魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ハナフエフキ

2018年07月31日 15時44分54秒 | 魚紹介

今日で7月も最後です。7月最後のぶろぐ記事は鹿児島からやってきたビッグな魚(といっても全長は30cmほど)、スズキ目・フエフキダイ科・フエフキダイ属のハナフエフキ。

ハナフエフキの特徴はいくつかあるが、鰓蓋に赤い2本の線が入ること。この特徴によりほかのフエフキダイ科の多くの種と区別できる。ほか、体側に複数の橙色の縦帯が入っていることが多い。この縦帯が複数本入っていることにより、タテシマフエフキと区別することができる。

写真ではわかりにくいのだが、胸鰭基部内側には小さい鱗がびっしりとある。フエフキダイ科の同定にはこの部分が重要なのだ。

一方でもう一つ、胸鰭基部内側の鱗を確認することが重要なものにイットウダイ科のアカマツカサ属がいる。アカマツカサの類は非常に同定が難しい。その一方フエフキダイ科の魚は少なくとも成魚では体側の斑紋などによってもある程度同定ができるので少しはラクといえるだろう。

ハナフエフキはインドー西太平洋のサンゴ礁域に分布している。日本における分布域は主に琉球列島だが、山本ほか(2008)により和歌山県からホクロヤッコとともに記録されている。ホクロヤッコのほうは主にカリブ海に分布している大型ヤッコで、日本には分布していなかった種である。ホクロヤッコの出現は残念ながら海に放流されたと考えるのが自然といえるが、これはアクアリストの仕業に違いない!と自称愛護団体がミンククジラやニタリクジラではなく目くじらを立てるように思われるが、ダイバーが放流した可能性も否定はできない。いずれにせよ昔むかしから客寄せに色々魚をやたらと放流するのが日本人というもので、恥ずかしい文化といえる。なんといっても「外来生物を放すな」などといつもいっている環境省のおエラい人だってEM菌をばらまいているのだ。EM菌というのは有用菌群であるが、批判も多く「ニセ科学」という意見もある。確かに有用な細菌群で効果がないわけではないようだが、野に生物を故意に放っているのには間違いない。これで生き物の飼育規制というのだからあきれたものである。いずれによ生物を放つと生態系にも病理的にも悪影響がでるおそれがあるし、アクアリストにも迷惑をかけることがあるので飼っている生き物を野に放してはいけないのである。

さて、怒りの話はここまで。フエフキダイの仲間は刺身はもちろん、煮つけ、しゃぶしゃぶ、鍋物など様々な料理で楽しむことができる。刺身は上品で美しい白身ではあるが、味は薄い。九州以南の魚なので九州らしい甘口の醤油で楽しんだが、かなり美味しいものであった。煮つけはかなり甘くなってしまったが、それはそれで美味であった。今回は鹿児島の丸万 田中水産さんと、京都中央卸売市場 シーフーズ大谷さんにお世話になりました。ありがとうございました。

●文献

山本泰司・加藤哲哉・太田 満・荒賀忠一. 2008. 和歌山県沿岸で捕獲されたホクロヤッコとハナフエフキ. 瀬戸臨海実験所年報, 21: 35-36.

●おまけ

7/22に新しい魚が2種はいった。クマノミの仲間のハナビラクマノミだ。親のリクエストである。ほかもう1種別の魚を「箱入り娘」として飼育しているのだが、これはまあ別の機会にご紹介したい。

残念なニュースも入ってきた。「ドッグフードはニートの主食」のヘイトスピーチでおなじみの山本彩(さや姉)がNMB48を卒業してしまうのだとか。2017年にあの総選挙の場、結婚宣言の際空気を読まずに「おめでとう~」と発言したメンバーもいる。個人的にはさや姉がいなくなったらMBはもう崩壊してしまうのではないかと思う。いつ卒業するのかはわからないが、おそらく2年前「てっぺん」をとった、あの思い出のステージ「紅白歌合戦」でファンに別れを告げるのではないかと思う。最後のステージ、思い出の歌「365日の紙飛行機」と「君はメロディー」を指原(嫌い)や松井須田吉田柏木大家峯岸らと歌わせてあげたいと思う。

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コモンハタ

2018年07月28日 11時03分45秒 | 魚紹介

お久しぶりです。なかなかぶろぐを更新できませんでした。申し訳ないです。今日もこのぶろぐでは初めてのご紹介になる魚。スズキ目・ハタ科・マハタ属のコモンハタ。

コモンハタは全長70cmを超える大型種であるが、この子は小さめ(といっても40cmを超える)。大きいと丸っこい感じがするが、このころはまだそれほどでもない。

特徴は体側に黒い斑点があること。小さいうちはずらーっ、と並んでいるようだが、大きいものは散らばっている感じ。背中には白い斑紋がでることがあるが、死ぬと不明瞭になるようである。オオスジハタは点列が複数列あるので、このコモンハタと区別することができる。

分布域は若狭湾および相模湾~九州と小笠原諸島。海外では朝鮮半島、台湾、中国、西太平洋。インド洋や紅海にも分布するとされているが、この手のごく小さな黒色斑のあるハタは誤同定されることもあるようだ。写真の個体は長崎県産。

コモンハタはやや深場(水深100m前後)の岩礁域に生息している。小型の個体は底曳網や定置網でも漁獲されているというが、これらの漁法でコモンハタがあがったところは見たことがない。深場の岩礁域から釣りや延縄、刺し網などで漁獲される種だと思われる。

コモンハタのお刺身。薄く切ってポン酢でいただくのが美味しい。長崎市・印束商店さんにはお世話になりました。ありがとうございました!

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ワニゴチ

2018年07月10日 23時12分36秒 | 魚紹介

お久しぶりのぶろぐ更新。久しぶりに新しい魚のご紹介。スズキ目・コチ科のワニゴチ。

トカゲゴチやイネゴチは何度か見てきたが、それらとは全く違う風貌である。トカゲゴチは25cmくらいまでのようだが、このワニゴチは50cmを超える大型種だ。トカゲゴチ属は日本には2種が産する。Inegociaという属名だけに、イネゴチもこの属と思ってしまいがちだが、イネゴチはまた別属の魚である。なお、ワニゴチは従来Inegocia guttataという学名が使われていたが、この種のタイプ標本はイネゴチに同定され、ワニゴチに対する学名はなかったため、2010年に新種記載されている。

この手の格好いい大きめのコチは、これまでイネゴチ、トカゲゴチ、ハナメゴチとみてきたが、ワニゴチは初めて見た。まだ見ていないのはミナミイネゴチとエンマゴチ。ミナミイネゴチは沖縄本島以南の琉球列島に、エンマゴチは山口県、八丈島、琉球列島に生息しているようだ。

初対面だったワニゴチなのだが、今回の九州遠征では、ワニゴチに2回も出会うことができた。トップの画像は長崎県のもので、もう1個体、上の写真は福岡の津屋崎で出会ったものである。津屋崎ではマゴチはたくさん見てきたが、ワニゴチは初見であった。

津屋崎ではこのほか、コチの仲間はイネゴチがいるようだ。これがおそらくイネゴチの稚魚と思われるもの。胸鰭の大きな白色斑が特徴的だ。成魚は水深数10mの場所で釣りや底曳網・刺網により漁獲されるが、幼魚は膝くらいの水深の場所にも出現するようだ。意外なほど素早く採集しにくかった。

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