■愛の協力者 賀川ハル ／岩井基雄

2016/1/28放送

　世の光の時間です。お変わりありませんか？　岩井基雄です。
　第四週の月曜日は、歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学んでいますが、今日は賀川豊彦の妻として歩んだ賀川ハルについて学んでみましょう。

　ハルは明治21年に横須賀で小間物屋を営む裕福な家庭に生まれました。しかし店が三度火災に遭い家計が苦しくなると、長女のハルは15歳で東京に奉公に出ました。家業を諦めた父も、義理の兄の経営する会社に勤めるため横浜に移ります。この義理の兄は熱心なクリスチャンで、その会社は聖書や讃美歌を主に印刷する福音印刷合資会社でした。ハルも引き取られ、横浜住吉町教会の中にあった女子住吉学校に通い、初めて聖書や讃美歌に触れたのです。
　やがてハルの父は会社の工場強化のため神戸に転勤。ハルを含め一家は神戸に移住。ハルも女子工員として働きます。そして明治43年、ハルが23歳の時、従業員の讃美歌指導に来たキリスト教伝道師、貧しい人々に惜しみなく愛を注いでいた賀川豊彦に出会ったのです。
　人々に仕える賀川豊彦の姿勢、スラム街での救済活動を知り、ハルも自分の仕事を続けつつ奉仕活動を手伝います。そしてハルは彼を通して聖書が語る神様に出会い、次の年のクリスマスにマイアース宣教師より洗礼を受けたのです。更に不思議な導きによって25歳の時に賀川豊彦と結婚しました。
　一緒にスラム街に住み、愛の働きを続けるうち、ハルは悪性のトラホームに感染。右目は失明状態となりましたが、愛の働きは続けました。豊彦が留学のために渡米すると、ハル自らも神様に自らを捧げ、共立女子神学校に入学。卒業後、目の手術を受け、なお勢力的に愛を届け、悲しみを通る人々に、また痛みを通る女性たちに寄り添い続けました。72歳の時に夫と死別しますが、ハルは94歳でこの地上の生涯を終えるまで神様の愛を届け続けたのです。

　聖書のことば
　神はあなたがたに、あらゆる恵みをあふれるばかりに与えることがおできになります。・・・「彼は貧しい人々に惜しみなく分け与えた。彼の義は永遠にとどまる」と書かれているようにです。
　　　　　新約聖書　コリント第二の手紙9章8節、9節　(新改訳2017)

　　(PBA制作「世の光」 2019.1.28放送でのお話より )
　
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