とある北区の禅宗寺院

2011年10月08日 23時59分59秒 | 日記
またまた(?)三連休に入りました。
うちの大学は例によって月曜日は授業なのですが、6限だけなので一応は暦通り休めます。
各種発表に備えて、少しでも有効に使いたいものです。

今朝は少し早めに家を出て、自転車で大学まで。
いつも通り駐輪場に停めた後、徒歩数十秒の等持院に行って寺宝展のアルバイトをしてきました!
毎年恒例の虫干しを兼ねた寺宝展(7日から11日まで)ですが、今年からゼミで監視のアルバイトをすることになったのです。特にこの秋は去年やっていたお祭りのアルバイト(ずいき祭、時代祭etc...)を入れられなかったので、率先して応募しました。
アルバイトは2人。開門と同時に入ると早速控室に通されて、普段入ることの出来ない生活空間としての寺院を垣間見ることも。

監視と言っても午前中は人がまばらなので、無人のうちは展示物をじっくり見ることが出来ました。(実は、昨日も下見を兼ねてゼミで訪れているのですが)
襖絵が狩野興以(光信の弟子)によって描かれた水墨画の作品であったり、長谷川等伯筆の豊臣秀吉の掛軸があるなど、決して有名ではなくとも「おっ」というような寺宝が展示されているのが特徴です。
また、石庭もきれいに保たれていて、近くの龍安寺とは違って両側に松、そして真ん中に紅葉が植えられています。つまり、四季によって印象の変わる石庭となっています。個人的にはこうやってさりげなく季節の移ろいが感じられるお庭の方が好きなので、しばらく日当たりの良い縁で眺めていました。
おそらく来月には白い庭がきれいな紅に染まるのでしょう、その頃にまたじっくりと腰を据えてみたいものです。

お昼を過ぎるとお客さんも増えてきて、質問に答えることもしばしば。事前に資料を渡されていたので、ある程度は答えることが出来ました。
ただ、人によって質問の種類やレベルが様々なので、あらゆる方向からのクエスチョンに対応するのはなかなか難しいものだと思いました。そう考えれば、学芸員の方々は随分と苦労されているのだと思います。
特に京都に生まれ育つと、極めて当たり前の存在である寺院をわざわざ調べようとはしないものですから、知らないことの多さに改めて驚くばかりです。(その代わり、かなりどうでもいい細かいことは知っている)

そして是非見ていただきたいのが、かなりマニアックですが…襖。
等持院のような歴史ある寺院となると、経年劣化で襖の一部が剥がれかかっています。
だからどうしたと言われそうですが、剥がれている部分を目を凝らしてよ~く見てもらうと、過去の修復に古文書が用いられていて、その文字が今でもはっきりと見えるんですね。
その昔、紙は書いた後でも再利用をしていましたから、剥がれたところに適当にペタペタ貼り付けていたのだと思います。それが時代を経るにつれて層のように重なって、後年の修復できちんとした襖に整えられたのでしょう。
もしかすると、襖の中には寺宝以上のお宝が眠っているのかもしれません。ちょっとしたロマンです。

16時半を過ぎるとお客さんも減り、落日を眺めながら庭園を閉門まで満喫。
無事に監視のアルバイトを終え、大学に自転車を取りに戻り、お茶のお稽古に行ってから帰ってきました。
今日は一日中ずっと「和」の空間に居たことになります。自ずと穏やかな気分になりますね。


写真は開門前の等持院。
こう見ると、衣笠山あっての景観だということが納得出来ます。