「しものせき映画祭」の準備会まではよく手伝うことができたが、本番では風邪で手伝うことができなかった。申し訳ないと思うが、同僚たちの協力により無事に終えることができて安心し、感謝したい。昨日最終日の午後は市民会館大ホールで「サマーワーズ」に続いて「海と毒薬」を観覧した。前者はアニメーションの映画で今までになれていない映画ではあるが、人間の想像力を無限に出すことに面白さを感じた。
後者は戦争中の捕虜に対する人体実験。かなりしんどい話だ。遠藤周作の小説を熊井啓監督が映画化したものである。太平洋戦争中に、捕虜となった米兵が臨床実験の被験者として使用された事件(九州大学生体解剖事件)を題材とした。この映画では医学の発展のためには人間をモルモット化することも正当化されていることに作家は批判的な罪意識を問っている。
病院ではなによりいのちを大切にし、植物人間でも病院側からいのちを断つことが難しい。しかも生きている人を「生体実験」したことは医学への不信なイメージを作ることになる。私(おそらく私だけではない)は手術受ける時の恐怖感を持つようになったのであろう。この映画が名作であろうか。トークショーでは賞をめぐる周辺的なはなしはあっても肝心な問題点の話はなかった。私がピンと外れたかな。