ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

心と身体……仏教から、精神科医から その2

2008-10-24 11:12:23 | 本や言葉の紹介
 武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
        (↑これをクリックするとホームページに行きます)


 たまたま、精神神経科の中井久夫さんの『精神科医がものを書くとき 1』(広英社)を、『講座 仏教思想 第四巻』の直後に読んだのですが、またびっくり。患者さんと向き合うなかで、心と体の関係に気づいていったことが書かれていました。
 いくつか抜粋します。


●(患者に指圧をすることになってやってみたところ)
 びっくりしたんですが、左肩と右肩を同じ高さで押しているのに、左のほうが高いという。左は非常に気持ちがいいけれども右は気持ち悪いとか、そんなことがわかってきたんです。たとえば頭の真ん中をさわって、これは左ですか、右ですか、真ん中ですか、と聞くと、右に寄っています、と答える。人間の体はその人の病気によってものすごくゆがんでいるということがわかってきて、これはぼくにとっては大変なビックリなんです。

●その患者さんは、それまでニキビなんかが出ていて、非常に汚かったし、妄想や幻覚からなかなか抜け出られなかったんだけれども、あるとき、非常にスカッとした顔をしてあらわれたんです。
 その人を数年みているものだから、いったい何事がおこったんだろうと思ってお母さんに聞いたら、この一か月のうちに、足の裏のウオノメを取って歯を治しましたというんです。ぼくは、あ、これかもしれない、と思ったんです。
 というのは、足の裏にウオノメがあった場合、左にあったら右の脳に行く刺激と左の脳に行く右足の刺激とが違うわけで、これは悪循環です。どこかで埋め合わせをしなければいけない。そして、歯が悪くて、右だけで噛んでいたら、左の脳には刺激が行くんだけれども、右の脳にはあまり行かなくて、これもアンバランスになる。これを埋め合わせるために、脳は仕事をしなければいけない。
 あごの筋肉と足の裏を治した結果、精神的な余裕ができた。どこにできたか知らないけれども、精神的な余力、脳に余力ができたと思うんです。で、幻聴とか妄想とか統制を外れて動いているものが消えた。
 そして、それが自律神経系にも何かいい作用をもたらしたらしくて、ニキビがさっと治ってしまった。

●その人のからだのイメージのゆがみが一時スカッとなくなった時がありましたね。からだのゆがみというのは、意識がつくり上げている面があるかもしれない。その人の生き方とか、ものの考え方とかが、身体イメージに影響を与えているのかもしれません。


 心と体っておんなじもん、根っこはおんなじだと思うんですよ。ほんとにねー、意識して、体がしんどいときは心の手入れをして、心がしんどいときは身体の手入れをしてとやってみると、かなり違ってきます。

 8月のふとした問いかけ、般若心経、アビダルマについての言葉、アビダルマ関連の本、無量寿経、中井久夫、これらの偶然に並んだような点がみごとにつながって一筋の線を見せてくれたように思えました。面白いです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿