『ミッション : インポッシブル/フォールアウト』 クリストファー・マッカリー監督 ☆☆☆☆☆
この週末に映画館で観てまいりました、「ミッション・インポッシブル」最新作。前作の『ローグ・ネイション』は自分の中でかなり高評価だったし、予告編を見ると面白そうだったのでそれなりにワクワクしながら行ったのだが、なんと、予想をはるかに上回る出来。すっげえ面白かった。興奮度でいえばこれまでで一番じゃなかろうか。
今回のミッションはプルトニウムの回収で、メンバーはいつものイーサン・ハント（トム・クルーズ）、ベンジー（サイモン・ペグ）、ルーサー（ヴィング・レイムス）に加え、CIAからお目付け役として派遣されたウォーカー（ヘンリー・カヴィル）。ご存知スーパーマンの役者さんである。そして前作でも活躍したMI6の女スパイ、イルサ（レベッカ・ファーガソン）が再登場。悪役も前作に続き、インテリっぽい雰囲気とヘンな鼻声が印象的なソロモン・レーン（ショーン・ハリス）。ジェレミー・レナ―は今回出て来ない。
例によって、途中でイーサンが裏切り者の濡れ衣を着せられるのもお約束のパターン…と思わせておいて、今回はそのパターンを逆手に取った痛快な逆襲が見もの。第一作の特徴だった頭脳的な「騙し」技が、部分的に復活している。
が、やはり本作の最大のウリはアクション。なんといってもアクションである。そしてそのアクションの充実っぷりがえらいことになってる。まず第一に、トム・クルーズの体を張ったアクションがますますパワーアップ。顔だけ見るとちょっとふっくらして年齢を隠せないトムだが、アクションを見ているとまったく衰えを感じない。全力疾走し、ビルからビルへ飛び移り、飛んでいるヘリコプターによじ登る。これをスタントを使わずに自分でやってるというからすごい。なんでもビルに飛び移るシーンでは、骨折までしたらしい。いやー頭が下がります。しかしあの全力疾走のフォームを見るだけで、ものすごく体を鍛えてることが分かる。
第二に、格闘アクションが全体に迫力を増している。どの場面でもそう感じるが、特に驚いたのは序盤の、謎の中国人とのトイレでの格闘。とりあえずこの中国人強過ぎだろ。トム・クルーズとヘンリー・カヴィル＝スーパーマンの二人がかりでも手に負えず、壁をぶち抜いたり鏡に投げ飛ばされたりとド迫力アクションのつるべ打ちだ。その他、レベッカ・ファーガソンの格闘技も前作よりスピードとキレが増している。彼女は足技が得意らしく、相手に馬乗りになって脚を絡めて引き倒す技をよく使うが、そういう「得意な格闘技」まで計算しているとしたら芸が細かい。
第三に、チェイス・シーンのスリル。前半はトラックのチェイスからバイクのチェイスへと目先を変えて飽きさせないが、このバイク・チェイスはかなりユニークだったと思う。ボーン・シリーズ以降チェイス・シーンの主流である、近距離から撮ったこまぎれのショットを目まぐるしく切り替えて臨場感を出す方法ではなく、比較的遠くから撮ったショットを時間長めに見せる。それじゃ迫力に欠けるんじゃと思うかも知れないが、疾走するバイクがそのまま車の流れに突っ込んでいったりするので、ものすごくハラハラする。思わず「うわー」とか言っちゃったよ。
第四に、もう、なんといってもクライマックスのハラハラが史上最強。飛んでるヘリコプターにイーサンが「綱のぼり」でよじ登ったあと（何度か落ちそうになるのがまた心臓に悪い）、空中でヘリコプターのチェイス、雪原へ勢いよく墜落、そして切り立った断崖絶壁で最後の決闘。ま、最後どうなるのかは言いませんが、思う存分ハラハラできます。同時並行的に、レベッカ・ファーガソン＋サイモン・ペグ組がソロモン・レーンと死闘して殺されそうになるわ、ヴィング・レイムスがカウントダウン始まった核爆弾を解体しようとするわ。で、そこに久々登場のイーサンの愛妻ジュリア（ミシェル・モナハン）まで絡んでくる、という文句のつけようのない豪華さ。
女優陣という意味ではレベッカ・ファーガソン、ミシェル・モナハンに加えてもう一人、ホワイト・ウィドウことヴァネッサ・カービーも登場。敵キャラだが白いドレスが色っぽい。色んな意味で贅沢きわまりない娯楽映画である。これはおなかいっぱいになります。いいタイミングで入ってくるギャグの加減も良い。ベンジーの「おれの身の安全はどうなる？」の質問にイーサンが返す「I'm working on it」には笑ったなあ。あれ、日本語字幕ではどう訳されてるんだろう。
これはもう、ハリウッド製アクション映画の決定版といってもいいんじゃなかろうか。トム・クルーズが嫌いって人以外は、とりあえず観た方がいいと思います。
この週末に映画館で観てまいりました、「ミッション・インポッシブル」最新作。前作の『ローグ・ネイション』は自分の中でかなり高評価だったし、予告編を見ると面白そうだったのでそれなりにワクワクしながら行ったのだが、なんと、予想をはるかに上回る出来。すっげえ面白かった。興奮度でいえばこれまでで一番じゃなかろうか。
今回のミッションはプルトニウムの回収で、メンバーはいつものイーサン・ハント（トム・クルーズ）、ベンジー（サイモン・ペグ）、ルーサー（ヴィング・レイムス）に加え、CIAからお目付け役として派遣されたウォーカー（ヘンリー・カヴィル）。ご存知スーパーマンの役者さんである。そして前作でも活躍したMI6の女スパイ、イルサ（レベッカ・ファーガソン）が再登場。悪役も前作に続き、インテリっぽい雰囲気とヘンな鼻声が印象的なソロモン・レーン（ショーン・ハリス）。ジェレミー・レナ―は今回出て来ない。
例によって、途中でイーサンが裏切り者の濡れ衣を着せられるのもお約束のパターン…と思わせておいて、今回はそのパターンを逆手に取った痛快な逆襲が見もの。第一作の特徴だった頭脳的な「騙し」技が、部分的に復活している。
が、やはり本作の最大のウリはアクション。なんといってもアクションである。そしてそのアクションの充実っぷりがえらいことになってる。まず第一に、トム・クルーズの体を張ったアクションがますますパワーアップ。顔だけ見るとちょっとふっくらして年齢を隠せないトムだが、アクションを見ているとまったく衰えを感じない。全力疾走し、ビルからビルへ飛び移り、飛んでいるヘリコプターによじ登る。これをスタントを使わずに自分でやってるというからすごい。なんでもビルに飛び移るシーンでは、骨折までしたらしい。いやー頭が下がります。しかしあの全力疾走のフォームを見るだけで、ものすごく体を鍛えてることが分かる。
第二に、格闘アクションが全体に迫力を増している。どの場面でもそう感じるが、特に驚いたのは序盤の、謎の中国人とのトイレでの格闘。とりあえずこの中国人強過ぎだろ。トム・クルーズとヘンリー・カヴィル＝スーパーマンの二人がかりでも手に負えず、壁をぶち抜いたり鏡に投げ飛ばされたりとド迫力アクションのつるべ打ちだ。その他、レベッカ・ファーガソンの格闘技も前作よりスピードとキレが増している。彼女は足技が得意らしく、相手に馬乗りになって脚を絡めて引き倒す技をよく使うが、そういう「得意な格闘技」まで計算しているとしたら芸が細かい。
第三に、チェイス・シーンのスリル。前半はトラックのチェイスからバイクのチェイスへと目先を変えて飽きさせないが、このバイク・チェイスはかなりユニークだったと思う。ボーン・シリーズ以降チェイス・シーンの主流である、近距離から撮ったこまぎれのショットを目まぐるしく切り替えて臨場感を出す方法ではなく、比較的遠くから撮ったショットを時間長めに見せる。それじゃ迫力に欠けるんじゃと思うかも知れないが、疾走するバイクがそのまま車の流れに突っ込んでいったりするので、ものすごくハラハラする。思わず「うわー」とか言っちゃったよ。
第四に、もう、なんといってもクライマックスのハラハラが史上最強。飛んでるヘリコプターにイーサンが「綱のぼり」でよじ登ったあと（何度か落ちそうになるのがまた心臓に悪い）、空中でヘリコプターのチェイス、雪原へ勢いよく墜落、そして切り立った断崖絶壁で最後の決闘。ま、最後どうなるのかは言いませんが、思う存分ハラハラできます。同時並行的に、レベッカ・ファーガソン＋サイモン・ペグ組がソロモン・レーンと死闘して殺されそうになるわ、ヴィング・レイムスがカウントダウン始まった核爆弾を解体しようとするわ。で、そこに久々登場のイーサンの愛妻ジュリア（ミシェル・モナハン）まで絡んでくる、という文句のつけようのない豪華さ。
女優陣という意味ではレベッカ・ファーガソン、ミシェル・モナハンに加えてもう一人、ホワイト・ウィドウことヴァネッサ・カービーも登場。敵キャラだが白いドレスが色っぽい。色んな意味で贅沢きわまりない娯楽映画である。これはおなかいっぱいになります。いいタイミングで入ってくるギャグの加減も良い。ベンジーの「おれの身の安全はどうなる？」の質問にイーサンが返す「I'm working on it」には笑ったなあ。あれ、日本語字幕ではどう訳されてるんだろう。
これはもう、ハリウッド製アクション映画の決定版といってもいいんじゃなかろうか。トム・クルーズが嫌いって人以外は、とりあえず観た方がいいと思います。
今回は、