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 ♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して73年、
PBA『世の光』を文字で 

■十戒 -自由への励まし97- 盗んではならない / 大嶋重徳

2019年03月28日 | Weblog
2019/2/21放送

世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。聖書には十戒と呼ばれる神と人との間に結ばれた約束があります。 十戒第八戒には、「盗んではならない。」(出エジプト記20章15節、申命記5章19節)とあります。この十戒第八戒のことを考えるときに、住んでいる土地と健康を奪われた福島での原子力発電所の事件を考えないわけにはいきません。福島の人の生活を奪っても原発を稼働し続けようとする思想にあるのは、前回考えました富と豊かさの問題に加えて強い国への憧れがあるのだと思います。いざという時、核を持つことのできる国になる準備をしておかないといけないという思いが原発を維持しているのです。事実、2012年の原子力基本法一部改正で、利用目的に「我が国の安全保障に資する」と追記されました。強い国でいることと原発の危険性をすぐそばで感じなければならない地域に住む人々の不安な感情を秤にかけることできません。

 ここで第八戒「盗んではならない。」が私たちの目を開かせ見させようとしている事は、当事者意識の欠如と思考停止に陥っしまっている自分たちの姿です。社会が不安定な状況に陥ると、私たちは正義感によって犠牲を他人に強いることがあります。キリスト教会も同じでした。東日本の震災の際にキリスト教会でも献金が集まりました。そしてその献金がどのような形で用いられたか知りたいと願う側の思いが先行して、被災されバラバラになった教会の信徒の方々の声に耳を傾けるのが不十分なまま新しい教会堂が建てられてしまったのです。東北にある教会の牧師は、「泥まみれでぼろぼろになったこの場所に信徒の方々と立って、そこで手と手を取って涙を流したかった。それでもう一度この場所に教会が建てられるように祈りたかった。」とおっしゃっていました。被災をしていない都会で過ごす自分たちの納得するスピードで目に見えて分りやすく支援を行いたいという思いが教会の祈りの機会を盗んでしまっていたのです。

 「盗んではならない。」という戒めが放つ光の射程は、私たちの住んでいる社会の構造にも目を留めることを求めます。誰も盗まれたりしない社会の形成のために、私たちの生き方の向きを変えて歩くことを求めて来るのです。

 今わたしたちの住んでいる地域でも盗まれている現実が実はあるのではないでしょうか。その方のそばにイエス・キリストは寄り添う方です。虐げられた人、痛んでいる人のそばに今日も私たちはそばに立っている者でいたいと思うのです。

    ( PBA制作「世の光」2019.2.21放送でのお話しより )

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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。


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