橋本氏は闘い続ける







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中国が共産党一党独裁国家である限り、アジアの冷戦は終わっていない。
米軍はアジアの民主主義と平和を守っている。
沖縄の米軍基地もその一翼を担っている。
中国が民主主義国家になった時、沖縄の米軍基地は閉鎖される。
このことを念頭に沖縄の米軍基地を問題にするべきである。


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橋本氏は闘い続ける



橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
特ダネ見てますよ。ツイッターは続けます。時間があるときにしかできないから、たまたま週末は時間がなかっただけ。竹田さん、囲み取材は自分の判断で再開しました。引き延ばせば引き延ばすほど、再開の理屈を付けなければなりませんから、ここは早く再開した方が良いと。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
さて朝日新聞の社説。「橋下さん、やっぱり変だ」確かに不適切な表現はありました。ただ、朝日新聞始め多くのメディア、有識者はこれまでのロジックから抜け出せないのでは?他国の事を持ち出すと、日本の行為を正当化している!との批判ロジック。これまではそれ一辺倒。違います。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
日本は悪かった。でも他国も過去の過ちを直視してよ。これが現在の国際社会のスタンダードでしょう。これまでは日本の保守を自認する論者の中で、慰安婦の方、韓国との間で、強制連行の有無が論じられていた。極めて内向きな議論。現在の国際社会のスタンダードでは強制連行の有無は関係ない。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
朝日新聞が、日本の政治家を徹底批判するのは、メディアの役割として当然だ。慰安婦問題についても、不見識な日本の政治家を批判すれば良い。しかし、日本の政治家や、日本国だけを批判するのではなく、他国についても目を向けてはどうか?今回の僕の発言に対して、他国のメディアは一斉に抗議した。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
他国のメディアは、常に海外の政治家の言動、政治の動きに注視し、世界のスタンダードに違反する行為については、徹底抗議する。朝日新聞は、あれだけ沖縄のことを考えろと言いながら、米軍が組織内部の性的暴力事件について統制がとれていないことを全く報じていない。米軍の本質的な問題を報じない。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
日本の過去の過ちを徹底批判しながら、他国の過去の過ちもきちんと報じるべきだ。そして世界が日本だけを不当に侮辱するなら、世界に対して徹底的に抗議すべきだ。今回は世界のメディアの凄さを知った。世界のメディアは世界の政治を監視している。朝日新聞も、もっとグローバルになれ。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
朝日新聞は、今回、僕の表現に違和感を覚えているらしい。僕の表現の不適切さは認める。しかし朝日新聞の感じている違和感は僕の言葉尻の話ではない。これまでの国内向けのロジックから、国際社会向けのロジック変更にまだついていけていないのだ。日本のメディアも国際スタンダードになるべきだ。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
朝日新聞始め日本のメディアは「必要」「風俗」と言う言葉だけにしか目がいかない。しかしこの言葉については、すでに釈明、修正し、「風俗」については不適切さを認めた。それに加えて何をしろと言うのか。今回の僕のロジック自体に間違いがあるなら指摘して欲しい。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
日本のメディアは、「必要」「風俗」と言う言葉だけを批判する。それは釈明、修正した。しかし、「日本は自らの過ちをしっかりと認めながら、しかし世界各国も過去を直視せよ。米軍はもっと本気になって内部統制せよ。沖縄県民の人権も重視せよ」この主張のどこが間違いなのか指摘して欲しい。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
朝日新聞、表面的な言葉を批判し、正すのもメディアの役割だろう。しかし本質は、政治家の主張自体への批判だ。僕の主張自体のどこに問題があるのか指摘してくれ。僕は自分の主張は正しいと思っている。だから釈明、修正はするが撤回はまだしない。間違っていたら撤回する。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
朝日新聞は、最大のチャンスを迎えている。僕の言葉尻を批判するのも良い。どんどん批判してくれ。しかし、政治家の主張を押さえるのが本来のメディアの役割だろう。これまで保守政治家気取りで、国内で威勢の良いことばかり言っていた政治家は今回皆だんまりだ。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
現在の安倍政権の閣僚の中にもいる。産経新聞や、保守系雑誌で、慰安婦問題についてかっこいいことばかり言っていた国会議員は何も語らず。おそらく、国内でドメスティックに威勢のいいことを言っている分には良いが、それが世界でどう評価されるのか、僕の一件で皆ビビってしまったのだろう。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日 朝日新聞は、保守気取りの政治家の慰安婦問題に関する主張をしっかりと押さえていくべきだ。そうすれば、慰安婦問題は決着する。日韓関係の根底はこの慰安婦問題だ。慰安婦問題では、もう保守気取りで国内向けに威勢の良いことを言う政治家はいなくなるだろう。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日 結局、日本において慰安婦の問題は、国内視点で語られていた。その中で正当化する論も生まれた。しかし国際スタンダードに視点を置き換えると、戦中の慰安婦を絶対に許容することができない。これが国際スタンダード。しかし、この国際スタンダードを用いると、他国も過ちを犯したことになる。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
国内視点から国際視点へ。日本は過ちを直視し反省しながら、しかし他国の過ちもしっかりと指摘する。日本だけが不当に侮辱された場合にはしっかりと抗議する。これがこれからの慰安婦問題の対応の仕方だと思う。毎日新聞は、僕の今の論理に反論できないものだから、過去の僕の言葉を引いてネチネチ。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
毎日新聞は僕の過去の言説を引用してネチネチと言っている。しかし、僕の今の言説、主張を批判して欲しい。政治家と言えども生身の人間。ありとあらゆる事柄に関して、完璧に持論を固めているわけではない。僕が以前、慰安婦問題について言及したのは、これも囲み取材でいきなりの質問に答えたもの。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
その時には、朝日新聞の記者とやり合った。慰安婦問題の歴史的な事実、慰安婦の方への心情、日韓基本条約、河野談話、2007年の閣議決定など複雑に絡み合う歴史問題であり、完璧な論をその場で話せるわけがない。だから過去はあのような言説になった。その当時自分なりに答えられる範囲の答えだ。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
しかし自分なりにしっくりいかないことに関しては、自分の言説を固める努力もしている。市長業務をやりながらだから、新聞社の論説委員や有識者のように、そればっかりを勉強するわけにはいかない。それでも問われるであろう重要テーマに関しては自分なりに勉強して、言説を固めるようにしている。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
慰安婦問題について、今、述べている言説が、僕の考えの全てだ。過去の言葉尻を捉えられてネチネチやられてもこちらとしては対応のしようがない。過去、朝日新聞の記者が執拗に突っ込んだ質問をしてきたときにも、毎日の記者はポカーンとして何も質問しなかった。何も問題意識がなかったのだろう。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日 もし僕の過去の言説に問題があるなら、その当時に徹底して突っ込んだ質問をするべきだ。それがメディアの役割だろう。僕も自分の言説に完全に自信が持てるまであやふやな主張をしていたのであろう。そこを突っ込むのがメディアだろう。

橋下徹 ‏@t_ishin 5月20日
それを今の僕の言説について反論ができないからと言って過去の言説を引用してネチネチと言ってくる毎日。こんなメディアでは日本の政治は良くならない。僕は慰安婦問題について日本の責任は認める。しかし外国の責任も指摘する。日本だけが不当に侮辱を受けることに抗議する。この論理に反論して欲しい

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沖縄からも続々と橋本抗議をしている。

日本維新の会共同代表の橋本徹大阪市長が「従軍慰安婦」の必要性や海兵隊に風俗業の活用を勧めた発言に対し、いしがき女性9条の会など八重山地区の女性、護憲、教職員組合など10団体は21日、謝罪を求める声明を発表した。
声明では「女性を軍事遂行の道具にすることを正当化し、すべての人間を傷つける発言」と指摘。戦時中は八重山にも11カ所の慰安所が確認されているとして、「国家や戦争を正当化するために史実を歪曲することは許せない」と強調した。

県マスコミ労協も橋本氏に抗議声明を送付した。

声明は、風俗業の活用が、米軍人のための現代の「慰安所」を沖縄に置くこと、を勧めた発言とし、「県民を始め基地被害に苦しむ人々の心を傷つけた暴言。人権感覚を著しく欠いた見解を絶対に許すことはできない」と批判。
「従軍慰安婦」制度についても「肯定する橋本氏の歴史認識を見過ごせない」てし、一連の発言の撤回と、元「従軍慰安婦」、県民すべての女性への謝罪を求めた。(沖縄タイムス)

沖縄のすべての団体の抗議内容は同じである。

1. 橋下市長が従軍慰安婦は必要であったと発言した。
2. 海兵隊に風俗業の活用を勧めた。

橋下市長のその後の発言を見れば、上の発言は誤解であり、橋下市長の真意でないことは明らかである。
橋下市長の説明不足+マスコミの捻じ曲げから生まれた「橋下市長が従軍慰安婦は必要であった」「海兵隊に風俗業の活用を勧めた」をネタにした批判はすでに橋下市長によって反論されている。

「それを今の僕の言説について反論ができないからと言って過去の言説を引用してネチネチと言ってくる毎日。こんなメディアでは日本の政治は良くならない。僕は慰安婦問題について日本の責任は認める。しかし外国の責任も指摘する。日本だけが不当に侮辱を受けることに抗議する。この論理に反論して欲しい。

橋下のこの反論こそが沖縄の堕落した政治を正常化することができる。正直いって政党そうぞうは信用できないが、そうぞうと提携することになったことは維新の会の沖縄進出の大きな前進になる。
これから維新の会代表の橋下氏と沖縄の既成政党とのバトルが始まる。
今回の橋本パッシングはバトルのきさかけになる。
橋下市長は沖縄のすべての抗議団体に反論と主張の返信をしてほしい。抗議だけで終わらせてはいけない。
抗議状を送りつけていい気になっている連中をそのままにしてはいけない。彼らのいい加減な主張を叩き潰すべきだ。それが沖縄政治の正常化につながる。


「国内視点から国際視点へ。日本は過ちを直視し反省しながら、しかし他国の過ちもしっかりと指摘する。日本だけが不当に侮辱された場合にはしっかりと抗議する。これがこれからの慰安婦問題の対応の仕方だと思う」

その通りだと思う。慰安婦は売春婦であり商売として日本軍についてきたのだから日本軍や日本国には責任はないという理屈は海外の国々に反発されるだけだ。そして、日本は無責任と非難されるだけだ。
それよりは「日本は過ちを直視し反省する」しかし、「慰安婦を活用したのは日本だけではない他の国々も活用した」という理屈のほうが海外には通用する。
「日本は反省したのになぜあなたの国は反省しないのだ」と攻守を逆転させることができる。「身を切らせて骨を断つ」である。感情的になる韓国や中国は逆上するかも知れないが、冷静で理論的なアメリカなら説得できる可能性は高い。

アメリカを反省させることができれば世界を反省させることができ。
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橋下市長の慰安婦発言、米国は本当に痛烈批判しているのか?

WEBで興味深いコラムを見つけた。
日本のマスコミの偏向報道への痛烈な批判だ。
発言が正確にマスコミ書かれ、
外国に真意が伝わるまで、
橋下市長は徹底して発言を続けていくべきだ。



橋下市長の慰安婦発言、米国は本当に痛烈批判しているのか?
Business Media 誠 5月23日(木)10時31分配信

伊吹太歩の世界の歩き方:
 最近めっきり露出の減っていた橋下徹 大阪市長が、問題発言で物議を醸している。
 橋下市長は5月13日、「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命をかけて走っていくときに、どこかで休息をさせてあげようと思ったら慰安婦制度は必要なのは誰だって分かる」とコメント。米軍の司令官に対して「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったとも発言した。その後、一気に橋下バッシングが始まった。

 もちろんこの発言はあまりにも低次元で、一部で言われるように「話題づくり」にしては稚拙だ。彼の発言が批判されるべきものであることは間違いない。ただ、それ以上に、今回の騒動での外国、特に米国の反応を報じる日本メディアの報道が、皮肉にも日本メディアの問題点を見事にあぶり出した。

●朝日新聞記者が行った、米国務省の報道官への質問

 5月17日、新聞各社は夕刊で、橋下市長の発言に対する米国務省のコメントを一斉に掲載した。というのも、米国務省の定例会見(5月16日)で、報道官がこの発言についての見解を聞かれ、米国の立場を述べたからだ。

 定例会見で橋下市長の発言について質問したのは朝日新聞の記者。質問は2つのみだったが、どんなふうに質疑応答が行われたのか。全文を極力直訳すると以下のようなものだった。

朝日新聞記者の質問: ども、私は日本の新聞、朝日のタカシです。大阪の橋下市長が最近、いわゆる「慰安婦」問題について、道徳的観点の価値からは受け入れられないが、慰安婦は戦時には欠かせないもの(necessary)だと主張する発言をしました。そして彼はまた、売春によって性的サービスを提供されていた他の国の軍もあるのだから、日本だけが米国やほかの国から批判されるのは公平ではないと主張しました。米国は彼の発言、または米国に対する批判に対してどういう立ち位置でいますか。

Hi, my name is Takashi from Japanese newspaper Asahi. Osaka City Mayor Hashimoto recently made a comment on the so-called “comfort women” issue, arguing that even though it is unacceptable from the moral perspective value, but the comfort women were necessary during the war period. And he also argued that it is not fair that only Japan is criticized by the United States and other countries, because there are other country military that were provided sexual service by prostitute. And do U.S. has any position on his comment or criticism against the United States?

米国務省 ジェニファー・サキ報道官: 発言は、もちろん、把握しています。橋下市長の発言は言語道断(outrageous)で不快(offensive)です。前にも述べたように、当時、性的な目的で人身売買されたこうした女性に起きたことは、嘆かわしく、明らかに相当に重大な人権侵害です。被害者たちには、あらためて、心からの深く同情します。そして日本が周辺国とともに、過去からのこの問題やほかの問題について取り組み、また関係国が前進できるような関係を深めるために努めていくことを望みます。

We have seen, of course, those comments. Mayor Hashimoto’s comments were outrageous and offensive. As the United States has stated previously, what happened in that era to these women who were trafficked for sexual purposes is deplorable and clearly a grave human rights violation of enormous proportions. We extend, again, our sincere and deep sympathy to the victims, and we hope that Japan will continue to work with its neighbors to address this and other issues arising from the past and cultivate relationships that allow them to move forward.

同じ朝日新聞記者の質問: この問題を、性奴隷または慰安婦、どう表現しますか?

Do you describe this issue sex slave or comfort women?

サキ報道官: 再びになりますが、それを定義するかは分かりません。あなたが細かな詳細を示したようですが、われわれは過去にこの問題を慰安婦と表現しています。

Again, I don’t know that I’m going to define it. You kind of laid out the specific details there, and we have described this issue in the past as comfort women.

 2つ目の質問には違和感を覚える。すでにある程度一般化している「慰安婦」を、「性奴隷」と呼ぶ可能性はないのかと、サキ報道官に問いかけているのだ。2つしかできない質問で、2つ目にこれをもってくる理由はよく分からない。「朝日のタカシ」氏は、この質問から何を言わせたいのだろうか。

●「連れて行かれた」と「売買された」では意味が違う

 ともかく、こうしたニュースでは、外国人の発言を日本語に翻訳する際に、誤訳やニュアンスの違いが指摘されることも少なくない。サキ報道官の発言も、訳し方でニュアンスが違ってくる。

 先に紹介したサキ報道官のコメントの「当時、性的な目的で人身売買されたこうした女性に起きたことは、嘆かわしく、明らかに相当に重大な人権侵害です」という部分を、各社掲載しているが、朝日、読売、毎日の記事を見比べてみたい。明らかにそれぞれのニュアンスは異なっている。

【朝日】

戦時中に性的な目的で連れて行かれた女性たちに起きたことは嘆かわしく、重大な人権侵害だ

【読売】

当時の女性たちに起きたことは悲しいことであり、重大な人権侵害だった

【毎日】

戦時中に性的な目的で連れて行かれた女性たちの身に起きたことは、嘆かわしく、とてつもなくゆゆしき人権侵害であることは明らかだ

【産経】

性を目的に売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、明白で並外れた人権侵害だ

 ここで特筆すべきは、「連れて行かれた」のか「売買された」かの違いだ。日本のネット上では、いち早くその部分に疑問を投げかける者もいる。サキ報道官は会見で「trafficked」と言っているのだが、産経新聞だけが「売買された」と訳しているのだ。「連れて行かれた」と「売買された」とではまったく意味が違う。こと慰安婦の問題では、ここのニュアンスは大事なところだ。

 この場合、サキ報道官の発言は「売買された」とするのが適切だろう。英英辞書などをみても、その意味は「The commercial exchange of goods; trade」または「Illegal or improper commercial activity」とある。つまり「物品の商業的なやりとり、売買」または「違法または不適切な商業活動」という意味になっている。「連れて行かれた」は弱すぎで、ニュアンスが違う。

 同じ報道機関でこうも違うと、日本の読者は何を信じればいいのか分からなくなってしまうだろう。ただこれが現在の日本のメディアの現実と知っておくことは大事なことだ。残念ながらこうした違いは、サキ報道官の発言の映像を字幕付きで流すテレビ局の間でも同じだ。とにかく鵜呑みは禁物なのだ。

●実際のところ、橋下発言は大した話題になってない

 テレビ局で、サキ報道官の発言(とは言っても、彼女は用意されていたらしい原稿を読んでいたのだが)を、ここぞとばかりに大げさに取り上げたのはTBSだった。

 TBSは「米が痛烈批判」とするニュース映像で紹介。だがその報じ方は煽りぎみだ。ニュース映像を見ると、いかにも「米国ひいては世界を敵に回した市長」と言わんばかりだが、実際のところ、橋下市長の発言はAP通信や英BBCなど大手メディアで取り上げられたものの、欧米では大した話題にはなっていない。もちろん韓国メディアは別だが。

 国務省の件に関して言えば、報道官が毎日のように行う定例会見で、いち日本メディアの記者が質問したことは、よっぽどのことでもない限り、外国メディアがいちいち記事にしたりはしない。ちなみにこの日の会見では、先日行われたパキスタン総選挙についての質問や、台湾漁船がフィリピン沿岸警備隊の銃撃を受けた問題、シリア情勢についての質問が飛び交った。

 もう1つ、この騒動で気になることがある。サキ報道官の発言を報じたTBSのニュースなどで、以下のような一文を目にした。

国務省の高官は橋下氏の発言について、「国務省で働く人間の多くが腹を立てている」と明かしています

 これだけなら、「なるほど、米国務省の職員たち大勢が橋下発言を把握しており、しかも怒り心頭だ」となる。それほどまでに国務省内では大阪市長の発言が話題になっているということなのだ。

 また次の記事を見ていただきたい。5月18日付けの朝鮮日報(日本語版)だ。

韓国や中国などの当事国が強く反発しているのはもちろん、米国も背を向け始めている。「(米国)国務省の建物にいる全員が日本の発言に気を悪くしている」(国務省当局者)という話が聞こえてくるほどだ

 同じ関係者に取材したのではないかと思われるほどTBSと似通ったコメントだ。朝鮮日報が「全員」と言っても、間違いなく「当局者」は全員に話を聞いていないだろうからお話しにならないが、ニュアンスは非常に近い。日本の新聞社でも同様のコメントが掲載されていた。

 この当局者のコメントに「?」と感じるのは、著者だけではないだろう。本当に国務省内でそこまで話題になっているのだろうか。「多くの職員」は、どの部分に怒っているのか。どの立場の人物が、国務省の「多くの人」の意見を知り、代弁しているのか。そのコメントを掲載したTBSや新聞社は、確認作業をしたのか。

 ちなみに産經新聞は、「国務省の多くの職員が侮辱されたと感じている」と、国務省高官のコメントを掲載している。ん? この「高官」と「当局者」はもしかしてサキ報道官のことで、会見後にみんな一緒にオフレコで話を聞いたから、みんなが匿名筋の似たようなコメントを載せているのか? よく見ると、各社のコメントの違いは、先に述べた翻訳における「ニュアンスの違い」と同じような差異ではないか? 茶番?

 よもや大手メディアがそんな分かりやすい稚拙な情報源保護はしないだろうが……。とにかく、メディアといえども民間であり商売であることは重々承知しているが、一応、日本人の「知る権利」を担って米国務省の記者会見に出たり、政府関係者と話ができる立場にあるという自覚を、日本の大手メディアの記者たちには持ってもらいたいものだ。

[伊吹太歩,Business Media 誠]
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