ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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女子大生だけじゃなく

2010-03-14 14:04:11 | 本や言葉の紹介

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
         (↑これをクリックするとホームページに行きます)

『「ジェンダー論」の教えかたガイド  女子大生のための性教育とエンパワーメント』(沼崎一郎 フェミックス)を読んで思ったのは、「女子大生だけじゃなく、中学生ぐらいから男子にも女子にも!」でした。
 女性には、小さいときから「ロマンチックラブ幻想」がすりこまれているけど、これ、現実とはものすごくずれている。まずそこから修正することが必要だと思っているので、中学生どころかもっと小さいときから、この本で語られていることをわかりやすく教えてもらえればいいのになあと思ったのです。

実際に恋人から暴力(命令、拘束、脅し、身体的暴力などなど)を受けているのに、この授業を受けるまではそれに気づかなかった学生がかなりいるのにはおどろきます。

沼崎先生は週刊誌の表紙や写真を見比べることや、ドラえもんのしずかちゃんがお風呂に入る場面やのび太のパンツが脱げてしまう場面などを例にして、
「現代の日本では、男性=見る性であり、女性=見られる性に作られているんだよ。」と解説します。
本当に、私たちは幼いころから「社会的性別役割」をすりこまれていますねえ。

これは2003年10月から2年間に渡って「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)に連載したものをまとめた本。以前にもブログで取り上げましたが、1冊丸ごと読むとまたいろんな思いがわいてきます。全文引用したいぐらいですが、ほんの少しだけ紹介させてください。

●「熱愛至上主義とでも呼ぶべきイデオロギーが、彼女たちを支配しており、縛られることこそ愛されている証拠と錯覚させ、暴力と愛情の区別がつかなくなって、ずるずるとDVへの道にはまってしまう……。こうなると、もうカルトだ。

そうなんですよ沼崎先生、恋愛教ですがな。
 彼氏がいないのは変、結婚しないのは変と思いこんでいる女性がいかに多いか。


●「オトコの恋愛感情は性交欲求となって表れるという、オトコのセクシュアリティについての神話を崩す必要がある。彼が求めてくるのは、私を愛している証拠だと女性に信じさせるのが、この神話だ。この神話に翻弄されて、望まない性交をしてしまう学生が少なくない。
 これと関連して、もうひとつ、オトコのセクシュアリティについて、打ち砕かなければならない神話がある。それはオトコは「溜まるから出したくなる」という神話だ。
『いいですか、溜まるから出したくなるってのはウソですからね。出さないと体に悪いなんてのは、もっとウソだよ。そりゃあ男の身体は精子を毎日製造してるけど、ちゃんと自然に消えるんだから、出さなくたって平気なの。もう一週間も溜まってるんだからサセテクレないと困るなんて言われて、信じるんじゃないよ!』
こ れには大きな反響がある。『ええ、ウソなんですかあ。時々させてあげないと可哀想なのかと思ってました。』などという驚くべき感想を書く学生がいるのだ。」


 小・中・高での性教育って、いったいどんなことをやってるんだ! あーあ。

●「この授業の一番悪かったところ(一番興味が持てなかったところ)」については、特にないという答えも多かったが、「男を批判しすぎ」、とか、「恋愛や結婚を否定しすぎ」という答えも多かった。このあたりに「恋愛の常識」を揺さぶられることへの強い抵抗が読み取れる。本音では、恋愛して結婚すればハッピーになれると思いたい学生が多いのだろう。」

 だろうなあ。だからこそ、沼崎センセ、がんばってちょう。

 この本の最後はこう結ばれています。
後日談がある。2004年度の授業を始めたときのことだ。一人の学生が私のところにやってきて、こう言うのである。
『去年、先生のジェンダー論を取っていた友人が、「すっかり人生観が変わった。あんたも取ったほうがいいよ」というので、先生の授業を取ることにしたんです。でもね、その友人、人生観が変わったという割には、行動はさっぱり変わってないんですよねえ。』」

 大笑いしました。
会うたびに「私、わかったのよ。悟ったわ」と言ってた人、行動も考え方もなんにも変わってなかった。そういう人ってっけっこうみかけます。
 懸命に教えておいでの沼崎先生にしたら、もうガックリですよね。でもでも、これから先もこの授業をぜひ続けてほしいです。


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