崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日中関係の最悪の中、杭州にて

2012年11月02日 01時19分45秒 | エッセイ

 昨日関空から中国の杭州へ飛んできた。広島大学時代の弟子の金在国、金俊、李月順に迎えられた。また北京・民族学院大学の黄有福先生に再会した。観光の都市の杭州の景色の美しさを感ずことなく、まず大気汚染で喉に異常を強く感じている。韓国からも10人弱の方が見えたが、日本からは私一人だけである。ホテルのロビーで名刺交換に始まり、夕食後は台湾式の飲食兼ね個室のあるコーヒーショップに入った。私にはブルーマウティンが勧められた。つまみとしてでたピーナツが特に美味しかったので一般的に韓国や日本では中国産は美味しくないと言われるのに意外に「美味しいのはなぜであろうか」と話題を出した。一斉に賛同してくれながら韓国と日本から中国との比較文化論(?)が始まった。(写真私の右が黄、左から李、金)

 日中関係の最悪の中の中国で日本に関する話が多く、多少脅威感さえ感じている。東京都知事の石原慎太郎氏の国有の話し、韓国李大統領の上陸などから発端したもの、政治家の言動による難問題と話された。この状況をどう解決するか、心配であると。黄先生の体験談によると、北京民族学院大学の近くにある食堂にはまだ日本人は出入り禁止と張り紙があるという。その食堂で黄先生が韓国人と韓国語で話をしていた時ある従業員が話している言葉が日本語と間違い、断られたという。李月順氏の大学の日本人教師の3人には外出を控えるようにしており、買い物などはしてあげるなどの話がながく披露された。その中で私が日本から来たという話を聞いた同僚が意外な表情をしたという。日系産業で仕事をしている人の生産量が以前の半分、3分の1位に激減している。特に日本製の車を乗るのは危険であるという実感が述べられた。日本人でも「韓国人だ」というのが身の安全だと言うほど、思った以上深刻であるようである。しかし最近日本に一人旅をしてきた朱氏の話では「日本はアジアでは唯一の先進国である」と明言、それは中国や韓国ではないこと、満員電車に最後に乗る人がお尻から身体を入れながら乗るのを面白く語った。私は莫言氏のノーベル賞受賞の話で中国への関心を見せたがその反応は鈍かった。