生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

ヴァイオリニストAさんのお話

2006-06-23 16:22:40 | CS(子供伝道)
 ヴァイオリニストのAさんと一緒に教会学校の教師をさせてもらっています。Aさんがこの間、子供たちに感動的なお話をして下さったので紹介したいと思います。


 ドイツに演奏旅行へ行ったときのことです。日本にいるときから、体調が悪かったため気が重かったのですが、出発しました。飛行機でトイレに入ったとき、倒れて少しの間、気を失ってしまいました。こんなこと、初めてだったので不安になりました。

 ドイツに着いてホテルで熱を計ると39℃もありました。明日は演奏会なのに困ったなあと思いました。たったひとりで言葉も通じないため、病院へも行けませんでした。薬もないので、とにかく何か食べなければと思いました。

 カップラーメンを出して、お湯をわかそうとすると……ホテルの部屋には電磁調理器があったのですが、熱くなっているところをうっかりさわってしまい、人差し指をやけどしまいました。みるみるうちに水ぶくれができ、じんじん痛みます。

 ヴァイオリンの演奏で、人差し指でつまびくところがあるのにどうしようと思い、あせりました。祈ってもらおうと日本の教会へ電話したら、風邪のため全く声が出ませんでした。

 明日、演奏会へ行けたとしても、飛行機の中のように途中で倒れてしまうのではないかと不安でたまりませんでした。その夜、祈ってはうとうと寝て、また目覚めたら祈って……と繰り返し、朝になりました。何とか演奏会をする場所に辿り着きました。会場が教会だったので、何だかほっとしました。

 必死だったので演奏のようすは覚えていません。やけどをした人差し指から血がにじんでいましたが、演奏が終わると、みんなが拍手して喜んでくれました。
 会場に日本人のクリスチャンがいました。その人に声をかけられて家に呼ばれて行き、昨日からの出来事を話しました。その人は、
「神さまが助けて下さってあなたを強め、演奏できるようにしてくださったのだ」
と言って下さり、一緒に神さまをほめたたえました。

 それまでは、自分の力や努力で演奏をするという思いがあったのですが、それからは、神さまの助けがあって初めて演奏できるのだと思うようになりました。


 海外から招かれるほどの演奏家であるAさんは、とても謙遜な方です。Aさんのすばらしい演奏や人柄は信仰からきているのだなあと思いました。
 有り難いことに、わたしが教会学校で奏楽をするときは、いつもAさんにお願いして弾いてもらっています。(おかげで下手なピアノがカバーされます)ヴァイオリンとギターとピアノの伴奏で賛美できるとは、何と恵まれているのでしょう。
                               

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