元検弁護士のつぶやき 無資格の助産行為(続報その2)commentscomments
お返事のコメントを頂いて有難うございました。長いコメントになりそうなので、記事に書くことと致しました。
まず、先のコメントでの非礼をお詫び申し上げます。見ると、不躾な書き方になってしまっていました。すみませんでした。
以前から思っていたことですが、法学関係者の方々は「具体的にはコメントできない」ということが多いと思うのですけれども、それは責任ある立場におられるので止むを得ないことなのだろうな、とは思っておりました。しかしながら、「法学の専門家」以外には、「法学的検討」というのは困難であることは当然でありましょう。法学の専門家以外であれば、所詮は「素人の思いつき」に過ぎないからです。私は今までに法関係の記事を書いてきましたが、いずれも素人考えの積み重ねでしかありません。警察の裏金事件に対する知事権限にしても、救急救命士の気管内挿管事件、市立札幌病院事件などにしてもそうです。結局、法学関係の方々が真剣に検討しない限り、同じ事が繰り返し起こってしまうのです。
素人の勝手な推測で申し訳ありませんが、立法趣旨から考えれば、医師法にしてもその他関連・類似法にしても、行為者の「免許」ということで国民の安全を担保するのと、同時に相応の責任を負うことから行為者の権利・地位を守る為に無免許者の「業」を禁止しているのであり、そもそも「医療従事者の行為」について、既に日常的に「業として行われているもの」の違法性を処罰する為に業の規定があるのではないと思います。刑事罰をもって特定医療行為の禁止を周知し、「通知」の解釈如何によって事後的に罰するというものではないはずなのです。行政側の通知というのは、出している役人の無知等から現場を無視したものであることも有り得るのに、その「通知」を金科玉条のように「絶対評価」として法的根拠・解釈とみなし、それに立脚して「刑事罰」を与えるという警察・検察があるのです。これは繰り返し起こっているのです。そのような毎度御馴染みの「法解釈論議」というのは、本当に医療を向上させるのでしょうか?国民に多くの利益をもたらしますでしょうか?国民の安全に寄与するでしょうか?そういうことを疑問に思うのです。
今回の看護師による「内診行為」に関しては、「違法性」というのは法律上明確なはずなのであり、この違法性が「元検事の弁護士」先生にも正確に理解できないとするならば、一体全体、日本の医療従事者で「元検事の弁護士」先生以上に正確に法学的知識・理解のできる人が誰かいるでしょうか?これも前から書いてきましたが、医療従事者それぞれ「個々の判断において」法解釈を行い、「絶対に」間違えることなく行為を行わなければ、「刑事罰を与えられる」ということなのですから。地方の行政担当者が「この行為は合法なのでしょうか?違法なのでしょうか?」と本省に問い合わせた所、「違法です」という回答(=通知)をした途端に、医療従事者は「告発」されるのです。それが、日本の医療に関する法の運用なのであり、それを行政も警察も検察も裁判所も法学研究者たちも、「何とも思わない」「正当である」と考えている、ということを疑問に思っているのです。
私は法学に関する知識というのは素人でしかないので、偉そうなことなど言えませんし、本当のところは判りません。でも、あらゆる法学関係者たちは、「口をつぐんで」何もしないのです。法解釈という分野に、素人たちが素手で立ち向かえ、ということなのです。それが日本の「法を司るものたち」の意志でもあります。
罪刑法定主義という言葉があるそうですね。ネット上で見かけることができ、それについてはWiki (罪刑法定主義 - Wikipedia)で読みました。
これによれば、
『「ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法律(この場合議会制定法)において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則」のこと。』
とあります。
厚生労働省通知による解釈によって左右される、「違法性」とは本当に罪刑法定主義に合致しているのでしょうか?どうやって医療従事者たちは「刑事罰」の境界を見極めればよいのでしょうか?法学的には素人に過ぎないものたちなのに。
助産師以外の「内診行為」を指示したということで、保健師助産師看護師法違反に問われ、刑事罰が成立してしまった医師が既にいるそうですよ。つまりは、法的には「違法性は明確」なのです。この医師は略式起訴(?、ちょっと正確には判りませんが、略式裁判というようなことかと思います)され罰金50万円の略式命令を受けたそうです。つまりは、刑事罰の形式としては、「確定的に」理解できているはずです。すでに刑は執行されているのに、今更刑事罰が成立するかどうか、などという議論にはならないはずです(この医師は医道審議会で、3ヶ月の医業停止処分という行政処分まで受けているのです)。「法律」が変わりもしないのに、去年まで違法行為で、今年から合法なんてことがあるのでしょうか。元検事の方にさえ判らないような立件であるというのなら、日本の検察は一体どうなっているのでしょうか。一般素人に理解できますでしょうか?その違法性が。
このような失礼なことを申し上げて申し訳ございません。ただ、法というのは、「違法である」というのが明確になっていなければ、一般素人などそれを理解し未然に回避するなどということは無理だと思います。数多く出た行政職員の裏金事件は、素人でも「誰がどう見たって」横領とか、公文書偽造とかです。これは素人でも明らかに「犯罪」と判るのです。それなのに、「違法性はなかった」「立件できない」と言うのです。だから、犯罪じゃない、刑事罰も与えられなくて済むのです。日本の法とはそういうものなのです。「誰の目にも明らかな違法行為」は刑事罰なし、「誰にもよく判らない医療行為」は違法として刑事罰、ということです。
こうした矛盾について、何故「法学関係者たち」は、誰も、何も、考えないのか?言わないのか?未だに判らないのです。弁護士も、検察官も、裁判官も、法学研究者たちも、数多く揃っていながら、というが、非常に残念でなりません。私はそういった「専門家にしかできないこと」をお願いしたいと思っているのです。
このようなことを書いて申し訳ございません。矢部先生が何も悪い訳でもございません。大変な失礼をしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
お返事のコメントを頂いて有難うございました。長いコメントになりそうなので、記事に書くことと致しました。
まず、先のコメントでの非礼をお詫び申し上げます。見ると、不躾な書き方になってしまっていました。すみませんでした。
以前から思っていたことですが、法学関係者の方々は「具体的にはコメントできない」ということが多いと思うのですけれども、それは責任ある立場におられるので止むを得ないことなのだろうな、とは思っておりました。しかしながら、「法学の専門家」以外には、「法学的検討」というのは困難であることは当然でありましょう。法学の専門家以外であれば、所詮は「素人の思いつき」に過ぎないからです。私は今までに法関係の記事を書いてきましたが、いずれも素人考えの積み重ねでしかありません。警察の裏金事件に対する知事権限にしても、救急救命士の気管内挿管事件、市立札幌病院事件などにしてもそうです。結局、法学関係の方々が真剣に検討しない限り、同じ事が繰り返し起こってしまうのです。
素人の勝手な推測で申し訳ありませんが、立法趣旨から考えれば、医師法にしてもその他関連・類似法にしても、行為者の「免許」ということで国民の安全を担保するのと、同時に相応の責任を負うことから行為者の権利・地位を守る為に無免許者の「業」を禁止しているのであり、そもそも「医療従事者の行為」について、既に日常的に「業として行われているもの」の違法性を処罰する為に業の規定があるのではないと思います。刑事罰をもって特定医療行為の禁止を周知し、「通知」の解釈如何によって事後的に罰するというものではないはずなのです。行政側の通知というのは、出している役人の無知等から現場を無視したものであることも有り得るのに、その「通知」を金科玉条のように「絶対評価」として法的根拠・解釈とみなし、それに立脚して「刑事罰」を与えるという警察・検察があるのです。これは繰り返し起こっているのです。そのような毎度御馴染みの「法解釈論議」というのは、本当に医療を向上させるのでしょうか?国民に多くの利益をもたらしますでしょうか?国民の安全に寄与するでしょうか?そういうことを疑問に思うのです。
今回の看護師による「内診行為」に関しては、「違法性」というのは法律上明確なはずなのであり、この違法性が「元検事の弁護士」先生にも正確に理解できないとするならば、一体全体、日本の医療従事者で「元検事の弁護士」先生以上に正確に法学的知識・理解のできる人が誰かいるでしょうか?これも前から書いてきましたが、医療従事者それぞれ「個々の判断において」法解釈を行い、「絶対に」間違えることなく行為を行わなければ、「刑事罰を与えられる」ということなのですから。地方の行政担当者が「この行為は合法なのでしょうか?違法なのでしょうか?」と本省に問い合わせた所、「違法です」という回答(=通知)をした途端に、医療従事者は「告発」されるのです。それが、日本の医療に関する法の運用なのであり、それを行政も警察も検察も裁判所も法学研究者たちも、「何とも思わない」「正当である」と考えている、ということを疑問に思っているのです。
私は法学に関する知識というのは素人でしかないので、偉そうなことなど言えませんし、本当のところは判りません。でも、あらゆる法学関係者たちは、「口をつぐんで」何もしないのです。法解釈という分野に、素人たちが素手で立ち向かえ、ということなのです。それが日本の「法を司るものたち」の意志でもあります。
罪刑法定主義という言葉があるそうですね。ネット上で見かけることができ、それについてはWiki (罪刑法定主義 - Wikipedia)で読みました。
これによれば、
『「ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法律(この場合議会制定法)において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則」のこと。』
とあります。
厚生労働省通知による解釈によって左右される、「違法性」とは本当に罪刑法定主義に合致しているのでしょうか?どうやって医療従事者たちは「刑事罰」の境界を見極めればよいのでしょうか?法学的には素人に過ぎないものたちなのに。
助産師以外の「内診行為」を指示したということで、保健師助産師看護師法違反に問われ、刑事罰が成立してしまった医師が既にいるそうですよ。つまりは、法的には「違法性は明確」なのです。この医師は略式起訴(?、ちょっと正確には判りませんが、略式裁判というようなことかと思います)され罰金50万円の略式命令を受けたそうです。つまりは、刑事罰の形式としては、「確定的に」理解できているはずです。すでに刑は執行されているのに、今更刑事罰が成立するかどうか、などという議論にはならないはずです(この医師は医道審議会で、3ヶ月の医業停止処分という行政処分まで受けているのです)。「法律」が変わりもしないのに、去年まで違法行為で、今年から合法なんてことがあるのでしょうか。元検事の方にさえ判らないような立件であるというのなら、日本の検察は一体どうなっているのでしょうか。一般素人に理解できますでしょうか?その違法性が。
このような失礼なことを申し上げて申し訳ございません。ただ、法というのは、「違法である」というのが明確になっていなければ、一般素人などそれを理解し未然に回避するなどということは無理だと思います。数多く出た行政職員の裏金事件は、素人でも「誰がどう見たって」横領とか、公文書偽造とかです。これは素人でも明らかに「犯罪」と判るのです。それなのに、「違法性はなかった」「立件できない」と言うのです。だから、犯罪じゃない、刑事罰も与えられなくて済むのです。日本の法とはそういうものなのです。「誰の目にも明らかな違法行為」は刑事罰なし、「誰にもよく判らない医療行為」は違法として刑事罰、ということです。
こうした矛盾について、何故「法学関係者たち」は、誰も、何も、考えないのか?言わないのか?未だに判らないのです。弁護士も、検察官も、裁判官も、法学研究者たちも、数多く揃っていながら、というが、非常に残念でなりません。私はそういった「専門家にしかできないこと」をお願いしたいと思っているのです。
このようなことを書いて申し訳ございません。矢部先生が何も悪い訳でもございません。大変な失礼をしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。