ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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「技法以前」を読んで

2010-09-09 09:44:07 | 本や言葉の紹介
武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
         (↑これをクリックするとホームページに行きます)

 「技法以前 べてるの家のつくりかた」(向谷地生良 医学書院)を読んでびっくり。
 「シリーズ ケアをひらく」の中の1冊です。(乱読大魔王様も読んでおいででした

 逆説だらけの本に思えるかも。
 「その人が、なぜ、そのようにしてしまうか」をみていくと、逆説のようにしか思えない言葉が当事者からひょいとでてくるなんて……。
 自分の考えがすべての人に知られてしまっているとおびえる「サトラレ」が実は「サトラセたい」であったとか、トラブルを抱えている人の家族からの「聴いてもらうことに飽き飽きしています」という言葉とか。
 そんな具体例がどんどん出てきて、“うーん、自分だったら発想できないなあ”と頭の固さにがっくし。
 本文イラストがびっくりもの。あぜん&大笑い。

 とにかくこの「シリーズ ケアをひらく」ではいろんな本にびっくりさせられたけど、これの「技法以前」はピカイチでした。
 また、最後に無農薬リンゴ栽培で知られた木村秋則さんとの対談がのってたのは、とっても嬉しいおまけでした。

 “自分のコントロール障害”を抱えている人が、「一緒に考えること(対話)」のポイントを3つあげており、これは「対話に必要な三つの態度」として次のようにまとめられています。


A 「一人ぼっちじゃない」ということがわかること
B 「自分にも何かができるんだ」ということがわかり、実際にそれを行動に移せること
C 自信がつくこと(自分で自分のことを考えて、自分で決めることができるようになること)
そして、それを可能とする援助職としての必要条件は次の三つである。

①それを見守っていてもらえること
②終わったら報告できること
③結果について否定せずにまた一緒に考えてくれること


 そして、これについて向谷地さんは、

「共に考えること、それは当事者と共に現実のこんなんに連帯しながら、同じ苦労の目線で「同労者」として歩もうとするあり方である。私は、この「聴く」という関係のもつ可能性の一つに、「共に弱くなること」があるような気がしている。別な言い方をするならば、聴くという行為は、当事者のかかえるさまざまな困難な現実に、「共に降りていく」プロセスとしてある。その降りていくことを具体的に実現するうえで大切なのが、「共に考える」関係--研究的な対話関係--である。」

 と言っています。

 これは特に、自分の今のお役目の果たし方についてモデルの一つになる輪郭を描きだしてくれるものでした。
 この「対話に必要な三つの態度」って、普遍的なことですよね。

 またひとつ思いを深くしてくれる本に出合えました。ありがとうございました。

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2 コメント

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表紙カバー! (乱読)
2010-09-09 15:09:49
たらさん、
この『技法以前』の、表紙カバーはごらんになりました?(図書館の本だったらむりかも…)

私も最初に読んだのは図書館の本だったので、「えらいごっつい帯やなあ」と思っていたのですが、これが、帯ではないのです!!!

べてるまつりへ行ったときに、この本を買って、生良さん&悦子さんのお二人にサインしてもらいました。図書館の本とちがって、カバーもめくり放題♪

図書館の本だからカバーはめくられへんよという場合は、本屋かどっかで、ちらっとごらんください。

台風でもうちょっと気温が下がることを期待してましたが、昨日も今日も33度…。猛暑日がまたやってくるという天気予報にさすがにうんざりです。

秋らしい日が待ち遠しい~
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表紙カバーすごいですよね (たら )
2010-09-11 13:42:51
乱読大魔王様、コメントをありがとうございます。

表紙、びっくりしましたとも。
本文イラストと表紙だけを見せられたら、なんの本かわからないだろうと思いますわ。

今年は2週間分ぐらい気候がずれているそうで、「暑さ寒さも彼岸まで」ではなく「彼岸の2週間後まで」らしいです。
どひー。
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