崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「終戦から休戦へ」

2015年07月06日 05時08分07秒 | 旅行
 昨日本欄に載せた世界遺産指定の審査に韓国側の発言内容をめぐる日韓の調整が難航した件は最終的に満場一致で決定、素晴らしい結果となった。日韓関係の新しい礎石となるとも思われて嬉しい。韓国は「戦時中に朝鮮人労働者が強制徴用されていた」と主張したが譲ったのである。日本では19件ほど世界遺産があり、端島の全島、いつか日本全国が指定されるような勢いである。中国は相対的に指定されているものが少ない。文化施設の保護のためにではあるが、過剰な観光化により施設が毀損されることもある。昨日多くの新聞には遺産決定を契機に観光宣伝が先走っていた。村おこしなど利用欲が著しい。それよりは保存保護の工夫が先であろう。
 今年は終戦70周年と平和への論議が期待されるが、メディアの騒ぎが盛んな状況になって憎しみをぶつけ合うようなもう一回戦争でもするような記事報道が多い。昨日ある民放では沖縄の人が本島への恨みを強く主張するのを聞いた。皇民化運動や戦争動員など韓国が日本に訴える内容とほぼ同様であった。台湾はオランダ・スペイン、清、日本、アメリカなどに支配されてきた。また昨日「台湾、戦勝70年パレード」という記事には驚いた。いわば日本の植民地では親日国と言われている台湾さえ「抗日戦争での勝戦」ということだろうか。国民党が日中戦争で戦ったということは認めても台湾さえ「抗日勝戦」というと唖然としてしまう。米軍の勝利の恩恵を受けて、植民地から解放されたのに何を言っているのか。私は東アジアにおけるこのような勝手な戦後の歴史認識を聞きながら大いに失望している。70周年「終戦から休戦へ」と主張したい。