崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

オバマ大統領就任式

2009年01月21日 06時29分22秒 | エッセイ
 私にとって異例なことであるが深夜2時ころからアメリカ大統領の就任式の中継を見た。牧師の祈り、奥さんと並んだ彼が聖書の上に手を当て宣誓するなどキリスト教の礼拝に似ており、キリスト教の精神がよく表れている。アメリカ社会の特徴ともいえる。
 アフリカからの移民、被差別黒人人種、食堂へ入れなかった父の息子が今、アメリカの指導者になると彼は言った。それは恨みや抵抗の言葉を超越した福音のように聞こえた。
 偉大な民衆の歓声と熱光はいつ変わるかわからない。それは政治行政の過程で変化するだろう。しかし私が注目して感動することは被差別民族に感じられる卑怯や屈折などの暗いところがないこと、民衆の熱狂に乗せられるのではなくそれを越えて民衆をリードしていけるという信念が伝わってくる。多様な社会、民主主義の模範を続けて見せてほしい。