崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「明治日本の産業革命遺産」

2015年07月05日 05時01分30秒 | 旅行
ドイツで開かれている世界遺産委員会で、日本が推薦した「明治日本の産業革命遺産」の審査が持ち越されたという。尹炳世韓国外相が登録に協力を約束していただけに、予想外だった。ユネスコの会議と政治は切り離して考えるべきであろう。1972年ユネスコ総会で世界遺産条約が採択され、日本は1992年加盟以来委員会のメンバーとして活躍している。1994年「古都京都の文化財」1996年「広島原爆ドーム」が世界遺産に指定された。今度「明治日本の産業革命遺産」の指定には、委員会で猛活躍している韓国のメンバーにより、戦時中の強制労働の歴史をめぐる否定的な意見が出されたことによって難航している。これよりはもっと問題になりそうだったのが「広島原爆ドーム」であろう。なぜなら多くの韓国人も死んで、今なお被爆者がいるからである。写真は2006年筆者が撮影したもの。
 そもそも世界遺産として指定することは文化財などを保護・保存するのが目的であったはずである。しかし国際政治の力争いになっている感がしてしょうがない。オリンピックもその現象が多い。今度の件に関しては韓国の過剰な政治的強権乱用のように感じざるを得ない。本来の保護・保存するという目的に立脚して世界遺産委員会で客観的に正しく判断し、決裂しないようになることを強く希望する。私は10月ソウルで開かれる10数ケの民俗関係連合学会で文化財法をめぐって基調講演を依頼されている。その際にこの件を含めてきちんと話をしたい。読者のご意見を願う。