崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

強制労働

2015年07月07日 06時16分42秒 | 旅行
今日は七夕である(写真http://sozai-site.com/hagaki/temp/natu/tanabata/02)。中国から伝播された民俗ではあるが意味解釈などは日韓において一部異なる部分がある。日本では学問の日とも言われているが、韓国では主に恋人の再会の日とされている。世界遺産の登録を巡って日韓の妥協の内容で強制労働‘forced to work’の意味が異なっている。日本政府は‘forced to work’を「働かされた」というが、韓国は強制的に労役したという。言葉遊びのようなこの言葉には、法律をめぐる話以前にもともと重要な意味がある。韓国では「嫁生活は辛い」という民謡があるほど強制労役に近いと言われてきた。会社などの多くの職場では強制労役のようなものが多い。わがマンションから見下ろせる建築現場を見ながら強制労役とどう違うか考える。
 働くことについては肯定的な人と否定的な人がいる。その結果は大きく異なる。韓国の国民的な強制労役といえば兵役であろう。日本では徴用を「苦役」ともいう。刑務所では労役せず生活ができると思う人もいるらしい。多くの人がそう思うと刑務制度は存在しにくくなる。問題は自由意識があるか、労働に肯定的か、否かであろう。韓国では兵役は国民の意志で作られた法律によって行われる「神聖な義務」だという。しかしもう少し民主化が進むと苦役への裁判沙汰になるだろう。戦争中日本は多くの法律を作って人を戦争や労役に動員した。国家総動員法にもとづいて国民総動員令を出して帝国臣民を動員したのがその一つである。それはまだ多くの国が持っている兵役の義務(?)と似ている。ただ戦時と、そうではない時の差に過ぎない。