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Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

課題は解消しないままに快勝(18節甲府戦)

2025-05-31 23:02:48 | マッチレポート25'
前節の長崎戦は選手層の薄さを指摘するポイントで記事を書いた。1ヶ月以上前から気にはなっていたけど、明確にそこで負けたなと感じたし、さらにその次の試合が天皇杯だったというタイミングもあってそういうポイントにした。しかしその天皇杯での片野坂さんのチョイスはスタメンそのままというまさかの結果に。無事に勝ち抜いたものの試合後に片野坂さんの口から発せられたスタメン以外の選手たちへの評価は非常に厳しいものだった。試合だけでなくおそらくトレーニングでの振る舞いも物足りないんだろうなということが容易に想像される。この先どんどんシビアな戦いに突入していくシーズンを考えても不安だし、そういう底上げがないことが残念で仕方ない。なかなかチャンスを掴めなかった選手が突き抜ける瞬間を見たくて長いこと1つのチームのサポーターをやっていると言っても過言ではない。もう片野坂さんの言葉を読んでいると正直今シーズンはそういう評価をされてしまっている選手たちは厳しいかなと思うけど、それでも諦めずにやってチームを助けてほしい。


チームの久しぶりの勝利を喜びたいところだけど、決勝ゴール前の数分間に今の大分トリニータが抱える課題の全てが詰め込まれていると思った。83分くらいから大分の左サイドで押し込む。丈晟や戸根に局面を打開するチャンスが何度か巡ってくるも慎重になって仕掛けない、勝負しない。そこでボールを失ったとしてカウンターを食らうわけでもないんだから何かやってほしかった。そういうところに選手の価値は表れると思うし、もどかしかった。そしてそこで下げられたボールは最終ラインを経由して今度は右サイドへ。コーナー方面へ流れるようにゴールを背にしてボールを受けたノムに対して、そのノムが作ったスペースを猛然と駆け上がってボールを要求した真那斗。あそこをヒールで通せるのはやはりノムのクオリティによるところが大きいけど、それでもそのボールを要求したのは真那斗だ。そしてそのランニングが結果的に大分トリニータに勝ち点3をもたらす結果となったわけで、この数分間で左サイドに感じたもどかしさと右サイドに感じた信頼感こそ今の大分トリニータが抱える課題そのものだなと感じた。逆転ゴールが目の前で決まっても喜べない丈晟を見て、もう自分のことで手一杯でチームの状況までを冷静に把握出来る状態ではないんだろうなと思った。もうチームの強化は次のフェーズを目指していくべきかなと思う。今シーズンは本気で昇格を目指していくべきと思うからこそ。


結果論ではなくて、後半に甲府に退場者が出る前からこの試合は勝たないとと思いながら観ていた。中川が入った効果かビルドアップが大きく改善した。あまり甲府のプレスに連動性がなかったこともあるけど、ジリジリと前進して甲府陣内で過ごす時間が長かった。一方で甲府も低い位置から繋いでいく姿勢を見せる割にはマンシャにそのクオリティはなく簡単にボールを回収することが出来た。早い時間帯に点が欲しいなと思ってた矢先に先制されてしまったけど、勝たないとという思いに変わりはなかった。甲府は今のサッカーを志向するならマンシャでは厳しいと思うけど、あの決定力を見せつけられちゃうと悩ましいね。リードをしているチームが数的不利になった結果、残り時間を割り切って守り切るなんて試合は人生でそれこそ何十試合も観てきたわけで簡単ではないことは百も承知だったけど、まずはすぐに追いつけたことが大きかった。まさか入るとは思わなかったので完全にゴールキーパーのミスだと思うけど、強く叩き付けた有馬のフォワードらしいゴールだった。先に書いた逆転ゴールも含めてこれだけキレイに数的有利のチームが逆転出来るのは簡単なことではないと思うので、今日はナイスゲームだったと思う。


良くなった一番の要因はビルドアップがスムーズで相手を押し込めたこと。それはおそらく中川の巧みなポジショニングによるところが大きいと思う。榊原をベンチに回して良くなるのは贅沢な話だけど、中川も秀逸なポジショニングの一方でここぞのキックとかボールコントロールの精度とか意外と低いからまだまだ切磋琢磨してほしい。今日は不在だった藤原がいればもっと縦に差すパスも増えてくるだろうし、可能性も広がる。

まるで去年までの姿に戻ってしまったかのようなデルラン、試合ごとに伊佐の足に巻かれるテーピングの面積が広くなっていくこと、宇津元の絶対にやってはいけない失い方をきっかけに失点と、良いことばかりの試合ではなかったけど、好調だった相手に内容を伴って勝てたことはデカいね。




あまり存在感のない1トップの外国籍選手、危なそうだなという雰囲気そのままに退場してくれた外国籍選手、全然ビルドアップ出来ない外国籍選手と正直近年の中でもほとんど恐さのなかった甲府だけど、2シャドーの2人だけは推進力や打開力に長けていて恐かった。そんな鳥海芳樹と田中雄大は1学年違いの桐光学園の10番だった選手。それぞれ桐蔭横浜大と早稲田大に進んでプロとなった。田中雄大は岡山を経由して今シーズンから甲府に移籍して2人の共闘が実現した。特に鳥海は個人的には大学時代にすごく良い選手と評価していたので甲府で10番を付けてチームを引っ張っているのは少し嬉しくもある。大分戦以外で頑張って。


この甲府戦は遠征する予定にしていて2週間前まで飛行機、ホテル、レンタカーも予約していた。明日ヴェルスパとのアウェイゲームに臨む武蔵野と大分トリニータのセット遠征はもうかれこれ10年くらい狙っていてやっと実現すると思っていたんだけど、息子の夏の大会が始まったため泣く泣くキャンセル。でも今は息子の試合よりも面白くて熱くなれる試合はこの世には存在しないので、まあまた次の機会にという感じだけど久しぶりのホームで勝ち試合は観たかったなと。ただ一つだけ、U-18がクラ選の予選で鹿児島に負けたとか。まだチャンスはあると思うけど、今のアカデミーの成績はちょっと心配ね。来週の今治戦は初の遠征地で、今シーズン初の泊まり遠征。順位表上も重要な試合で今から楽しみだ!
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