崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ハンカチーフ

2009年01月14日 06時13分08秒 | エッセイ
 昨日大学に私宛で発送者が「下関市在住者」の普通郵便が届いた。中には小形の四角い布にレースや刺繍をしたハンカチが入っていた。丁寧な筆跡などから悪戯とは思われないが思い当るところがない。若者であれば恋人へのプレゼントと言えるこの郵便は研究室の中でいろいろと面白い話題の種になった。
 私が子供の時、終戦直後にはハンカチーフを持つ習慣はなかった。五日市で行商する人たちが面白い宣伝項目に西洋人のハンカチーフを持って歩くことが不思議と話題となっていた。中学校以後学校生活で定着したと思うが、【handkerchief】の英語をハンカチーフと発音しては誤りでハンカチと発音するように注意された。男が恋人からプレゼントとして貰うロマンチックなものと思われたり、否涙の離別の物とされたりした。日本では私が誤りだと思われる発音の ハンカチーフと呼ばれ、また代表的なプレゼント商品の一つであることは意外である。
この発信者不明の郵便物はロマンティックな想像を呼ぶかわいらしいものである。