世の光の時間です。お元気ですか? 安海靖郎(あつみ・やすお)です。
今日は、どのような生き方をしていったら心豊かに生きられるか、そんなことをお話しいたします。歴史小説家で鋭い文明批評家でもあった司馬遼太郎さんがこんなことを言っています。ま、どのように生きるかという、ま、生きる原則・決まり、それは宗教に根ざしているって言うんです。例えば儒教では孝、親に孝行すること。今でも中国人はこれを徹底している。またイスラム教は神を第一とする。神を礼拝することが原則。ま、キリスト教では自分を愛するように隣人を愛せということが社会と生活の規律となっており、西洋文明の土台となってるという訳です。ま、日本は残念ながら宗教の形は取り入れたけれども、それは家の宗教という。個人個人の生きる原則・土台にはなってこなかったと言うのです。
では、本当に大切な正しい宗教というのはどういうものなのでしょうか。NHKブックス630番の『救いの構造』という本、副題は「日本人の魂のあり方を求めて」という本ですけど、その著者の浄土真宗の研究家の真継伸彦さんは序文の中でこんなことを言っています。「宗教というものをキリスト教徒やイスラム教徒のようにまじめに考えるならそれは私たちが日々生きる心の支えになり、死ぬ時には覚悟を与えてくれるものでなければならない。神なるものとは日夜祈ることによって出会っていなければならない。そのように私たちの魂に深く染み入り心の糧となっている教えとして日本人の宗教はあるのだろうか。」 ま、答えは、「残念ながら全体としての日本人は、ないと答えざるを得ない。」って言うのです。
キリスト教もイスラム教も聖典としている旧約聖書の中の偉大な信仰者モーセ、あの『十戒』の映画にもなりました。彼の祈りと言われる詩篇の90篇の所では、彼がこんなふうに祈っています。「人生というものは飛び去るように早く過ぎ去ってしまう。だから知恵の心を与えてください。」 (※)
知恵とは創造者なる神、永遠の神に生かされている自分・人生を自覚して、神を愛し、隣り人を自分のように愛していくことだと言うのです。
こんな神の愛と、そこから生まれる生きる目的・土台、それをしっかり持っていけたら幸いですね。
(PBA制作「世の光」2006.01.27放送でのお話しより )
※「私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。だれが御怒りの力を知っているでしょう。だれがあなたの激しい怒りを知っているでしょう。その恐れにふさわしく。それゆえ、私たちに自分の日を正しく数えることを教えてください。そうして私たちに知恵の心を得させてください。」詩篇90篇10-12節
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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。近くの教会もPBAで紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。
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