崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

選ばれた人

2009年01月20日 06時20分07秒 | エッセイ
 今日黒人オバマ氏がアメリカの大統領に就任する。長い選挙戦を経て盛大な式典があって、ふさわしい。人気投票のような選挙によって指導者を選ぶということで制度としては不足であろうという人もいるが現在のところ最良の制度といえる。日本では総理を国民から選ぶという論理はあっても実感はない。北朝鮮はこの制度に反極に位置する。
 しかし選ぶのがすべて最善とは言えない。否、選ぶ次元を超えたこともある。人間存在の本源である「出生」は選ぶことができない。オバマ氏も黒人の親、そして自分もその遺伝子を持って生まれた。それは「運命」ともいえる。人生の生き方もさまざまな道を選んでいくが、生まれて死んでいくことは選ぶ次元ではない。
 オバマ氏が職務遂行していくところで支持率が落ちていくと思われるが、アメリカ人が彼を大統領に選んだことは偉大なアメリカとして記憶されるであろう。