崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

強すぎるリーダー?

2012年11月06日 05時38分39秒 | エッセイ

 中国での学会を終えて主催者と数人の参加者から感謝のメールが私より一足早く届いた。私は調査旅行の終わりはこのように無事到着の音信を送ってから完全に終了と思っており、院生たちにもよくいっている。一般的に中国人はマンマンディだといわれ大器晩成の意味もあるが時間管理意識が薄いという否定的なニュアンスが強い。今度の中国での話だが、ホテルのロビーで8時半に集まることが数回あったが韓国からの人が遅れたので、ある人が最近中国人は日本人のように時間を守り、韓国人がマンマンディだと冗談をいった。時間管理は近代化の基礎とも言える。中国の高度経済成長はこのような意識や制度の変化によるものであろう。

 中国へ日本から行って強く感じるのは強い国家統制である。共産党を通して人材が養成され、その人が大学でも指導と監視者になっている。大学間提携の時中国側の大学代表として共産党の書記と副総長が来られた。私は名刺交換をして英語では書記がsecretary共産党書記、副総長vice presidentとなっていて共産党書記を副総長の秘書と間違えて大変な失礼をしたことがあった。共産党書記の方が地位や権力の面でも上位だという。大学が共産党に支配されていることを意味する。日本でも大学は文部科学省の傘下にあることは同様である。田中大臣の大学申請不認可が暴挙といわれている。強いリーダーシップを求める声と強すぎるリーダーと混乱している。このたびはいろいろな問題があるとは思うが大臣の裁量権が無ければ官僚主義、あるいはコンピューターで決めても良いだろう。今度のケースは裁量権の意味をも熟考する契機となってほしい。(テーブルに花を飾ってみた)