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芭蕉の俳諧:猿蓑(12)

■旧暦6月21日、火曜日、

(写真)新宮の海

起きたら、晴れている。台風はどうしたんだろう。サイバープロテスト、初校校正半分終了。時代と確実に切り結んでいるはずである。

相変わらずの低空飛行。まあ、飛行する必要もないか。地を這えばいい。虫の目の方が、鳥の目よりも、生のニュアンスが豊かなはずである。もろもろ、ストレスがかかって、ペリカンの215を衝動買いしてしまった。スチールペンだが、ペリカンのBlau-Schwarzで書きたくなったのである。



デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳

the well's bottom, too
utterly dry...
moonlit night

i no soko mo suppari kawaku tsuki yo kana

井の底もすっぱりかはく月よ哉

by Issa, 1822

Issa refers to the summer custom of draining and cleaning wells. In this haiku, the well has been drained, so there's no water to reflect the moon. Shinji Ogawa explains that suppari kawaku means "being dried completely."




ほとゝぎす何もなき野ヽ門構
   凡兆

ほとゝぎす瀧よりかみのわたりかな
  丈艸

■猿蓑巻之二。「わたり」は「あたり」。ほとヽぎすの声は、山へ行けばよく聞くことができるのだろうが、改まって、これがほとヽぎすだと認識したことはなかった。かっこうは、都市部でもよく聞かれるが。

凡兆の句、広々とした人家のない空間が、ほとゝぎすの声で、眼前に現象してくるよう。このときの野は、山裾などを言うのかもしれない。丈艸の句は、垂直に景が現れる。奥深い山を想像させる。
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