Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

新幹線の安全は大丈夫か

2015-04-12 18:57:56 | 日記・エッセイ・コラム
当地平地の桜はほぼ見頃を終えたが、少し山間はまだ見られる様だ。その花曇りの今日、東京のJR山手線と京浜東北線にて、架線と呼ばれる電車への送電線を支持する電柱が倒壊、この為首都の大動脈とも言える両線は、今朝から夕方近くまで麻痺し、多くの利用者に影響が出た様だ。今日は日曜日。平日とは異なる混雑の時間帯もあろう。老朽インフラの問題は、上下水道やガス管でも生じているが、鉄道施設のそれは、間違えれば多くの人命にも関わる可能性があるだけに、担当各社は再発のない様、緊張感を持って真摯に対応を願いたいものだ。

今回事故を生じた山手・京浜東北の両線はJR在来線だが、実は新幹線でも看過できない問題があった様だ。今日の地元紙 C新聞の記事を見ながら考えて参る事にしたい。

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『新幹線 パンタグラフ取り付けミス~安全を守る矜持を失うな』(by C新聞社会部)

そこに隙はなかったか。昨年5月、東海道新幹線「のぞみ」で最新車N700系の集電装置パンタグラフの部品を誤って逆に取り付けていた。事故には至らなかったが、架線に接触する集電子「舟体(ふなたい)」が傾いたまま、12日間にわたって営業運転を続けていた。今年1月にそのことを報道したが、「問題ない」という当初のJR東海(以下J海と略す)の反応に、私は釈然としない思いを抱えていた。
「担当部署から直接、話を聞かせてほしい」と依頼。報道から2カ月以上たった3月半ば、取材に応じた車両保守の担当幹部に同じ問い掛けをした。今回のミスをどう受け止めるのか、と。
「他の人も起こし得るミス。担当者だけの問題とは考えていない」「人為ミス ヒューマン・エラー対策にはソフトとハードの両方があって効果が上がる。接合部の構造を、どう改良できるか勉強している」
返ってきたのは、広報を通じて出てきた当初のコメントとは真逆だった。3カ月前の取材に、J海は次のように答えていた。

『当初は甘い認識』

「事故に至らず安全上問題はなかった」「作業者個人の理解不足が問題。誰にでも起こり得るミスではない」「新たなミス防止策は考えていない」
想像もしていなかったその回答に私は戸惑い、同社の安全思想に対する疑念が膨らんだのだ。
昨年は、東海道新幹線の開業50周年、連載や特集紙面のため、数カ月にわたって取材に駆け回った。
「今の新幹線があるのは、改良に改良を重ねて大切に育てたからだ」開業直後、相次ぐトラブルの対応に奔走したある国鉄OBは、こう振り返った。
新幹線を支えてきた他の鉄道マンからも、安全を守る矜持をひしひしと感じた。それだけに、「個人の問題」「ミス防止策は考えていない」という回答への心証は、怒りや憤りよりも「裏切られた」という失望感に近かった。
舟体の交換は2人1組で、手順をチェックシートで確認する。2日おきに車両点検もしていた。二重三重の安全対策をしていたJ海にとっては「まさか」のトラブルだろう。だからといって、作業者だけの問題として終わらせて良いのだろうか。わだかまりは、その疑問からだった。
事故が起きれば、引き合いに出される「ハインリッヒの法則」。一つの重大事故の背景には29件の小さな事故があり、さらに300件の「ヒヤリ」とした体験がある。
開業以来、列車事故による乗客の死傷者はゼロ。「ヒヤリ」体験を教訓に事故の芽を摘んできたのは、他ならぬ新幹線だったはずだ。

集電装置パンタグラフは、走行風にさらされながら、架線から高圧電気を車両に送る装置。J海も「形が微妙に変わるだけで性能に影響するシビアな装置」と認めている。N700系で舟体の向きが決まっているのも、架線を押す力を適正に保つために風を受ける側と反対側で構造を変えているからだ。逆に取り付けた場合「舟体が傾き、ボルトとが緩む可能性がある」と"舟体脱落"の危険性を作業マニュアルで指摘している。

『危険排除 徹底を』

2年前、新幹線の発車直前、車掌が運転台のレバーの隙間に10円硬貨を落とした。このときは大事をとって乗客を一旦降ろし、1編成まるごと交換した。徹底的にリスクを排除する。そんな安全への謙虚さが、今回の取り付けミスを取材した際の反応には感じられなかった。それは、構造的な問題点への対応の鈍さにも表れていた。
舟体の接合部は、凸凹の形状で、万が一、左右逆に取り付けようとしてもかみ合わない構造のはずだった。だが、実際には逆になっても作業者はミスに気付かなかった。構造上の改善点をすぐに検討してしかるべきではなかったか。
4年前の東日本大震災の折の津波で小学生だった次女を亡くした石巻市の中学教諭は、防災についてこう話していた。「想定外を想定することが大切なんです」
どんなに技術が進化しようとも、想定外の落とし穴は潜む。事故に至らなかったミスでも放置しないことが、想定外を想定することではないだろうか。
J海は5年前にも新幹線の舟体交換時、作業者がボルトを締め忘れるミスで停電事故を起こしている。今回の取り付けミスを「事故に至らなかった」と過小評価していなかったか。
担当幹部による"前言撤回"は、遅まきながらもミスに向き合い、想定外の芽を摘もうとする決意と受け止めたい。安全への矜持をまだ失っていない、と信じている。

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この記事を、各位はどうお感じになりますか?確かに、東海道新幹線が無事故裏に開業50周年を迎えられたのは喜ばしいし、それは素直に讃えたい所だ。
ただ、その事の重さと責任が、どうも少し軽くなっていやしないか?と拝読した俺も思うのだ。昨年は、東海道新幹線開業への軌跡を描いたTVドラマも放映され、関係各位の血の出る様な、命懸けの取り組みが紹介され感銘を受けたものだ。以来、地上設備も車両も、そしてサービスなどのソフト面も、絶えず研鑽しながらこれまで走り抜けて来たのではなかっただろうか。戦争史を語る上でも指摘される事だが、現在の運行・運営関係各位の努力を認めた上で、もしかすると最も大事な安全面への強い姿勢が風化し始めているのかも知れない。J海社には、こうした所をもう一度根底から見直して、安全管理への強い取組みを再構築して頂きたい。似た様な姿勢を取り続け、結局は多くの乗客に犠牲を生じたり、深刻な運転障害を多発したJR西日本や同北海道の各社の様な事態を招いてはならない。折しも、先月の時刻改正の折には、2027=平成39年目標のリニア中央新幹線開業前最後の速度向上とも言われる、285km/Hへの上方改定が一部列車で実施され、東京~新大阪間は、最大3分の短縮を果たした。東海道・山陽新幹線の数多いユーザーの中には、一見このどうでも良さそうな3分の時間短縮を重く見、高い価値を感じる方々も多いのである。又、16両編成の列車は一度に1300人を超える乗客が乗り込め、それだけに有事ともなれば、ただでは済まないのは当然だ。勿論「問題発生頻度が低いから少し位は」などと言った了見は通らないし、通してはならないだろう。
全ての事共に当てはまる「安全はすべてに優先する」標語の重さが再認識されるべきである。

折々に、東海道新幹線の画像を撮りに参りますが、中々桜との共演は上手く捉えられないでいます。写真派には、有名な試験列車「ドクター・イエロー」が憧れの的でしょうが、今回は最新車N700(厳密な最新車はN700A)の走行シーンを載せます。
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2 コメント

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Unknown (ココ)
2015-04-12 21:48:43
なんか山手線大変な事になっていたみたいですねぇ~~!日曜日で良かった!なんて言ってはいけないのかな?
安全に関して慣れが一番怖いですねぇ~~。万全を期して欲しいものです。

ところで天皇両陛下、パラオから無事お帰りになってほっとしてます。
しかし~~両陛下のお気持ちも考えずに

先人たちの立派な行いを称える報道は全くなかったり

戦没者は誤った国策の犠牲者で、天皇陛下のパラオ訪問は 戦後70年の反省のためであると言うような・・・

陛下の気持ちを勝手にねじ曲げて邪推し 代弁する場面が多く 腹立たしく思いました。
本当に今の日本のマスコミ 何か間違ってますよねぇ~~。。。

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お言葉通りです!続き (HAKASE(jnkt32))
2015-04-13 09:12:05
ココSAN、今回もご見解を有難うございます。
パラオ国へのご行程報告は、画像と共に改めて感謝です。
仰る通りで、昨日の東京山手・京浜東北両線の障害事故
は、安全策への慣れ過ぎから来る過信が背景にあった様
ですね。
問題の電柱は、事故翌日に交換予定でしたが、事前に
異変があるかもが予測できておれば、防げた可能性大でした。
こう言う事が絶対あってはならないのが新幹線。専門家や報道各位の指摘も謙虚に取り上げて、日々状況
の把握と、対策の追求に邁進して頂きたいものです。
両陛下のパラオご行程も無事終了で良かったと拙方
も思います。その事への報道姿勢も、仰る様に少し
おかしい所も感じます。まずはお礼まで。
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