日本文化論の講義で今池君が日本のアニメについて発表した。ポケモンなど代表的な作品を動画でみせて説明したが学生たちの賛同を得ても私はその面白さを探るのに必死であった。紙芝居とはどう違うかなど、私から質問し、学生から教えてもらう時間であった。答えは「見て楽しむことが第一だ」という。なるほど私はアニメは子供のものであるという先入感から関心を持たなかった。私には漫画や紙芝居などに夢中になった時期が無かったのが欠点であったとことが分かった。
私は数年前に加藤泰通監督の戦前のアニメ映画の満映「虱は怖い」を分析したことがある。虱の実物を見せてから画像を使って動かすアニメ映画であった。それを繰り返してみてもそれは解剖のようなものであり、楽ししむものではなかった。一つでもキチンと楽しんでみるのがよいという学生のアドバイス。乳母車の子供から教えてもらうという格言を思い出しながら嬉しくもあり、また戒めとして心新たにする時間であった。