verse, prose, and translation
Delfini Workshop
フランス語になった俳人たち(16)
2009-08-28 / 俳句
(写真)新宿の空
今日は、用があったので、いったん4時に起きたのだが、なぜか、一日中、ひどい耳鳴りに悩まされた。午後、叔母を病院へ。夜になっても体調が安定しないので、江戸川へ虫の声を聞きに行く。夜の太極拳となる。深夜、マエストロにメールを書く。マエストロの小説の一つは、ルカーチの『小説の理論』を踏まえると、非常に示唆的なモチーフになっている。タイトルは「The Flying Dutchman」である。
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"Watch out for that horse!
Watch out!"
mother sparrow calls
sore uma ga uma ga to ya iu oya suzume
それ馬が馬がとやいふ親雀
by Issa, 1818
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雲をりをり人をやすめる月見かな 芭蕉
貞亨2年。『春の日』所収。『真蹟拾遺』では「西行のうたの心をふまえて」とある。西行の歌「なかなかに時々雲のかかるこそ月をもてなすかぎりなりけり」をふまえる。
Aux admirateurs de lune
les nuages parfois
offrent une pause
※Traduction de Corinne Atlan et Zéno Bianu
HAIKU Anthologie du poème court japonais Gallimard 2002
月をめでる人々を
雲が折々
休ませる
■意味は、フランス語訳者のとおりなのだろう。しかし、これだと三行詩の域を出ない気がする。このとき、「月見」という言葉が重要なポイントになると思うが、月見に相当するフランス語は、その習慣がなければ、たぶん、ないのだろう。les admirateursは男性形複数だが、この言葉で、月見をしている人々のジェンダーを始めて意識した。もちろん、男性形で男女混合の集団を表わしているとも考えられるが、原句だけを読む場合、こういったことは意識に上らない。そう言えば、庵の風流人と言われれば、無意識に男性をイメージしていないだろうか。長明、兼好など、中世的な価値の完成者たちが男性だからだろうか。
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Sound and Vision
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