵琶湖タイプだという。オオガタスジシマドジョウと同じ場所の砂底に生息していた。

このような小さなスジシマドジョウの仲間も採集できた。「ビワコガタスジシマドジョウ」と思われたが、「日本淡水魚類愛護会」の西村さんにお伺いしたところ、オオガタスジシマドジョウの幼魚と同定していただいた。憧れのオオガタスジシマドジョウの成魚だけでなく、幼魚にも出会うことがかなったのであった。西村さんありがとうございました。

ちなみにビワコガタスジシマドジョウとは背鰭の位置や体高・尾柄高がやや高いところが違うと教えていただいた。体側の模様もはっきりしているのも違うようだ。ビワコガタスジシマドジョウは尾柄高が不自然なほど低いのもいるようだ。不思議な斑紋の個体が多く、この魚にも会いたくなった。

おまけ

滋賀県では昆虫にも多く出会うことができた。ミヤマカミキリ。夜のコンビニエンスストアでは多くの昆虫に出会えた。

脚などが折れてしまってたクワガタムシ

コンビニエンスストアのトイレの中にも...。キイロカミキリモドキと思われる個体。有毒とされるので触らない方がよいみたい。

最後に。同行していただいたお二人に感謝!ありがとうございました。

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