崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

黄砂

2014年06月01日 04時32分52秒 | エッセイ
 昨日(5月31日)は全国的に初猛暑日を記録した。日本より韓国がより暑く、大邱では37度を越えたという。大陸性気候で寒さと暑さの差が日本より激しい。暑さとともに黄砂も飛来して、各地で空が霞んでいるという。近日雨も降らず車が汚れている。最近は黄砂やPM2.5の情報も日常的に予報される。誰しもそれが「中国大陸から」と感じ、思う。アスファルトなどの舗装が少なかった以前には韓国と日本にも黄砂があり、痰や青鼻の時代があった。それは有毒なものではないと生活化されていた。しかし半世紀前東京都知事選で公約した美濃部氏の「富士山が見える」環境政策によって良くなってきたのを私は経験的に知っている。中国では黄砂は長い歴的な現象であり、家庭やホテルでも唾器が日常的に使われた。今中国は隣国まで悪影響を及ぼすことを考え環境政策をより積極的に優先すべきであろう。
 今週末には中国へ向かう。肺機能の弱い私として空気汚染が気になる。しかし暖かく迎えてくれる弟子たちに会えるのが楽しみで空気は気にしないこととした。また日中戦争の最大の被害地であった南京、いわば「南京虐殺博物館」を私の目て見たい。私はすでに中国で戦争遺跡として旅順の日ロ戦争遺跡をはじめ、ハルビンでの731部隊、満州事変、日中事変、戦争博物館など、もちろん韓国でも数多く見てきた。
 博物館とは何か。特に「国立」であれば国家の政治宣伝のようなことを強く感ずるのはなぜであろうか。それは先進や後進の国家を問わず著しい現象である。客観性を主張しながら「偽客観」のものがこの世にあふれている。面白い博物館を韓国で見たことを思い出す。「日帝侵略」というナレーションが終始し流されながら展示は客観的であったのが印象的である。「偽博物館」の中の「真博物館」であった。