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【金曜恒例】反原発北海道庁前行動(通算322回目)でのスピーチ/早野論文のごまかしと福島の少女の100mSv被曝

2019-01-25 21:32:46 | 原発問題/一般
 皆さんお疲れさまです。

 このところ、福島県民の被曝と、その情報・データのごまかしに関するニュースが相次いで出てきています。重要なことなので、取り上げないわけに行きません。

 1つ目は、御用学者として有名な東京大学名誉教授の早野龍五氏が、福島県伊達市で行ったガラスバッジによる線量測定データをごまかして論文を書いていた問題です。

 早野氏の論文は、伊達市でのガラスバッジによる線量測定データが、事故直後の文科省による航空機モニタリングの0.15倍の数値だったため、空間線量から実効線量(身体に影響を与える線量)への換算係数を0.15でよいとするものです。環境省は、この換算係数を0.6とすることを原発事故の起きた2011年に決めましたが、早野氏は、この換算係数が「不当に安全側に寄りすぎで、4倍厳しすぎる」などと難癖を付けています。

 しかし、そもそも自然環境からの外部被曝の影響は前後左右から受けているのに、ガラスバッジは装着している方向からの被曝影響しか測れないため、ガラスバッジによる測定自体に強い批判があります。前後左右から受けている外部被曝の線量を、前からしか測定していないのですから、ガラスバッジで測定した外部被曝線量が航空機モニタリングの4分の1になるのは当たり前です。環境省の換算係数が被曝防護にとって十分だとは思いませんが、少なくとも「福島を安全に見せるため早野さんが勝手に作った基準」より合理的なことが逆に明らかになった形です。

 早野氏は、外部被曝を前からしか測らずに「伊達市で最も汚染された場所に70年間住み続けても被曝線量は18ミリシーベルトを超えない」とウソの結論を導き出しています。高エネルギー加速器研究機構(国立大学法人の一種で研究機関)の黒川真一名誉教授が早野氏の論文の誤りを指摘し明らかになりました。

 これだけでも十分犯罪的なのに、早野氏は今回の論文で決定的なねつ造を犯しました。ガラスバッジに記載された1ヶ月分の被曝線量を3ヶ月分として集計していたのです。早野氏は「意図的なミスではない」などと言い訳をしていますが、前後左右から測定すべき外部被曝線量を前からしか測らずに4分の1にごまかしてきた人物が今さら意図的なミスではないなどと言って誰が信じるでしょうか。その上1ヶ月分の被曝線量を3ヶ月分として集計していたことで、なんと伊達市民の被曝量は実際の12分の1に過小評価されてしまったのです!

 早野氏の「論文」は、住民の被曝防護基準を審議する放射線審議会でも使われています。過小評価されたごまかしだらけの基準に基づいて避難や帰還の基準が決められていることになります。こんなことが許されてはなりません。

 早野氏は、2011年の原発事故発生から約8年、一貫して根拠なく福島を安全だと訴え、自分の主張に合わない証拠やデータは改ざんするか無視してきました。ホールボディーカウンター(WBC)による内部被曝線量測定で、福島産米を食べた住民から最大300ベクレルの数値しか検出されなかったことを根拠に「福島産米を食べてもよい」などと主張しました。放射性セシウムの生物学的半減期が3ヶ月とされている(=3ヶ月より前に摂取したセシウムによる被曝をWBCでは半分しか測れない)ことを無視した根拠のない安全論を、坪倉正治氏(南相馬市民病院医師)らとともに振りまいてもきました。一方で、200人にも及ぶ子どもの甲状腺がん発生など、都合の悪い事実は徹底的に無視。そのことをツイッターで問われても返信もせず、自分がツイッターに書いたことと違う不都合な事実が出てくると、こっそり過去の自分の発言を消すという不誠実な行動を繰り返してきました。福島を安全に見せるため、そして自分が絶対無謬で過ちを犯さない人間だと示すためなら手段を選ばない、それが早野龍五という人です。

 そして今週はもうひとつ、重要なことを指摘しておかなければなりません。原発事故直後、外で遊んでいた双葉町の11歳の女の子が、100ミリシーベルトを超える被曝をしていたことが今ごろになって報道されています。これまで隠されてきた理由を、放医研(放射線医学総合研究所)は「精密な計算結果ではない」から出さなかったとしていますが、被曝の影響はないという自分たちの主張にとって都合が悪いから葬り去るつもりだったことは明らかです。勇気ある新聞記者の情報公開請求がなかったらまだまだ隠し通されてきたことでしょう。

 放医研は、誤解を恐れず言えば「被曝の事実を消すための組織」と見て間違いありません。原発事故直後の2011年3月下旬に、福島第1原発で収束作業に当たっていた作業員の両足が高濃度汚染水に浸かり、火傷を負うという事故が報道されました。この作業員の被曝量は2~6シーベルトと報道されており、これが全身被曝なら即死してもおかしくないレベルです。しかしこの作業員も放医研に送られた後、ぴたりと情報が途絶えました。放医研に送られると、なぜか被曝の事実は必ず消えていきます。

 この作業員が送られた当時の放医研の担当者は明石真言という御用学者中の御用学者です。これまでにも、福島での低線量被曝について「直ちに健康に影響はない」と国会で証言、今なお甲状腺がんとの因果関係を否定し続ける福島県民健康調査検討委員会の委員も務めています。ビキニ島水爆実験被害者への保険適用を審査する「有識者会議」座長として、非公開で議事録もない秘密会議を開催、被害者への保険適用を今も認めようとしていません。ビキニ、福島事故のすべてで健康被害もみ消しを続ける犯罪者です。おととし6月、茨城県・日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターで作業員が肺に22000ベクレルのプルトニウム被曝をした事故を覚えている方もいると思いますが、このときも放医研執行役の明石氏は「肺への被曝は間違いだった」などと言い出し、被曝の事実を消そうとしました。こんな人物が、福島での健康被害認定をする組織の中心にいるということを忘れてはならないし、批判を続けていく必要があります。

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