崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

公開録画

2015年07月11日 04時50分47秒 | 旅行
昨日は私の「日本文化論」を公開録画した。中国からの留学生はほぼ参加しなかった。TVカメラの前でV字を見せながら喜ぶ人が多かったが逆の人も多い。長い間TV局に勤めた二人はまだカメラの前では恥ずかしく思うのだろうと言う。否、中国では間違って顔を出すと酷い目にあうことがあるという人もいた。講義は自然体そのままに撮られたと思う。まず先週のテーマ「日本人の贈答」について学生たちのコメント、贈り物は「心の文化」という私の意見に大いに賛同した内容であった。昨日のテーマは「日本食」であった。まず韓国、中国、モンゴルでの日本食の状況を見せてから「寿司」について説明を加えた。生の魚を食べる文化圏は日本を中心とした東南アジアの地図で指名した。牛肉を生で食べる「肉膾」、「馬刺し」などの最も肉の味をよく知った多様なメニューがあることがわかる。特に早くから日本人は魚を生で食べることは、衛生文化の発展ともいえる。
 もう一つは稲作文化の米、ご飯が主食となっていることの起源は中国、特に中国の南部から東南アジア稲作文化圏ではモチ性つまり粘りけの米が好まれることに至る。私の研究で神にささげる餅は韓国は粳米、日本は糯米の差があることを説明した。日本人は韓国人より粘り気が好きであること、日本食の中に納豆、長芋など粘り気のある食べ物が多い。昨日私を含めほぼ全員が納豆は好きではないと言った。日本人はねばねばを好む。「粘り強い日本人」(?)とよく言われている。心の文化の「贈答」、衛生文化の象徴の「鮨、刺身」、モチの粘り気文化という3点を学生たちと楽しく議論することができた。これからは権藤博志氏と藤中和岳氏の編集に大いに期待する。写真は藤中氏が撮ったもの。