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Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

ポジション争いが存在するということ(1節札幌戦)

2025-02-16 19:25:47 | マッチレポート25'
皆さま、あけましておめでとうございます。年々早くなるサッカーファンのお正月。

昨シーズンあれだけ酷かったにもかかわらず開幕戦が近づくとワクワクしてくるのもはや病気だよね。開幕戦はやはり先発を勝ち取るのが誰になるのかが一番気になるわけで、今シーズンはケガ人が少ないということが事前に漏れ聞こえてきていてそれだけでもホッとする要素だった。

ゴールキーパーはハマタローが先発。そもそも昨シーズンは開幕戦に先発予定だった西川幸之助が直前で負傷してしまうというところから1年を通じてゴールキーパーが固まらなかった。今シーズン片野坂さんがどういうサッカーを展開したいのかがある程度見えてきた中でハマタローにとっての一番の不安要素である足元を求めることはほとんどなさそうなので、シンプルにゴールを守ることが最優先という状況であればハマタローの先発は納得出来る。前半に1つビッグセーブを披露して開幕戦からクリーンシート。ナイス。

最終ラインは右からペレ・藤原・デルの並び。デルランもハマタロー同様繋ぎの部分のストレスを除いてあげるとノビノビやれる印象。藤原とペレイラに関しては90分間を通して安心感のある対応。ペレイラの上がりは今シーズンも要所で期待したい。

両ウイングは右に真那斗、左に宇津元。左は茂平か薩川という予想が多かったみたいだけど結局は昨シーズンも左で多く先発した宇津元がゲット。近藤友喜対応という今日の試合で最も難しいタスクのポジションだったと思うけど、70分の交代までよくやっていたと思う。真那斗についてはもう言及不要。ただただキミはスーパー。

ボランチは榊原と天笠の新加入コンビ。ここも野嶽という予想が多かったけど、ベンチ外なのでおそらくコンディション不良。2人とも随所に良さを感じさせてくれたけど、何よりも印象的だったのは後半アディショナルタイムまで何度も何度も球際に厳しくアプローチ出来ていたこと。けっこう途中交代の多かった前任のユースコンビと比較してももうこのタフな部分だけで当たり補強の雰囲気を醸し出している。

シャドーは最大の激戦区になると思われたけど、有力だった池田廉とダークホースだった有働の組み合わせに。昨年の12月に有働のアマキャリアラストマッチとなるインカレを大阪で観た。残念ながら負けてしまったけど、その試合でも追撃の一撃を決めていた有働。アマラストとプロデビュー(正式)連続でゴールを決める有働は持っているよね。




ロングスロー投げる → 自分の足元に戻ってくる → 縦に仕掛けてFKゲット → ゴール裏煽る → プロ初ゴール決める

何だこの圧倒的な主人公感は。チームにケガ人が続出した特別指定時代は本当に都合よく使ってしまって大変だったと思う。今シーズンからはじっくりと腰を据えて自分の武器を磨いてほしい。池田廉はまだ本調子という感じじゃなかったかな。

そしてトップは最も期待されていたと言っても過言ではない有馬。力強くターゲットとなってくれるだけで待望のFW加入という評価だったけど、デビュー戦で決勝ゴールを決めてしまうという役者っぷり。吉岡さんは有馬の獲得だけでもう今シーズン一番の仕事をしたと胸はっていいよ。ずっと対峙した大崎はおそらく今シーズンのJ2の中でも相当強い部類に入ると思うけど、それを全く苦にしない強さは頼もしいの一言。


ということで取り急ぎ開幕戦の全ポジションを振り返り。勝ったことも嬉しいけど、何よりも健全にポジション争いが行われているんだろうなという状況が一番嬉しい。ハッキリ言ってしまえば昨シーズンは健康でいればある程度試合には出られた。それは掴んだチャンスではなくて、回ってきたチャンス。それではチームは強くならない。個人的に今シーズンのポイントは「キヨを切り札にしないこと」だと思ってきた。後半の勝負どころで「キヨ頼む、何とかしてきてくれ!」という使い方が増えればケガのリスクも高まる。レジェンドの帰還はそれは嬉しい。でも夢生や司を見てきてそれが純粋に戦力的な上積みとして期待出来るのかと言われればそれは違うと思う。だから今日のようなキヨの使い方でいいと思う。ノム、茂平、野嶽が同時に不在でも層の薄さを感じないスカッド、鮎川をサブから使えるスカッド。何とかこのままこの厚みをキープしたままシーズンを進めたい。


今日の対戦相手である札幌はJリーグの中でもポゼッションサッカーの象徴のようなチームだったわけだけど、7年間札幌をJ1に残留させ続けたミシャ監督が退任。後任の岩政監督はミシャのサッカーを継承すると試合前のインタビューでは語っていたものの、実際は大きく変わっていたと言っていいと思う。ポゼッションサッカーの権化のようなペップでさえここ最近の不調時は「リターンよりもリスクの方が大きい」と言い切るくらいに世界のサッカーのトレンドは変わった。かつてはミシャさんの後継者のような位置付けだった片野坂さんももうポゼッションは一つのやり方でそこにこだわりは見せない。今日も長いボールを蹴ることは厭わず、球際や切り替えを重視し、相手が持ちたそうにすれば迷わずハイプレスの構え。時代は変わった。新しい時流をいち早くキャッチしたチームが春秋制最後のJ2リーグを制するんじゃないだろうか。


まあただ札幌の出来が悪かったという側面は忘れずにいたい。いきなり開幕戦で降格組と当てられるの嫌だなと最初は思っていたけど、7年もの長期政権が終って新しいチームを作り始めるチームなんだから完成形に近づく前に当たってしまった方が良かったねと結果論では思う。ファーガソン以降のマンチェスターUだって、ヴェンゲル以降のアーセナルだってしばらくは苦労した。日本における7年なんて最長クラスの長期政権なんだからそりゃ苦労するよね。






2ゴールとはいえどちらもセットプレーでまだ安心出来ないと思っているそこのアナタ!年明けにJリーグが公開したスタッツレポートはお読みになりましたか?もはや現代サッカーにおける得点のトレンドはセットプレーなんですよ。日本サッカー界のトレンドは当然のことながらJ1から始まるわけでおそらくJ2も今シーズンはセットプレーの割合が30%を超えてきて当り前のように最も決まる得点パターンになってくるでしょう。セットプレーはおまけでなく主役なのである。セットプレーの得点パターンを持たない方が時代遅れ。だからセットプレーからの2点は歓迎すべき状況だと言っていいと思うよ。


たかだか1試合で喜びすぎなのは自分でも自覚しているんだけど、それでも勝ちたいとすら思わなくなっていた昨シーズン終盤と比較すると天と地ほどの差が今日の試合からは感じることが出来た。だから昨シーズンの分までとりあえずはこの試合で喜んでおきたい。次節は有馬の古巣いわき。開幕戦の千葉戦ではキックオフと同時にハイプレスを敢行。前半は圧倒的に押し込むも、後半になって風向きが変わると千葉がロングボールを多用して対応。数少ないチャンスを確実に決められて0-2で敗戦。ホーム開幕だったにも関わらず勝ち点はおろかゴールの片目すら開かなかったのは少々痛い。おそらくうちにもハイプレスはハマらない。どう対策してくるかは田村監督の腕の見せどころ。谷村は相変わらず脅威なので気を付けたい。


1週間が待ち遠しいと思わせてくれるのが嬉しい。充実したシーズンになりますように。
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