崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「国際紳士」

2015年07月20日 04時34分21秒 | 旅行
昨日は大連から来られた二人と門司の大連航路記念館へ行った。案内で行ったが、実は私もその記念館ははじめてであった。満州映画に関する資料も多く林氏にはよい良かった(写真左は林氏、右は同館の室長の松永武氏)。数十年間中国を一人で調査をしてきた私には中国人相手の辛い経験もあり、楽しいことさえそれで帳消しになっている。しかし最近国際化された二人の中国人に会ってその印象はキレイに消えた感がする。講師として来られた崔戈氏はアメリカコロンビア大学に留学した方で明るく東洋の敬老思想と西洋のレディファストなど調和したマナーを身に着けた青年である。中には対照的な人もいる。中国の漫漫的、西洋の個人主義だけを取り入れて悪賢く生きる、悪い点だけが混ざった品のない人間も多い。国際化によって「国際紳士」が生まれる一方「国際小人」も生まれる。韓国人にとってアメリカンドリームは広く大きい。我が世代の人はアメリカに留学して帰国して出世する夢が多かった。しかしアメリカへ200万人ほど移民して、その夢は小さくなり、否「問題児をアメリカへ」という言葉も一般化されている。
 広島大学在職中の話になるが、以前ニューヨークで在米韓国人に会った。その後彼は日本まで私を訪ねてきて国際学会を北朝鮮で開くことを提案した。私はその前に広島で国際学会を行うことになり、普段は絶対しない私が積極的にスポンサーを募り、世界から学者を呼んで学会を盛況させることができた。しかし彼は私が募金したお金をもってアメリカに逃げたので、結局私の借金となった多額の金を私自身が払うことになった。国境をなくすボーダーレスが国際化と思われるが、国境を巧みに悪用する人も多い。