暮れも押し詰まった28日といえば、役所の御用納めがまず頭に浮かぶ。しかし、経験的には消防団の年末警戒初日という方が印象に深い。28,29,30日の3日間は深夜に至るまで消防団が年末警戒にあたる。
小生もかつて消防団員だった。大学を卒業し帰郷してからの入団だったので少し遅めの入団だった。10年余り勤めて30代半ばで退団した。その間、消防団員として、サイレンが鳴ればヘルメット、長靴で何はさておき詰所に全速力で駆けつけた。そして、消防車に飛び乗り火事現場に。一度だけ消防車を運転した。一度だけ筒先をやった。それ以外はホースを担いで走ったり、可搬式ポンプを運んだり・・・。どちらかといえば第二線での活動が主だった。しかし、所属する分団が町の中核分団だったために町内どこへでも出動した。教師だったので休日か夜間の出動が主だった。山火事、家屋火災、車両火災・・・さまざまな火事現場、災害現場を経験した。
年末警戒。市内各分団の詰所を回って話を聞く。多くは団員の高齢化、団員確保の困難等の課題だ。31戸の地区で13名の分団員。一旦退団したOBが再入団して定員確保。もう40代後半だ。操法大会の出場を要請されても体がもたない、仕事との両立に悩む。消火や災害出動といった活動よりも団員同士のコミュニケーションの場としての意味合いの方が大きいとの感想だ。若い新入団員が地区にはいない。このままだと永久団員に。村の役員との兼任は当たり前。10年後、20年後はどうなっているのか。これが少子高齢、人口減少社会での消防団の直面している切実な課題だ。