Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

再び安全・安心~揺らぐ日本品質

2016-05-02 13:28:23 | 社会・経済
2016=平成28年5月も、拙ブログを宜しくお願い致します。

所謂大型連休の期間。多くの有志が大地震に見舞われた九州・熊本市周辺の地域にボランティアとして入り、又、それができない各位による義捐金も集められている様だ。今回の震災ボランティアは二次災害の恐れが大きく付き纏う為、地域によっては熊本県周辺在住の方々に限られるなど、こまでより慎重な取り扱いのやむなきとなっている。一部の有名芸能関係者なども現地入りが伝えられ、少しでも多くの人員が入れれば良いのだが、頻繁に余震に見舞われ、関連する事故リスクも大きい今回のケースは、そうした所も理解した上で支援のあり方を考える必要もありかと心得る。
後、大災害の度に問題となる、有名芸能人の支援活動をすぐ「売名」のレッテルを貼って非難や揶揄する言動は如何なものか。歌手 杉 良太郎さんが仰っていた様に、そうした言動をする者は、億単位の義捐金を寄付してからやってもらいたいとの事。全く同感で、「話はそれからだ」と言う所だろう。

もう一つ、この連休で目立つのが山の事故。登山中の滑落などで、分っているだけで4名が犠牲となった。変わり易く、又、高山部はまだ冬の気候である事を良く読んでいなかった為らしいのは事実だが、やはり人間は自然との駆け引きに敗れる事も多くある事を改めて自覚したいものだ。又、危険だから、犠牲が出るからと言って、この登山と言う高みを目指す、崇高な大義と大志の道を閉ざすべきではない。高山を目指す方々は、休みと言えばパチンコ店などの遊戯施設に通ったり、競馬や競艇などに現(うつつ)を抜かす連中などより、心の中は遥かに立派だろう。自動車で競うモーター・スポーツの世界でもそうだが、こうした高みを目指す努力と研鑽を重ねる姿勢は大いに敬愛されて良い。救助に要する大きな手数と費用を顧みるにしてもだ。勿論、こうした活動を担う警察、消防の方々も十分に尊敬されなければならないだろう。

さて、その様な崇高な大志とは裏腹な出来事が我国の大企業で起きている。先日来の、三菱自動車の国交省向け燃費データの不正問題。同社は今世紀に入って、自動車の様々な部位での事故や不祥事を度々起こしており、それによる複数の犠牲まで生じている。この工作は、今に始まった事ではなく、もう平成初期辺りから20年以上も続く項目もあり、又、国の定める基準によらない測定方法を取り続けた所もあると言う。こうした問題は、行政対企業のあり方と、企業内部の体質のあり方の二つの要因が考えられるのではないか。

まず前者の行政との向き合い方の問題。広く知られる様に、三菱グループは旧財閥系。行政とのパイプは勿論決して細くなく、戦前より産官による様々な連携の一方で、形こそ違え、今回の様な不明朗な事共もゼロではなかったのではと心得る。つまりたまたま露見しただけの話かも知れず、詳しくは今後の調査結果を待つべきかも知れないが、古くからの体質に根差す問題であるのが事実なら、行政、企業の双方が抜本的な再発防止策を強く打ち出す必要がある。

企業サイドの問題としては、やはり大企業体 三菱グループの内輪の庇い合いと言った所か。前回、三菱自動車の経営が傾いた折にも、支援したのは三菱東京UFJ銀行を主とする、グループ内の所謂「内輪」と言われる金融集団だった。だから今回も「内輪が助けてくれる」との甘い期待が生じるかも知れないが、株価が大きく下がり、製品の受注残がピークの半分程度と言う現状では、これまでの様には行かないかも知れない。今世紀の初めと比べ、世論の受け止めも決して甘くはないだろう。事のなり行きによっては、三菱自動車自体の進退、存亡の危機ともなりかねないだろう。

今年に入って、同社のみならず、我国の主要企業の幾つかが、類似の事態に直面している様だ。決算関連で虚偽の数字を出した東芝は、家電部門が中国大陸の大手企業の傘下に入った様だし、同じ家電のシャープも、経営危機から台湾の大手家電の傘下で再建の道に入るとか。今年初に指摘した、秀逸な日本品質が根底から揺るがされる危険が更に増したと言う事か。又、家電の場合、製造工場の多くがアジア圏に移って、その現地工場の技術水準が日本国内のそれを下回る事が少なくないのではと言うケースも見られる。こうした芳しくない事が続くと、製品の高い品質が損なわれ、かつての秀逸な「故障に強い」日本品質が維持できなくなる恐れがあろう。

既に我国の大学教育は、低能だった戦後教育のあおりもあって、大韓民国や台湾国をも下回っているとの指摘もある。同じ三菱グループの三菱航空機は、高い性能水準を誇る国産旅客飛行機MRJの練度の高い試験飛行や、続く量産試作機の生産など、我国の製造業の浮沈に関わる大切な事共を担う。高い技術や品質を守る人材を育てる事ができなければ、我国の産業界は傾いてしまう。若い技術者の育成と共に、大企業の企業倫理の再建も大きなテーマだと思うのだが。
今回画像は、当地近所のJR東海道線・熱田駅より臨む金山副都心方面の様子。春の青空も長くは続かず、後少しで鬱陶しい梅雨時がやって参ります。
今夏は、南米産のジカ熱が流行る心配もあり、蚊に刺されない様用心する必要もありそうです。

コメント (2)
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