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教育は格差を再生産するか

2006年08月18日 20時06分37秒 | 教育問題
昨日の記事でたまたまシカゴ大の話題を書いたのだが、先日購入した『ヤバい経済学』の著者の1人である経済学者レヴィットもシカゴ大だそうだ。

以前に触れたベッカー先生(少子化と労働問題9)もシカゴ大なんだって(レヴィット本の中でもチラッと登場してた)。そういえば、山口一男先生(少子化と労働問題7)もシカゴ大だった。私はアメリカ本土に行ったことは一度もないし、シカゴもどんな所なのか知らないけれど。ギャング(マフィア?)映画とかのイメージしかない(笑)。


本の中身に戻ろう。全体に興味深い内容になっているが、特に目を引いた部分を取り上げてみたい。


「完璧な子育てとは?」という第5章の中で、学校の成績と関係のある事項を調べているのだが、詳しい中身は実際に読んで頂くとして、一番感銘を受けた記述を挙げてみよう。

『一つ目のリストに挙がっているのは親がどんな人かだ。二つ目のリストに挙がっているのは親が何をするかだ。いい教育を受けていて、成功していて、健康な親御さんのところの子供は学校の成績もいい。(中略)子育ての技に取り憑かれ、パラノイアになった親―や子育て専門家―に聞かせてやれば目が覚めるかもしれない。現実には、ああいう技はもてはやされすぎている。』

『でも、だからといって親が関係ないってことじゃない。もちろん親はものすごく重要だ。それがとても難しいところだ。つまり、親御さんが子育ての本を手にするころにはもうぜんぜん手遅れになっている。大事なことはずっと前に決まってしまっている―あなたがどんな人で、どんな人と結婚して、どんな人生を歩んできたか、そういうことだ。あなたが賢くてよく働いてよく勉強してお給料も高くて、同じぐらいよくできた人と結婚したなら、あなたのお子さんも成功する可能性が高いでしょう(中略)。でも、あなたが親として何をするかはあんまり重要じゃない―大事なのは、あなたがどんな人かなのだ。』(P222~223)


如何でしょうか。けっこう衝撃を受けたりしませんか?(笑)
『大事なことはずっと前に決まってしまっている』ですからね。それに、『大事なのは、あなたがどんな人かなのだ』ですし。


子供の成績がいいのは、遺伝的な要因なのか、出生後の環境要因なのか、これは判らないのですけれども、親と関連していると言えそうだということです。

考え方としては、大雑把に言えば

①生まれつき頭がいい→なので成績もいい(→社会的に成功しやすい=収入も高い)→子供も生まれつき頭がいい

②親の収入が高い→教育にお金をかけてもらえる→子供の成績がよくなる→社会的に成功しやすい=収入も高い

ということだろうと思われますが、どちらがどうなのかは判りません。でも、親が「どんな人生を歩んできたか」というのが、一番重要なのでしょう。親とはそういうものだ、ということです。これって、「子は親の鏡」ということが当てはまるのではないかと、ちょっと思いました。まあ普通に考えて、「センスと努力」の両方(生まれつきと環境)なんではないかと思うけど。


例えば、「ゴルフ」について考えるとしよう。「生まれつき要因」というのは、元々センスが良くて、ゴルフの才能がある、ってことだ。大して練習しなくても、ドライバーショットは遠くに飛ばせるし、バンカーショットもうまい、ってことです。でも、練習しないと、成功できない。なので、「環境要因」としては「小さいうちからゴルフをさせられる」とか、「頻繁にコースを回るお金がある」とか、そういう要因ですね。どっちもあるのではないかと感じますけどね。すごく貧乏である場合、ゴルフ用具も用意できないし、コースを回るなんて無理ですよね。生まれつきセンスが良ければ、同じ練習時間であっても早く上達するし、一定水準以上に超えていける。でも、センスがないと、練習である程度までは上達するが、どこかの時点で頭打ちになり、何度プロテストに挑戦してもダメとかプロになれたとしてもいつも予選落ちで終る、というようなことです。たとえゴルフの英才教育を施したとしても、その子供たちがみんな、タイガー・ウッズや宮里愛ちゃんみたいにはなれんのですよ、多分。


<休憩所:
全然関係ないのですが、笑い話を聞いたことあります。
シカゴ大のアメリカ人と日本人留学生の間での会話。

ア「日本の地名で知ってるトコあるよ」
日「えっ、東京とか京都とか?」
ア「それは確かに有名だけど、もっと違う街さ」
日「他には・・・大阪とか?それともヒロシマ?」
ア「いや、違うよ。札幌さ」
日「よくそんな地方都市を知ってるね。どうして?」
ア「シカゴじゃ、かなり有名さ。サッポロビール」
日「あー、ナールホド」(笑)

作り話かもしれないですけど。どうなんでしょ?

毎度のビールネタですみません。
私がビール好きだからっていうことではないんですけど。笑>


ちょっと退席しますので、また後で。